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【7wonders考察】PF理論の発展! 優先理論で盤面をみてみよう

■前置き

本記事は7wondersのゲーム性について考察した過去noteの続編理論の考察記事です😊
前作を読んでいることが前提の記事になるので、よければこの機会にご一読くださいな。結構訂正があるので、ご承知おきいただけるとありがたいです。

▼ルール説明はほとんどないです具体的なカード名も出します
・少なくとも100戦くらいはプレイしている方を推奨します。
▼ルールはBoardGameArenaの7wondersのアリーナモードに準拠します
・本稿では7wonders(新版、拡張なし)、三人戦
・今回はかなり3人戦ナイズの理論です。複数人戦で活かせるかはわかりません。

それでは長文ですがお付き合いくださいませ。

■PF理論の限界

PF理論の話をざっくり要約するとこんな感じ

・ポートフォリオ(PF)理論とはカード取得のバランスを考えることでリスクを減らして相対的に勝つ戦略のこと
・リスクを考える上でカードや戦略、文明の組み合わせなどの需給を読む事が重要。
・需要の少ないカードで大きなリターンを得て、需要の高いカードの供給を抑えて他人のリターンを減らすことが理想(太文字は後々重要)

自分で言うのもなんですが、この理論の大筋はいい線いっていると思っています。特に需給を見ることや、カードの取り合いはゼロサムゲームであることなど。
しかし、ところどころ説明不可能な点がありました。

PF理論の骨子にあったのは「すべてのカードは点数源か、そうでないかに二分される」という考え方です。この考えかたで割を食うのが軍事の取り扱いです。以前は軍事のことをこういう風に評価していました。

・軍事は点数変動のリスクが高く点数源として安定しない行動である。
・ただし全敗は大きなリスクになりうる。
・軍事は点数が固定されており、負けるごとに点数が低減する。
・最下位にならないことを目指して枚数を少なくし、市民などのより効率の良い点数源の獲得を目指す。

確かに軍事は点数源としては安定しません。勝ちを諦めた文明が軍事を独占して、その軍事点が入っていれば勝てたのになあという盤面も多々。
そして点数が減るリスクがあるのであれば、4~6枚使って21点を目指すよりもその分多くの市民を奪ったほうが安定するのでは?というわけ。

しかして、軍事の得点効率が低かろうと取得優先度が高くなる盤面はけっこうあります。
たとえば軍事が3人競合している盤面。このケースの場合軍事を取れないと負けですし、市民の需要が急増して独占が難しいです。こういうときの安定した勝ち筋を説明できませんでした。
せいぜい、頑張って軍事を取り切るかもしくは需要の薄い科学を取るか、といった説明くらいでどうも論理に穴があります。

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それに肌感覚として、いくら点数が安定しないからといって軍事1位が2位に負けるのか?という疑問はありました。理屈上はきちんと市民を勝ち取っていれば軍事で2位でも勝てるハズなのですが、経験上はどうも怪しい。
実際にログを見てみても、勝つケースと負けるケースの差がどこにあるのかイマイチわかりませんでした。


他に説明できなかった事象が「カット」です。
たとえば資材をカットしたり、科学シンボルをカットする手番。この行動は相手にとって需要のあるカードを抑えることで、相対的にリターンを得ようというものでした。

例えば科学シンボルをカットしてセットを妨害したり、ギザの石土資材を妨害してwonderのステージ進行を妨害したり。

カットという行為は自分の得点を増やしません相手の得点を減らします。つまり得失点差を見れば有利がつくのですが、
このとき有利がつくのは「カットを行った主体」だけではありません

カット

例えばアレクサンドリアがギザの石をカットすると、ギザの得点力を削ぐことができるので有利がつきます。
しかしそれは同席するハリカルナッソスーギザ間でも同様です。そしてアレクサンドリアーハリカルナッソス間には有利不利はつきません。

何なら、この盤面ではギザがハリカルナッソスの科学をケアできなくなるので間接的にハリカルナッソスはアレクサンドリアに有利を取ったといえます


ここまでは点数源として論理が怪しかった点です。
もう一つ自分のなかで納得がいかなかったのが資材です。

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以前は資材のことをこんな風に表現していました。

・点数源としては価値のない札
・最低限盤面には存在しているけど、自分に必要な分しか保有しない状況を目指す。
・多く取りすぎることで点数札に割く手番が減ってしまう。
・そのうえ大量の0点札に対して労働者ギルドで大量得点されると重たい。

