天保10年8月19日(柏崎日記 現代語訳)

曇りで寒かったです。

早くに出勤して昼過ぎに帰りました。郷出のさいにもっていくトランク(挟箱:はさみばこ)の代わりに山崎より両掛けを借りるつもりだったのですが、カバー(ゆたん)の紋が違うのが良くないので、やめました。
トランク(挟箱:はさみばこ)を持っていくことにして、カバー(ゆたん)の木綿を取り寄せました。白木綿がよかったので、1反3万2千円ほど(1分600文)のところ、5メートル(1丈7尺)切ってもらおうと紺屋を呼んで頼んだら25日までに出来るとのことでした。

金子、竹内が三島郡への検見が終わって帰ってきました。添田伴助は明日着く予定だったのですが、加賀のあたりから船に乗ったそうで、今日着くことになったそうです。

17時から泊り番に出ました。暮合に山崎勝に代わってもらって、うちに風呂に入りにいきました。添田へお帰りといいにいって、御神酒をご馳走になって、役所に戻りました。

川澄何右衛門が役所に出られ話すには、この前の16日の夕方に夕立で雷が落ちましたが、24キロ(6里)ほど南の黒姫山麓山谷4箇所に大アラレが降りたそうです。田畑ともことごとく被害をうけたそうです。そのアラレの大きさは30センチ(1尺)廻りもあったそうです。多くの稲を打ち落とし、そのアラレが子供に当たって大怪我したそうです。その残りが魚沼郡15か村ほどに吹き付けていき、稲を吹き倒し、大被害のようです。魚沼は検見もないので、早いうちに検見に出張されるようにいったほうがいいですねっと会話をしていました。

添田が言うには、上方筋は上作で申し分ないそうで、道中も近江越前あたりも申し分なかったのですが、加賀路へかかると虫付きの話がでていました。
加賀辺りから越後まで虫がでたのでしょう。
みんなが言うには、今年は余り出来すぎたので、虫がわいて大変だったそうです。から虫とも筒虫とも言うんですが、稲の中から湧いてきます。1本の稲に50匹もいて、実の部分を食べられてはたまったもんじゃありません。

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