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むかし書いた韓国コラム #795

 韓国でチキンとビール(メクチュ)を組み合わせた「チメク」という言葉がいつの間にか定着しているが、このチメクが韓国を代表する料理のひとつになりつつある。慶熙大学国際教育院が留学生を対象に調査した結果、「韓国と聞いて思い浮かぶもの」として44%が「韓国料理」と答え、さらにその中で32%が「チメク」を挙げたという。ビビンバ(23%)、プルコギ(18.6%)、サムギョプサル(14.2%)、トッポッキ(8.8%)などを押さえ1位となったのだ。韓国で暮らす留学生にとってチメクはすでに日常の一部になっているようだ。

 韓国ではフライドチキン専門店が異常に多く、配達もしてくれるので手軽に食べられる。海外進出しているチキンチェーン店もあるほどだ。フライドチキンが韓国料理とは思えないが、タレをからめたもの、ネギをのせたものなど独自の発展を遂げている部分もある。日本からの来客に「韓国っぽい食べ物」をリクエストされた場合にはチメクというのも案外悪くなさそうだ。

【解説】
 しかしフライドチキンとビールではどこにも韓国らしさはない。そもそも揚げた鶏肉とビールの組み合わせなんてどこの国でも普通に存在するのではないか。どの国もそれをわざわざ自国の代表料理だと主張したりはしない。それをわざわざ食べたがる観光客というのも正直なところ理解できない。個人的には骨のついたチキンは面倒なので骨のない唐揚げを楽しめる日本の方がありがたい。

(初出:The Daily Korea News 2014年5月2日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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