要は資材は自分のwonderに必要なもの以外は借り受けましょうということです。その意味で交易場があるとかなり手番を圧縮できると述べました。

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なぜ手番を圧縮するのかというと、資材の数を減らして、その分市民を取れば自分の点数と相手の機会損失を同時に遂行できるので効率が良い。これは軍事で最下位にならなければ勝てると述べた際の理屈と同じです。

7wondersの有名トップランカーのwonderful playsさんも3人戦での立ち回りにて同様の作戦の有効性を述べています。

少しだけこの動画の内容に言及しますが、

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◆Other
・Denying key resources to other players
他のプレイヤーにとって重要な(需要のある)カードは渡さない。
・Stealing points from red winner
赤の勝者からは市民などの得点を奪おう。

この動画で言及されている内容はかなりPF理論に近いです。
需給という言葉は使われていませんが、相手にとってリターンの高い札を妨害して(つまりwonderに主要な資材や市民)相対的に勝とうといったことが述べられています。

しかしどうしても資材を減らすことで供給のリスクを負いすぎてしまうのが気がかりでした。
資材を減らせば手番は増えるけどかなり資材や資金で困窮してしまい、たまにage3でカードを取れないことがありました。

そこが負け筋になることもあったのですが、しかし資材を取りすぎて負けることも多々経験してきたので、体感的には資材は少なくても全然いいという気持ちが勝っていました。

じゃあカットって意味ないのでしょうか?
軍事2位なのに最終1位を取れたのはどう説明すればよいのでしょうか?
資材って結局どう扱えばいいのでしょうか?

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※少しだけ余談

wpさんの動画では他にも文明や戦略ごとのストーリーを描く重要性についても言及されています。

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私の考察になかった概念として、上家、下家が競合なのか別陣営なのかを考慮しましょうと言っています。この考え方は抜けていたのでとても参考になりました。

この動画を見てから少し実践を重ねた感想ですが、実際にこうした上家下家を考慮する盤面は多いです。一番多いのが軍事軍事科学で、自分軍事の、上家が軍事のパターン。上家側は一方的に軍事を取り勝ちつつ科学をパスしてくる戦法がとても嫌です。

ただ、「軍事」と「科学」という大枠で捉えるのではなく、「文明」の枠で捉えるべきだとは思います。例えばこれはロードスの記事での盤面ですが、

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ロードスはダブラン石をマストで得なければなりません。初手にダブラン石はなく、軍事を取ってしまうと資金が0になってしまう。次手でダブラン石が来たときに回収できなくなります。

もしエフェソスの初手に鉄土木の軍事があった場合、ここは軍事取得で競り負けます。このように実際には文明ごとに資材リスクが異なるので、必ずしも同じ戦略の文明が上家だからといって窮屈にはならないと思います。

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■対立に勝つということ

「軍事」と「カット」これらの共通点は、
1:1の関係で有利をつける行動であることです。


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軍事は1~3位まで明確に順位がつきますが、もっとミクロに見てみると
ロードス:オリンピア
ロードス:オリンピア
ギザ  :オリンピア
の1:1の関係を総当りしているに過ぎません。
少なくともギザとオリンピアはロードスとの得失点差においては五分なのです。お互いにロードスに負けてるから。


カット

こちらはカットの盤面ですがこちらもミクロに見れば、
ハリカルナッソスとアレクサンドリアの対ギザにおける有利不利は同じです。ギザがカットされるとギザ以外のすべての文明が利益を受けます。

つまりPF理論の問題点とは、

対立に勝つことによって発生した得失点差を、自分以外のプレイヤーが享受することを考慮していなかった
ということです。

■得点と対立の関係

少し課題が整理されてきました。

今まで私は全体の1位を取るために自分のベースとなる得点を稼ぐことと、強い文明の得点を押さえることは手段が違うだけでどちらも1位になるための行動だと考えていました。
しかし実際には違っていた。
いわゆる漁夫の利が発生して、頑張ってカットしたのになにもしていない人に負けうるのです。

