むかし書いた韓国コラム #837

 のり巻きチェーン店を久しぶりに利用してみたら、日本人観光客と見られるお客が2組いた。のり巻きは日本のものと微妙に異なるとは言え、「韓国料理」というイメージでもない。観光客受けする食べ物とは思えないのだが、観光案内サイトにも手頃な価格で食べられる店として紹介されているようだ。一方、日本の牛丼店ではガイドブックを手にした韓国人旅行客を見かけたこともある。聞けば物価の高い日本で安く食事を済ます手段として紹介されているのだとか。

 自分もバックパッカーの経験があるので食事を安く済ませられるこれらの店のありがたさはわかる。各地で安い食事を食べたが、名物料理とは縁がなかった。ただ、あとで振り返れば奮発してもっといいものも食べておきたかったとも思う。バックパッカーはいかに金を使わないかを考えるあまり、旅の目的すらも忘れがちだ。

 のり巻き屋の日本人、牛丼屋の韓国人、みんなちゃんといいものも食べて帰ったかな。

【解説】
 節約する目的もあるが、一般的な庶民の食事を体験するという意味合いもあったかもしれない。日本からの来客からも「普通の韓国人っぽいもの」というリクエストは多く、屋台や、フードトラックのトーストなどの案内を求められたこともある。特にリピーターほどそうした傾向が見られた。リクエストされたから案内はするけれど、リクエストがなければもう少しいいところに案内できたんだけどなぁ。

(初出:The Daily Korea News 2011年9月8日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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