むかし書いた韓国コラム #897
韓国の国会議員がえりに付けている議員バッジは、韓国の国花であるムクゲの中に「國」と書かれたデザインが使われている。ただデザイン上、「國」ではなく四角い枠に「或」の字に見えたり、国会議員の不祥事が相次いだ時には疑惑の「惑」の字だと揶揄されたりもした。このバッジのデザインが変更されるという。基本デザインは同じだが、漢字ではなくハングルで「国会」と横書きにする。国会議員へのアンケートでも72.4%が漢字よりもハングルが好まれ、そのうち75%がハングルで「国」より「国会」とすることを望んでいた。
議場の議員席に置かれる氏名票の場合、10年ほど前にはハングルの氏名票を持ち込もうとした議員が「慣行」を理由に認められなかったこともあった。現在は漢字とハングルを選択でき、多くの議員がハングルのものを使用している。ちなみに議場の議長席に置かれた「議長」の表示は昨年10月に漢字からハングルに変更された。韓国の国会から漢字が消える日は近そうだ。
【解説】
現行の議員バッジはハングルで「国会」と書かれたもので2014年5月に関連法が改正され使用されている。韓国国会の公式サイトによると、「國」ではなく「或」と誤認されることや、日常的にハングルを主に使う現状に合わないことなどが変更理由に挙げられている。また、公共機関の公文書はハングルで作成しなくてはならないと定めた国語基本法を尊重する意味もあるという。写真は漢字を使っていたころの国会徽章。国会博物館公式サイトより拝借。コラムにある議員バッジはこれと同様のものだが、「或」を囲む枠がもっと四角に近い形だった。
(初出:The Daily Korea News 2014年4月9日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)
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