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むかし書いた韓国コラム #326

 農林水産部と韓食財団が、韓国の味を受け継いできた伝統食堂100店を選定し発表した。今回選定されたのは50年以上の歴史を持つ店。店の入れ替わりが激しい韓国で50年以上の歴史があるのは相当な老舗の部類だ。現存する韓国最古の飲食店で創業108年のソルロンタンの名店「里門雪濃湯」をはじめとする100店が紹介された。

 100店の老舗のうち28店がソウルにある。ヘジャングクの清進屋、コムタンの河東館、プルコギの韓一館、冷めんの又来屋、コングクスの晋州会館など個人的になじみ深い店もリストに入っていた。このほかにソウルにもまだまだ知らなかった老舗があり、地方にも昔から地元の人に親しまれている多くの老舗がある。長い伝統はそれだけ味も保証されているということ。リストを片手に地方旅行を楽しんでみるのも悪くなさそうだ。リストは12日付の中央日報に掲載されている。きょうの昼食はさっそくソウル市内にある未訪問の店を訪ねてみるつもりだ。

【解説】
 最近では変わってきたとはいえ飲食店を卑しい職業と考える人が多い韓国では、20年も続く飲食店があれば十分に老舗と言えるかもしれない。そんな中で100年以上続く店があるというのも驚きだ。この当時100年を超えていた店は2店。10年後の現在でも100年超えは5店しかない。紹介された老舗100店のうち訪れたことがあるのは15店くらいだった。全店制覇はなかなか難しそうだ。

(初出:The Daily Korea News 2012年7月16日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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