むかし書いた韓国コラム #915

 日本の韓国料理店では、韓国なら無料で供されるキムチやナムル、サンチュなどが別料金であることは知っていたが、ほかにも無料では出してくれないものがあるようだ。韓国で知り合った日本人の知人がSNSに投稿していたものだが、韓国料理店で酒のつまみにコルベンイの和え物を頼んだら、韓国なら普通に添えられているはずのそうめんが入っておらず、追加するなら別料金になると言われたとのことだ。韓国事情に詳しくなければ疑問も持たないのだろうが、韓国経験の長い知人はやはりそうめん抜きのコルベンイでは物足りず、別料金に不満を持ちつつもそうめんを追加したそうだ。

 そのそうめんがいくらだったのか投稿では触れられていなかったが、別料金というのはちょっと衝撃的だった。キムチやナムルと違い、コルベンイの和え物はそうめんが入ってこそ完成形ではなかろうか。未完成で供され、完成させたければ別料金とは。日本で韓国料理店に行くにはちょっと勇気がいるようだ。

【解説】
 似たような事例では、90年代に韓国に進出した吉野家はキムチを別料金で提供していた。飲食店ではキムチなんてただで食べられるものなので韓国人は驚いたことだろう。それだけが原因ではないが吉野家は90年代末期に撤退してしまった。韓国でもコルベンイのそうめんはおかわりの場合には追加料金を取られるが、最初から別料金というのは聞いたことがない。気前のいい店なら無料でおかわりをくれたりするものなのだが。

(初出:The Daily Korea News 2017年8月21日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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