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むかし書いた韓国コラム 乗り物編

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「むかし書いた韓国コラム」から乗り物に関するものをピックアップしてみました。
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2022年8月の記事一覧

むかし書いた韓国コラム #877

 高速鉄道KTXがソウルと釜山をノンストップで結ぶ列車を今月から1日1往復運行している。これで京釜間は10分短縮の最速2時間8分で結ばれることになる。さらなるスピードアップで2時間を切れば高速鉄道としてのインパクトも高まるが、なかなか難しいだろう。  それよりもインパクトがあるのは、ノンストップというところだ。これまで停車駅は増やしても減らすことはなかったのに、大田と東大邱の両駅を通過させてしまうというのは英断だ。東海道新幹線「のぞみ」が名古屋を通過した際には地元から大きな

むかし書いた韓国コラム #842

 スマホのアプリでKTXのチケットを買おうとした。乗る列車を決めて決済しようとしたところ、画面に「選択した列車は他の列車に比べ停車駅数が少なく、料金が最大0.6%高くなります」と書かれたポップアップウインドウが現われた。確かに、選んだ列車はソウルから大田までノンストップで走る便だった。しかしわずか0.6%とはいえ「高くなります」と言われるとちょっと気分は良くない。停車駅が少ない分だけ所要時間は短くなるが、だからといって新幹線「のぞみ」が「こだま」を追い抜くようにKTXが先行列

むかし書いた韓国コラム #831

 海外から仁川空港に到着してうんざりするのはタクシー乗り場だ。ソウル市内まで7万ウォンという料金を提示されるが、空港までメーターで5万ウォンだったのに、どうして帰りの料金が上がるのか理解できない。けんか腰でやりとりすることも多く、観光立国を目指す国の玄関口のタクシー乗り場としては非常にお粗末な感じだった。  最近は空港内にインターナショナルタクシーのカウンターができている。ここでタクシーを申し込めば料金は定額でぼったくり一切なし。一般タクシーとほとんど変わらない料金で利用で

むかし書いた韓国コラム #804

 ソウル歴史博物館の前庭に、かつてソウル市内を走っていた路面電車の車両が展示されている。廃止されてからすでに40年が過ぎている。保存場所を転々としながらボロボロになっていた車両だが、なくなっていた部品類も新たに製作され現役当時のピカピカの姿に復元された。おざなりな保存が目に付く韓国では奇跡的とすら思える。  日本では近代化遺産や産業遺産、機械遺産としてさまざまなものが保存されている。これに対し韓国では古いものはあまり顧みられていないようだ。「漢江の奇跡」と称される高度成長期

むかし書いた韓国コラム #800

 ソウルには数多くの繁華街があり、あちこち訪れたことがあるが、繁華街でもない平凡な住宅街となると、そこに知り合いでも住んでなければ訪れる機会はない。こうして考えてみると、ソウル市内にはまだ行ったことのないところは数多くある。せっかくソウルにいるのだから隅々まで探検してみたい。  交通カードを片手に、どれでもいいのでやってきたバスに乗り込んでみるとちょっとした探検気分が味わえる。車窓に広がる景色もオフィス街から商店街、住宅街とめまぐるしく変わっていく。終点まで乗ってみるとそこ

むかし書いた韓国コラム #791

 次世代高速鉄道車両「HEM-430X」が最高時速421.4キロメートルでの走行を記録し第1段階試験を終えた。これは世界で4番目に速い記録だそうだ。一方、2004年4月に開業したKTXは9年間で累積利用客3億6000万人を突破した。現在の1日平均利用客は14万6800人で、開業初期の7万2300人から2倍に増えるなど、KTXの発展は続いている。  一方で問題も抱えている。慢性的な遅れだ。特にソウル行きの上り列車で顕著にみられる。これはソウル駅周辺の線路を在来線と共有している