むかし書いた韓国コラム #846
2年にわたり行われていた旧ソウル駅舎の復元工事が終わり、9日に複合文化空間「文化駅ソウル284」としてオープンする。2009年7月から始まった工事は、1925年の建設当時の姿を復元することに主眼が置かれた。内部には多目的スペースや企画展示室などが作られた。KTXが発着するガラス張りの近代的なソウル駅もいいが、ルネサンス洋式の重厚感あるソウル駅は旅情をかき立てる魅力がある。
赤れんが造りのソウル駅は東京駅をモデルにしたという説もある。その東京駅も現在復元工事が進行中で、戦災で失われたドーム型の屋根も姿を現しつつある。こちらは来年6月の完工を予定している。
日本と韓国の首都を代表する駅がほぼ同時期に復元されるのはなにかの偶然か。激動の歴史を生き抜いてきた両駅は、東京駅が重要文化財、ソウル駅が国家史跡に指定されている。今後も大事に保存されることを願ってやまない。
【解説】
「文化駅ソウル284」は文化空間として使われており、展示などの催しの際に何度が訪れたことがある。現役当時に一般人は入れなかった貴賓室などに入れるようになったが、逆に一般に使われていたコンコースなどの部分には入ることはできず、現役当時を知る者としてはちょっと残念な部分もなくはない。
(初出:The Daily Korea News 2011年8月5日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)
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