むかし書いた韓国コラム #298

 円高のせいか知人の訪韓が相次いでいる。この週末も3連休を利用して知人がやってきた。

 遠来の客をもてなす気持ちは十分にある。久しぶりに会う相手だし、食事を振る舞うくらいのことは考えている。だがその一方で、円高を利用して来てるんだし、通訳・ガイド役をしてるんだからごちそうしてくれてもいいんじゃないか、という少々浅ましい思いもなくはない。円換算してさんざん「安い安い!」と連発されると、そんな安いものをごちそうしては悪いような気もするし、安いならこちらの分も払ってくれよ、と口には出さないが頭の中で考えてしまう。結局割り勘で落ち着くことが多いのだが、別に損をしたわけでもないのにどこかもやもやしてしまう。

 日本人はこんな時でも割り勘か。せこいなぁ。などと考えてしまうが、そういう考えをしてしまう自分のほうがせこいのか。決して金を払うのが惜しいわけでも、ごちそうしてほしいわけでもないのだが、日本からの客が来るといつももやもやしてしまう…。

【解説】
 こんなこと書いてるけどちゃんと日本からの客はもてなしていた。ただ円高の時期に「安い!」を連発されるのは気分が悪かった。ついでにいうと、この当時の韓国の食事は決して「安い!」というほど安くはなかった。日本より少々割安かな、という程度だ。もちろん訪韓客が普段日本でものすごい高級なものばかり食べているというのなら「安い!」も納得できるけど、そんなセレブな知り合いは自分にはいない。

(初出:The Daily Korea News 2012年1月9日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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