では、この対立という構造はゲームの勝敗に対してどのように影響するのかについて考えてみます。といっても早速結論から述べてしまいますが、

対立勝利とは自分と相手の得点差を守る行動である
と考えています。

例として軍事フェーズの前後でなにが起きているのかを図示してみます。

軍事と守る


赤い四角形は軍事点によって加算された点とします。簡単のため軍事敗北によるマイナスは考えないものとします。また過去の軍事点はすでにベースの得点(黒い四角形)に含まれているとします。本当は分けたほうが厳密ですが。

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まずはロードスが全勝した場合。あたりまえですが、軍事の勝数によってもともともっている点数に+αが加算されます。
軍事の前後で順位に変動はありません。

では、それぞれ別の文明が勝った場合はどうなるでしょう。

軍事と守る2

ギザが勝つと1位がちょっとだけ逆転されますね。もともとギザは高い点数を持っていたので、軍事の勝利によって点数が伸びました。

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ではオリンピアが勝ってギザが勝つとどうなるでしょう。
ギザはもともとの点数が高かったので、ロードスとの点数差を逆転することができました。
しかしオリンピアは基礎点数が低かったので、軍事2勝をしてもまだロードスに少し負けている格好です。
せっかく軍事に勝ったのにちょっとしょっぱい。

このオリンピアが勝ったケースってなにか見覚えがありませんか?
そう。このケースは軍事で最下位だった文明がage3で軍事全振りした盤面を示しています。age3で軍事を二枚とって負けるというジンクスです。

このケースでもう一つ注目したいのがロードスです。もし2位であればギザに逆転されることはありません。なぜかといえば、ベースの点数がギザよりも高くギザとの対立に勝利することでベースの点数を守りきったからです。


最後に、この三軍事が最後まで引き分けで、互いに市民を取り合った盤面だとしたらどうなるでしょう。かんたんのため点数差はほぼつかなかったものとします。

軍事と守る4

最終フェーズも引き分けだと点差はつきません。そのままベースの得点が順位になりますね。これも対立に負けなかった(対立で差がつかなかった)のでベースを守りきったといえます。

しかし軍事で全勝した文明がいると話は別。最終フェーズの軍事順がそのまま順位になります。
なぜかといえばベースの得点に対して軍事点数の割合が高いからです。軍事の21点が最終得点における30~50%くらいはありそうですね。それくらい切り詰めたゲームだとこうなる。

ここまでの例示から以下の示唆が得られます。

▶対立勝利が勝利に寄与するかはベースの得点の割合による
・ベースの得点が低いと軍事勝利の効果が薄い
・全体のベースが低いと軍事勝利の効果は高くなる

そして最初に述べた結論がこうなりました。

対立勝利とは自分と相手の得点差を守る行動である

どうでしょう。わりと納得いただけるのではないでしょうか。
ただし示唆の2つ目を考慮するともうちょっとだけ拡大解釈が必要で、

基本的には得点取得を優先するべきだけど、
ある条件下では対立勝利を優先したほうが1位につながることがある。

これこそが今回提唱する理論です。
3人戦のシーズンももう終わりですが、今のところこれが自分の中での3人戦の結論です。

■優先理論

優先理論についてまとめます。

優先理論

ある時点での盤面は「得点優先」「対立優先」のどちらかに傾いている
・得点優先の盤面のとき自分の基礎得点を稼ぐことを第一に考える。
・対立優先の盤面のとき「基礎得点を守りたい相手」への対立勝利を考える

対立優先の罠
・対立優先の手筋は「自分:相手」の行動だが利益は全プレイヤーが受ける

盤面の切り替えは基礎得点が相対的に高いか低いかで判断する
・自身の基礎得点が低いうちは基本的に得点優先の盤面になる。
・基礎得点が高まったときに対立勝利の盤面に移行することがある。
・将来の基礎得点の伸びを考慮できる場合、今時点で基礎得点が低くても対立優先の手筋を追ってよい。
・基礎得点が低くても最下位を脱したい場合は2位との対立を優先する。

得点優先の手筋
・市民、ギルド、wonder、商業などの点数系行動
・科学戦略全般

対立優先の手筋
・軍事
・捨て、埋めなどのカット行動(資材カットも含む)
・スティール、奪取(相手の重要資材をこちらが取得する)

