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むかし書いた韓国コラム #545

 釜山のテジクッパやミルミョン、浦項のクァメギ、済州のコギグクスやモムククなど、地方に行くとその土地ならではの郷土料理があるが、ソウルでそれを食べるのはなかなか困難だ。郷土料理を掲げる飲食店はあまり見かけない。全州名物のビビンバや春川名物のタッカルビ、平壌冷めん・咸興冷めんのように全国区の人気を得た定番料理もあるが、多くの郷土料理はまだまだ地元に埋もれているのだろう。その土地で食べてこその名物料理だが、ソウルで手軽に味わいたいときもある。

 日本では郷土料理を町おこしに使うことも多く、ご当地グルメ決定戦「B1グランプリ」なるイベントも開かれている。韓国も地方のB級グルメを集めて開催すれば楽しそうだ。日本人の韓国旅行のスタイルも多様化しており、グルメイベントも需要はあるだろう。キムチの世界化を押しつけるばかりでなく、地元に根付いた名物の発掘もぜひ進めてほしいところだ。

【解説】
 もっとも、地方から進出してきても変にアレンジされてしまうこともあるし、地元に行かなければ食べられないからこその貴重さというのも大事なところ。でも知らなければ食べにも行けないのだから、やはり地方グルメイベントなどがあれば楽しいのにと思う。写真は浦項名物で「クァメギ」と呼ばれるサンマの生干し。

(初出:The Daily Korea News 2009年11月24日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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