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むかし書いた韓国コラム #390

 むかしに比べるとソウルでも日本の品物の入手はしやすくなっている。大手百貨店の地下に行けば輸入食品コーナーがあり、決して完璧な品揃えではないが、それでも大抵のものは手に入るようになった。

 一方、書店における日本書籍の扱いはというと、いまいちな感が否めない。以前に比べるとむしろ縮小されたような気もするくらいだ。先日も必要な本を求め何店も回ったが結局入手することはできず徒労に終わった。注文をすれば取り寄せてくれるというが、時間もかかり面倒だ。

 必要な本というのはガイドブック。辺鄙なところに行こうとしたわけではない。アジア有数の国際都市に行くので予習のためにガイドブックがほしかったのだ。残念ながらソウルでは手に入らなかったが、目的地の国際都市にある日本書店で難なく購入できた。実際、アジアの大都市はソウルより日本のものが入手しやすい。ソウルもがんばっているとは思うが、もうひと踏ん張りしてほしいところだ。

【解説】
 アジア有数の国際都市とはバンコクのこと。在留邦人数はソウルの倍以上で、日本のものはなんでもそろうといっても過言ではない。個人的には台北とバンコクは日本食も充実しており、現地の料理と日本の料理の両方が楽しめてお得だった。書籍に関しても、アジアの主要都市にはジュンク堂や紀伊國屋など日系書店が進出しているため、日系書店のないソウルと比べ品揃えは格段に違った。

(初出:The Daily Korea News 2011年5月25日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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