具体的に戦略ごとに優先理論がどうはたらくかを解説します。


■優先理論--軍事戦略の場合--

軍事戦略の基本的な勝利パターンは軍事 + αの点数を獲得するでした。

優先理論の枠組みで捉えるととても合理的であることがわかります。
+αの得点とはつまり基礎得点です。

軍事戦略はそもそもが対立優先の手筋に多くの手番を割かなければならないので、そのままだと基礎得点が低すぎてしまう。

よくある軍事vs軍事vs科学という盤面はこうならないといけないはずです。

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ハリカルから見れば対立勝利できなかった(しなかった)ので点数差を守れなかったともいえるし、
ロードスから見れば基礎得点をしっかり稼いでいたからこそ、軍事戦略で一位をとることができたと見れます。
(一応軍事戦略って全勝かほぼ勝ち越しが前提なので、軍事点はあらかじめ考慮しているものです。)

で、これがよくある負け筋なんですが

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科学を無視して軍事vs軍事間の対立勝利を優先。結局科学を止めきれずに3位には大差をつけてるけど1位にも大差がついている状態。

これはロードスの基礎得点がハリカルに比べて相対的に低いともいえるし、ハリカルとの対立勝利を考慮していなかったので軍事以外で点差をうめることができなかったと言えます。

軍事戦略は基礎点を増やすことに限界があります
あたりまえですが、科学の最大得点は76点です。科学者込みで85点。
軍事による対立得点を換算しても21か24点。基礎得点だけで55点近く取ることは不可能です。

なんならこの図の例では、ロードスの基礎得点は十分高まっているといえるでしょう。
ここでロードスに必要だったのは、ハリカル(科学)に対しても対立優先の盤面があるのを理解することでした。

ここで取りうる手段は
・科学カット
・資材カット
あたりでしょうか。科学者ギルドの材料である鉄や木を処理して取らせないようにしたり、単純に科学を埋めても良いでしょう。

必要以上に軍事を恐れないで、それなりに基礎得点が高まったのなら科学側の対処も考える必要があります。
そして軍事文明に与えられた科学側への対立優先の手筋こそがwonderです

たいていのwonderは得点行動ですが、同時に相手のカードを1つ埋めることができるので対立の手筋でもあります。
相手を妨害しながら自分だけ利を得られる回数制限の強い行動であることはもっと認知しようと思いました。

ただこのケースに関して時折認知のバグが生じています。

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ロードスはギザとの対立勝利を優先して科学ケアをギザに丸投げ、ギザは渋々科学をカットしてハリカルに対立優位をつける。
そのギザ:ハリカル間の利益をロードスが享受して勝ち。ギザの献身的な行動でロードスに勝利が渡っていることは理解いただけるでしょうか。

無自覚でこの盤面を起こしている人が多いんですけど、こんな感じで軍事をとにかく優先して一切科学をケアしないプレイングは、たいていの場合軍事側が勝てません。断言します。
いやいやそんなことないよ、という気持ちもありましたがたまたま軍事を優先した文明に強い得点カードが集まっただけでした。みなさんもそういうログを振り返ってみてください。
確実に7,8点のカードが複数集まっているか、軍事競合が軍事を諦めたので空いた軍事の手番で多く市民を集められたかのどちらかしかないはず。

優先理論に則ってこの盤面を考えたいのであれば、
軍事+αの戦略において十分 α を取れたor取れる見込みがある段階で科学との対立優先に移行する
これを忘れないようにしてください。

とどのつまり軍事戦略とは、すべての文明に対して1:1の関係で優位にたつことで全体としても1位になることを目的とすべきなのでしょう。

PF理論ではここまでの話をまるっと「戦略の需給上、軍事vs軍事vs科学なら科学が有利」と捉えていましたが実際はもう少し深堀りができたというわけですね。
この考え方はいい線いってたんですが「スティール札として科学の需要がなく軍事側が得点優先しつつ科学に対立優先できる行動が安定しないから科学と軍事の基礎得点差が埋まらないので科学有利」というのが正しかったです。対軍事なら市民をスティールすればむこうの総得点も減らしつつこっちも増やせますしね。

ところで科学ケアに関してはケース・バイ・ケースなのですが、理想論でいえばこうなってほしいはずですね。

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ここは経済学でいうゲーム理論(私の造語じゃなくてちゃんとした学問です)のナッシュ均衡やらパレート最適やらの話になってくるので、なかなかこうはならないのですが...。
得点優先しつつ、無理のない範囲で科学との対立勝利を目指すケアルールについて現在記事を執筆中ですので乞うご期待ください😋


