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むかし書いた韓国コラム #396

 何度も韓国に来ている知人が再訪するという連絡があるとちょっと気が重い。食事くらいはごちそうしようと思い、何が食べたいかを尋ねてみても「なんでもいい」とか「珍しいものが食べたい」「地元の人しか知らないようなところがいい」と面倒なことしか言わない。ビギナーなら適当な焼き肉屋に案内しておけば満足してくれるので楽だが、リピーターはそうはいかない。

 そんな時にありがたいのはウズベキスタン料理店だ。なんでもいいと言っているし、珍しいし、地元の人すら知らないようなところだ。条件はすべて満たしている。東大門の近くに数軒が集まっており、実際に連れて行くと最初はいぶかしがられるが、料理は日本人の口にも合うので最終的には喜ばれる。羊肉が食べられる人なら問題はないはずだ。これまで何人も連れて行ったが、文句を言われたことはない。

 面倒なリピーターもこれで解決なのだが、次回の訪韓時にはリクエストの難易度がさらに上がってしまうのが少々問題ではある。

【解説】
 ウズベキスタン料理は日本人の口にも合うのでリピーターだけでなく在韓日本人同士の飲み会でもよく使っていた。ソウルだけでなく地方都市でも見かけたものだ。日本に引き揚げてきたらウズベキスタン料理を食べられるお店はほとんどなく、ソウルに行ったら韓国料理よりもウズベキスタン料理が食べたいくらいだ。

(初出:The Daily Korea News 2016年10月21日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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