見出し画像

6年間の思ひ出


どうもこんにちは
この度、6年間通った医学部を卒業しました。
6年間かなり色々なことがありました。
仕事が始まるまであまり時間が無いのですが、6年間の経験談(自分語り)を発信したいと思います。

個人的にこれから医学部を志す人、卒業までまだ時間のある医学生、それからお医者さんって医学部でどんな生活してるのか気になる人に向けて6年間を自分の経験を踏まえたエッセイ風に書いていこうと思います。

今回は1年生の入学式から勧誘について書いていきます。


勧誘、それは戦場


春、満開の桜に季節外れの雪が吹き荒れる中、入学式が行われました。
肌寒い東北の地から関東へ来たということで、コートなどの上着の類はいらないだろうと一人暮らしの家には持ってきてなかったのが大誤算。極寒の中上着がなく震える北国出身者をよそに暖かいコートを着た関東以南出身者。
そのコート剥ぎ取ったろうかなと思いましたが、入学早々友達作りを諦めるハードモードを選択したくはなかったので、大人しく座っていました。

入学式が終わり、新入生を待っているのは部活への勧誘期間。
雪が雨に変わり、本来キャンパスの中庭で行う勧誘一発目は体育館に場所を移し行われました。
スーツを着た案内役の先輩に連れられ体育館に入った私達は希望や期待といった感情から恐怖や戦慄といった感情に変わりました。

普通、大学のサークルなどの勧誘は期待に胸を膨らませた新入生を先輩方が緩く和やかなムードでお出迎えするイメージだと思います。

しかし、医学部では違います。


120人という少ないパイを多数の部で奪い合わなければいけないいわば戦場なのです。


そこに普段は温厚なはずの先輩方の姿はありません。眼を血走らせ、半開きの口からヨダレを垂らし、新入生という名の子羊を今にも狩ってやろうというハンターの眼をしているのです。

そのため、誰も止める者がいないと、無秩序かつ強引に勧誘をする者達が続出するため、きちんと秩序を守るための委員会があります(先の案内役の先輩もその1人のようでした。)
その委員会の方が、在校生側にロープを張り今にも飛び出してきそうな先輩方を抑えていました。

そして、委員の「始めっ」の声で、ロープが解き放たれ、狂戦士達が一斉に私達に向かって走り出してきました。

「君、テニス興味無い?」
「体大きいね!一緒にラグビーしよう!」
「ラグビーなんて走ってばっかりじゃないか、一緒にアメフトやろうぜ」
「あ、あの合唱ブッ「柔道部に入りたそうな顔してるな!」
「アイスホッケーならみんな初心者だから安心して入ろう!」
「あ、あの合sy「俺と一緒に剣道やらないか?」
「水泳部で魚になろう(?)」
「女子バレーのマネージャーとか興味無い?」
「あ、あの、ガッ「やっぱり君はアメフト似合ってるよ!」


各々の部活が自分の部活に欲しい人材に向かって怒涛のような勧誘、そして運動部にもみ消される合唱部(合掌)。

そんな阿鼻叫喚の最中を切り分け、私は目当てである野球部のブースへ。

先輩A「おぉ、自分から来てくれる新入生は珍しい。経験者?」
私「ハイ!高校野球やってました!」
先輩B「これは期待できるぞ!こいつを絶対に他部活に渡してはいけない!」
先輩C「この子は確定として、もっと他の子達も探そう、マネージャーとか!」
先輩D「よっしゃ、君一緒に着いてきてくれ、新入生がいる方が警戒心も下がるから!」
私「?、は、はい。」


(昨日の友は明日の敵、すまぬ、みんな、俺、こっち側になっちまったよ、、許せ)
そんなことを思いながら、同期を狩りに(勧誘)しに、群れの中へと消えていく私なのでした。

余談ですが、先輩と一緒に勧誘をしていた際に、もみくちゃにされすぎて、クッタクタになり、泣きそうな顔の合唱部員の先輩を見かけましたが、何もかける言葉がなくその場を後にしてしまいました。
あの時の先輩、ごめんなさい。

次回は初めての定期試験について書こうと思います。
ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?