最後に軍事競合戦です。さきほどの画像を再掲しますが

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まずは基礎得点をしっかり負けないようにする。ギザは無意識でも高くなるのですが、wonderを埋めるのがきついオリンピアとかアレクサンドリアは意識して市民を取らないと基礎得点が低くなりがちなので、ここを忘れないようにしましょう。
よっぽど基礎得点に差がついていなければ軍事全勝がそのまま最終順位に直結します。

もし軍事で負けてても軍事全勝の文明の基礎得点が低いのであれば、市民奪取のムーブで相手の点数機会を奪うのが有効です。
ちなみにこれが最初で述べた軍事2位でも最終1位になれる場合とふつうに軍事1位で1位の場合との違いです

軍事競合戦の場合、対して基礎得点差はつかないです。科学を一種だけ触るとかしない限り。だから理屈としては市民スティールしてこちらだけ基礎得点を伸ばせれば軍事で負けてもやんごとなくできそうですがそううまくはいきません。PF理論ではこの基礎得点で差をつけることがうまくいった場合のみを考慮していました。
やっぱり基本的には軍事1位が勝利に直結しやすい気がしますね。

軍事戦略における優先理論のまとめ

軍事 +αの正しい理解
・軍事戦略は基本的に対立優先で盤面を捉える
・対軍事、対科学のそれぞれに対して1:1で優位を取ることで全体の1位を目指す戦略である。
・+αとは基礎得点を高める行動でありマストで必要な行動。

対立優先の考え方
・対軍事は常に軍事勝利を考える
・対科学は基礎得点が十分に見込めるのであれば、科学ケアなどで科学側との対立優位を目指す。

対立に勝てない場合
対軍事に勝ちきれない
・市民や資材のスティールカットで競合の基礎得点でのリターンを抑える(得点優先の盤面に移行してもよい)
・科学同席の場合、科学との対立勝利が見込めなくなるような軍事競合との対立勝利は控える。競合の資材カットなど。

対科学に勝ちきれない
・基礎得点の向上や軍事対立の勝利を優先して対科学の対立勝利を後回しにする。資材を集めてドラフトを強くする、哲学者ギルドを狙う、など。
・科学が資材や資金のリスクを負って3セット完成の札が流れてきた場合などで最小限かつ有効な科学ケアをする。

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余談
wonderに関してはもう一つ面白い使い方があって、age2でwonder3まで埋めてしまうプレイングもありだと思っています。基本的には安定性を損なうリスク行動です。
しかしage3の手番が圧縮されるので基礎得点がそもそも足りずカットよりもそちらを得点を優先しないと行けない盤面なんかはあえてage2でwonderを埋めるという得点優先の手筋を追うこともありだと思ってます。最近かなり注目しているプレイングです。

日本人の有名プレイヤーがわわさんをよく研究しているのですが、資材のリスク管理を徹底したプレイングが魅力です。age3で取り逃しを減らしつつ基礎得点をきちんと稼ぐのがうまいです。
がわわさんは特に勝率が安定しているので、暗黙知に結構ヒントがあると思っていたり。

現状の結論として資材とはマナであり、相手への対立択でもあるから積極的に取ってしまっていいと考えてます。最後の章で簡単に解説します。

がわわさんはよくこのwonder3埋めをしますね。
十分科学カットがされているから基礎得点を再度伸ばしたり、軍事勝利が確定しているからage3も得点優先で行こうとか。そういうときに使っている印象です。

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■優先理論--科学戦略の場合--

優先理論を考えるうえで最もキモなのが科学の存在です。
常々科学は最強の戦略だといってきました。その理由はPF理論のなかでもいくつか説明できていたのですが、優先理論で捉えるとその強さの理由が完全に説明できると考えています。

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たいていの場合、最終得点における基礎得点だけの割合はこんな感じに科学だけ飛び抜けているはずです。科学の点数が高いことは皆さんご存知でしょう。

つまり科学戦略は基本的に得点優先で盤面が進行します。
そしてそれが最強の理由の1つです。
極端な話ですが、科学は4セット揃うのであれば軍事なんて全敗してもまず間違いなく勝てます。基礎得点をこれほどまで高く積み上げられる戦術というのは点数レースのゲームにおいてとても合理的なのです。

