むかし書いた韓国コラム #770

 日本の飲食店ではごく普通に見られるが、韓国ではほとんど見られない光景がある。レジでの「お会計はご一緒ですか」という質問だ。日本では昼休みにサラリーマンが4~5人連れ立ってラーメン屋で食事をした後に、「会計は別々で」というケースが多い。自分の食べた分は自分で支払うわけで、割り勘にするよりも合理的ではある。

 韓国の場合、食後にテーブルについたまま代表者が徴収し、金額をまとめた上でレジに持って行くか、あるいは年長者がごちそうしてくれることも多い。

 他人に迷惑をかけないことを美徳とする日本では、自分の勘定を他人に負担させてはいけないという考えが働くがゆえに個別に会計するのだろうか。しかし個別に会計をするため、まとめて支払うよりも余計な時間がかかることになる。仲間内に迷惑はかからないが、後に並ぶ他人には結構な迷惑がかかっている。何十分も待たされるわけではないが、日本式の個別会計はスマートさに欠ける気がするのである。

【解説】
 むかしは割り勘をいやがられた韓国だが、最近は割り勘もごく普通になったようだ。それでもレジで1人ずつ会計するようなことはしないのではないかな。

(初出:The Daily Korea News 2011年6月9日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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