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むかし書いた韓国コラム 乗り物編

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「むかし書いた韓国コラム」から乗り物に関するものをピックアップしてみました。
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#高速鉄道

むかし書いた韓国コラム #877

 高速鉄道KTXがソウルと釜山をノンストップで結ぶ列車を今月から1日1往復運行している。これで京釜間は10分短縮の最速2時間8分で結ばれることになる。さらなるスピードアップで2時間を切れば高速鉄道としてのインパクトも高まるが、なかなか難しいだろう。  それよりもインパクトがあるのは、ノンストップというところだ。これまで停車駅は増やしても減らすことはなかったのに、大田と東大邱の両駅を通過させてしまうというのは英断だ。東海道新幹線「のぞみ」が名古屋を通過した際には地元から大きな

むかし書いた韓国コラム #791

 次世代高速鉄道車両「HEM-430X」が最高時速421.4キロメートルでの走行を記録し第1段階試験を終えた。これは世界で4番目に速い記録だそうだ。一方、2004年4月に開業したKTXは9年間で累積利用客3億6000万人を突破した。現在の1日平均利用客は14万6800人で、開業初期の7万2300人から2倍に増えるなど、KTXの発展は続いている。  一方で問題も抱えている。慢性的な遅れだ。特にソウル行きの上り列車で顕著にみられる。これはソウル駅周辺の線路を在来線と共有している

むかし書いた韓国コラム #777

KTXの世宗駅新設をめぐりいろいろと議論が起きている。停車駅が増えることが速度低下につながり高速鉄道の意味がなくなるというような話らしい。  KTX開業から12年。気がつけば駅も路線もかなり増えてきた。新駅を作るのも結構だが、個人的には東大邱から釜山まで直行するルートで新線を作り直してもらいたい。現在の新慶州・蔚山経由ルートは遠回りすぎる。高速鉄道計画当初は京釜間を1時間40分台で結ぶことが想定されていたのに、現状では2時間40分ほどかかる。だったら1駅増えるくらいはどうと

むかし書いた韓国コラム #685

 2日に開業した湖南高速鉄道。瞬殺で一番列車のチケットが売り切れた北陸新幹線とは違い、こちらの一番列車は当日でも十分な余裕があるほど空いていた。以前の当欄で1週間前でも空席があれば乗ってみようかと公約(?)していたので、上り一番列車に乗るため光州まで出かけてきた。  大統領が出席した盛大な記念式は前日の1日に行われたためか、正式営業初日の一番列車の出発はテープカットもなく控え目。それでも乗務員への花束贈呈などささやかな式が行われた。メディアの取材クルーはそれほど多くはなく、

むかし書いた韓国コラム #634

 ソウルと江陵を結ぶ高速鉄道(KTX)が来月にも開業の見込みだ。ソウル駅から江陵駅まで1時間42分、清涼里駅から江陵駅までは1時間26分。現在ムグンファ号で6時間以上かかることを考えると大幅な時間短縮だ。10年以上前に清涼里から江陵に列車で行った時は7時間近くかかり、その印象が強かったせいかいまだに江陵は遠いイメージがある。江陵がこんなに近くなるとは隔世の感があるが、実は高速バスは2時間半ほどで結んでいる。もともと鉄道は遠回りを強いられるためどうしても時間がかかっていたのだ。

むかし書いた韓国コラム #562

 ソウルと釜山を1時間半で結ぶ高速鉄道車両の開発が進められているが、KBSニュースよると実現はほぼ不可能らしい。国土交通部は2007年に「HEMU」と呼ばれる新型車両の開発に着手し、昨年3月には世界4位となる時速421キロでの走行に成功した。来年にも開発は完了する予定で、計画通りなら京釜間は1時間半で結ばれる。  しかし、鉄道施設公団の試算では途中2駅に停車する場合で所要時間は1時間54分となり、停車駅が増えると2時間を切るのは困難になるという。前にHEMUより遅い列車が走

むかし書いた韓国コラム #534

 水西駅を発着する高速鉄道SRTが来月9日に開業する。チケットの販売開始は22日午前7時から。前日のうちにアプリをダウンロードして会員加入も終え、当日は早起きして販売開始時間を待った。7時になると同時にアプリを立ち上げ無事に1番列車のチケットを確保した。1番列車ゆえに人気が高くプラチナチケットになったに違いない。入手できたのは幸いだ。  だがどうも様子がおかしい。確認してみると発売開始から12時間が経過した午後7時現在で、1番列車は上り下りともにガラガラ。予約率は10%以下

むかし書いた韓国コラム #277

 きょうからKTXの2期区間が開業し、ソウルと釜山はこれまでの最速2時間40分から最速2時間18分で結ばれる。もともと京釜間を2時間以内で結ぶのが目標だったことを考えると、わずか22分の時間短縮はそれほどのインパクトはない。むしろ慶州や蔚山に鉄道で2時間前後で行けるようになったほうが印象的だ。  京釜間の所要時間だが、あくまで「最速」2時間18分というところが盲点かもしれない。実際に2時間18分で走破する列車は2往復しかなく、ほとんどが2時間30分台、停車駅によっては3時間

むかし書いた韓国コラム #149

 今月から高速鉄道(KTX)の新型車両が営業を開始した。2004年の開業からもうすぐ6年。現在の主力車両であるフランスの設計による旧型車は座席の向きが変えられないなど利用者からの不満も多かった。個人的には前の席との間隔が狭く窮屈なことが不満で、自腹で乗るときは普通席ではなく特室に乗るか、時間はかかってもゆったりとしたセマウル号に乗ることにしている。という話をすると必ず、「そんなに長い足でもないくせに」などと憎まれ口を叩かれる。見栄でもなんでもなく、足を組むことができないくらい

むかし書いた韓国コラム #138

 まるで特別感はなかった。9日に開業した新しい高速鉄道SRTの1番列車に乗り込んだのだが、車内はガラガラで、同乗する取材陣も見かけることはなかった。少ない乗客も1番列車が目的ではなく、ちゃんと用務があって乗車している人の方が多いように見受けられた。乗務員が乗車記念にとモチを配っていたのが唯一の1番列車らしい雰囲気だった。SRTは新規開業だが、高速鉄道自体はすでに市民の足として定着しており、新規路線ができたところで一般にそれほど関心はないのだろうか。  では12年前に韓国に初

むかし書いた韓国コラム #83

 高速鉄道KTXが開業してきょうで10年となった。それに合わせコレール(韓国鉄道公社)もさまざまなイベントを行っているが、中には開業当日のKTXのチケットを窓口に持参すれば往復のチケットを無料で進呈するというものもあった。惜しいことに当方が初めてKTXを利用したのは開業翌日の2004年4月2日だった。釜山往復の料金も安くはない。10年後にそんなイベントがあると知っていれば開業当日に乗ったものを…。  ところで、実は開業前にKTXに乗った経験がある。開業直前の3月中旬に、一般