もちろんそれだけではないです。
科学には連鎖というシステムが充実していますが、これはその表です。

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PFの理論を執筆した段階では、科学の連鎖システムのうち科学シンボル→科学シンボルへの連鎖しか考慮していなかったのですが、むしろ科学ではない方の連鎖が重要でした。

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軍事連鎖です。

ここまで説明したとおり、軍事とは対立優先の手筋です。
つまり科学陣営は得点優先の行動に特化しながら、いつでも対立優先の盤面に対応できることを示しています。

これはとんでもないことです。軍事戦略は軍事だけ勝っても意味がないことはさんざん説明しました。軍事というシステムは同時に得点を得るような仕組みを備えていないのです。
軍事全勝したけど負けるオリンピアやアレクサンドリアに心当たりがないひとはいないでしょう。

とはいったものの、実際に科学陣営がどれだけ両対応できるのかについては考慮する必要があります。全パターンを網羅することは非常に困難なのでよくあるパターンで思考実験してみたいと思います。

まずは軍事vs軍事vs科学

このパターンでの科学は得点優先の手筋、つまりセット戦略を最初から狙っていいと考えています。

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個人的によくあるなーと思っているのがこの2:5:9と科学が集まってくる形です。バビロンの場合は一枚wonderで科学者を持っているので、これを換算して3セットのような形。バビロン以外だと3セットまではできないけど43点稼げるみたいな。

このときバビロンが抑えてる資材構成は最低限こんな感じのはず
土土、石、紙、ガラス、(ダブラン鉄?)
競合科学がいないのであれば資材を厚くする必要はないと思います。それよりもケアされる前に集めきってしまったほうがいいと考えています。

age3で3セットできるかどうかはともかく、age2までの2:5は高い確率で起きうると思います。

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で、軍事側のよくあるケアがこんな感じだと思います。どのシンボルがケアされるかは場合によりますが、ハリカル以外ならage1で1枚は科学を取り逃して、age2で1枚逃し1枚ケア、age3で3セット妨害の1枚ケアくらいでしょうか。

資材を4枚、wonder2枚、科学7枚として、残り手番が5枚とwonder1効果の+2枚くらいにしておきましょうか。

科学がダブっているなどしてage2までに軍事に寄せる場合、age1で木の軍事(営倉)をとれていれば、age2で連鎖軍事の矢場を1枚とって軍事3。よっぽどこじれなければ2位は狙える数値です。運が良ければ矢場、ダブラン石→防壁で軍事4。これなら1位も狙える。

age2で2位以上が取れるといろいろと面白い展開が作れます。少なくとも2位さえ取れれば科学で得た36点の基礎得点を守り抜けるでしょう。

・軍事競合に無言のプレッシャーをかけてage3で軍事に1手使わせる。
・軍事3位の文明に軍事脳筋させて軍事1位の点数を下げる
・軍事を諦めた3位から何もせず5点をえる

科学が集められそうならそのまま収集を続行でいいでしょう。軍事側はケアと並行して資材収集や軍事対立の勝利も考慮する必要があるので、最速ですべてそろえたほうが結果的にリスクは低いと思います。
少なくともage2で科学が6枚あるならセット戦略はほぼ完遂できると思います。バビロンやハリカルの場合は。

もう一つ科学側特有のメリットとして軍事のwonderカットがかなり強い対立優位の行動になります。
wonderカットは決まると強いですが、唯一の懸念が相手の科学ケア能力を奪ってしまうことでした。でも科学する側がこれを狙ってもデメリットはないです。自分の科学完遂をしやすくしながら、相手の行動力を大幅に削ぐので科学を十分集められる目安があるなら(基礎得点が高くなりそうなら)積極的に狙うべきです。

最後に対軍事での注意点ですが、科学を1セットでも集めておけば、軍事戦略における基礎得点が十分高まった状態です。科学は1セットにとどめて軍事戦略に移行するパターンの戦略もあります。

その場合科学以外で基礎得点を高める手段は確保するべきです。それは市民などになるでしょうが、それらを集められるだけの資材も確保しなければなりません。

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個人的にこれは負け筋が多くなると思っているので、多少ケアされようとも科学は諦めないパターンが多いです。そして軍事連鎖できるとはいえ、age2の2周目で科学が取り終わったあとに引き分け以上を狙う程度に抑えています。もしくは科学ケアの圧が強すぎるときに軍事1位をとって微妙になってしまった科学点を守るか。
やっぱり科学文明って軍事しにくい資材構成だし、せっかく連鎖でage3でも事故りにくいのだからそのメリットは活かしたいなと思うわけです。


問題は科学競合のパターンです。
このパターンがとても網羅しきれないのですが、優先理論で盤面を捉える上で重要なことだけを述べます。

・科学シンボルは専有できないと得点効率が低い
・科学の基礎得点を下げる最も有効な手筋は科学戦略の競合
・科学競合の方法のうち、最も利がないものがセットvsセット

科学が得点優先の手筋を追えるのは科学が独占できるからです。
もし科学競合がいた場合、どちらかがセットを作り勝てた場合は上記の軍事vs軍事vs科学のような盤面になります。当然ですがセットをつくったギルドが圧倒的に有利です。

しかしここでセットを作り負けたほうが諦めなかった場合、互いに中途半端に科学が集まるのでお互いに点数が下がります。ここが科学競合の難しいところで、どちらも諦めなかった場合がお互いに削り合うマイナスサムゲームになってしまいます。

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だから科学を集める行動自体に対立優先の手筋はないと考えています。逆に言うと科学には得点優先の手筋しかないので、科学競合を意識する場合の最も確実な対立方法は軍事になります。

セット戦略を勝ち取るという表現をしましたが、正確には「得点優先の手筋であるセット戦略が優位であることを互いに自覚しているから、セットを取れなかった相手が自発的に諦める」であって理屈ではないです。勝手にやめているだけだと考えています。

科学競合同士でまるい競合の仕方はせいぜいこんなところでしょう。

・お互いに一種だけを集めて軍事戦略に移行
・セットvs一種で競合を継続

このうちセットvs一種は一種側が不利です。セット側は一枚でもケア対象を取得できれば点数が伸びるのに対し、一種側は一枚でも減ると点数効率が格段に下がるうえ、第三陣営の軍事競合に一種をケアされると途端に苦しくなるからです。

補足)ややこしいのですが、科学競合戦で科学一種単戦略は弱いですが、軍事競合戦で科学一種単戦略を取るのは結構アリだと思っています。
軍事競合戦だとセットを狙う存在はいないので一種単の点数増加は市民以外の強力なリソースになります。

ともあれ、科学競合している場合は、やはり軍事戦略への移行を考えたほうが良さそうです。各科学文明ごとの個人的な方針がこんな感じです。

▶ハリカル
セット戦略の継続か軍事戦略への移行。
競合がバビロンならage1の捨て回収で2枚以上集めてセット戦略をごり押しするのがいいと思っています。age2以降もセット対立してきたら軍事連鎖が狙えるならそこで軍事1位路線に。セット対立してくるパターンは相手が科学をわかってないか軍事に自信があるかなのでたいてい諦めてます。
しかしバビロンにセット戦略を勝ち取られるとほぼ負けです。その爆発力に対応しながら軍事競合に勝つのはかなり苦しいでしょう。少なくとも安定はしない。だから個人的にはあまり軍事移行をしたくないです。かといってハリカルが一種側に回るのも弱い。苦渋の選択です。
エフェソス相手ならセット戦略の継続か軍事戦略への移行。エフェソスなんかにセット戦略をされてもそれほど怖くはないので軍事中心でも十分勝てるはずですし、セットをゴリ推してもいいでしょう。

▶バビロン
一種単の軍事戦略に移行。バビロンは科学者をデフォで持っているので一種単でも4枚以上は集めやすいです。
age1のシンボルに灰資材が必要なので科学競合戦ではセット戦略は狙わないです。効率よく灰→対応シンボルとくるような神ドラフトなら一考します。

▶エフェソス
軍事戦略への移行。中途半端な一種単だと手数が足りないので埋めで対応したほうがいいと思っています。
age1で科学を寝取れる場合はセット戦略も考えます。

まとめると、科学競合戦のときはかなりその場の対応力が求められます。
科学競合の動き方をみてなんとしてもセット戦略は咎めつつ、軍事戦略に移行する。対軍事文明では資材リスクを取って最速取得を狙うのがよいと考えています。

科学戦略における優先理論のまとめ

科学戦略と優先理論
・科学戦略は得点優先の手筋であり得点優先の盤面を完遂してよい。
・基礎得点を高めて絶対値で勝つことを目指す。
・科学を集める行動は対立優先の手筋にならない。科学競合時には科学収集とは別に対立優先の手筋が必要。(軍事+α戦略のαに科学を置くと考えたほうがいい)

対立優先の考え方
・セット戦略が完遂できる場合は無理に狙わなくても良い
・軍事側の基礎得点が高まったり、科学以外の得点カードがかなり抑えられそうな場合に対立優先の盤面に移行。
・対軍事では軍事引き分け以上を狙うことで基礎得点を守ったり、wonderカットで科学ケア能力を奪うことが有効
・対科学は文明ごとに方針が異なる。セット戦略を勝ち取るか、一種単戦略に移行しながら軍事での対立優位を狙う。

対立に勝てない場合
・市民や資材のスティール・カットで競合の基礎得点でのリターンを抑える
・科学が対立で負けるということは、得点優先のピックを咎められたということなので基本的には負けを覚悟したほうがいいです。科学のキモは攻撃は最大の防御だと思っています。


■優先理論とPF理論

さて、ここまで優先理論について解説してきましたが、ではPF理論との関係性について述べたいと思います。

結論を言うと、
優先理論は勝ち筋をつくる攻めの盤面俯瞰
PF理論は負け筋をつくらない守りの盤面俯瞰

だと思っています。

盤面を捉えるうえではこんなかんじになるのではと考えています。

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基本的には優先理論のほうが抽象的な概念だと思っていて、優先理論の枠組みで盤面を見たときに、十分基礎得点を稼いだあとの対立択の考え方としてPF理論があるというのが今の理解です。

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なので、今までは高いリターンを取れるけど相手の高いリターンのカードを渡してしまう盤面なんかはリスク許容度で埋めるか渡すかを考えようと説明していたのですが、優先理論を踏まえると、

基礎得点が低いならリスクを取って点数を高めよう
十分基礎得点が高いなら、リスクを抑えて盤石の布陣を敷こう

と回答すると思います。実際に私もリスクを取ってでも点数を増やすことが多いです。だいたいこのゲーム基礎得点が十分高いなんて盤面がそんなにないので、点数は追いすぎて弱いことはないです。よりベターな対立択があったかもしれないというだけで。

■資材戦略との関係性

最後に、序盤に投げかけた疑問のうち資材について自分の考えを述べます。

PF理論における資材戦略はかなり間違えていました。
優先理論を踏まえて資材戦略を表現すると以下のようになると思ってます

資材は行動の幅を広げるマナであり、対立優先の手筋でもある

カードゲームをよくやっている方には「資材が大事じゃないわけないだろ?」と思わせてしまったかもしれません。
お恥ずかしながら、資材のことをMTGとかDMにおけるマナ的な存在と認識していなかったのはかなり大きな間違いでした。

資材は自分のwonderに関わるかどうかに加えて、優先の手筋を追ううえで必要なカードを取れるような資材構成を考えることが何より重要でした。これをマナとしての資材戦略と今は仮称します。

マナとしての資材戦略については後々別記事を書くので詳細は省きますが、対立択の資材のイメージとしてはこんな感じです。

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原理的には市民のゼロサムゲームと同じなのですが、
エネルギーも共有資産(ゼロサムゲーム)であることを忘れていました。
言葉にしてみるととんでもないですねこのゲーム。

つまり自分が何かをとれる盤面のとき、誰かが何かを取れなくなっている。
では資材をとにかく厚くすることとの違いはなんなのかというと、
相手にとって需要のあるカードを取りにくくしているかだと思います。

例えばギザの強カードである建業や闘技場、そしてwonderに対してリスクをつけられるダブラン石を持っておくと、むこうはこれらのカードを取得する際に金を払わなければなりません。

取られてしまうことはあまり良くはないのですが、アレクサンドリアのように資金難になりやすい文明にとってage3で途切れることなく資金が入ってくることはとても楽です。商業で安い点と資金補給に1手使わなくて済むからです。

逆に、ギザがage1で石を2枚持っていて、age2で隊商を持っているときにダブラン石スティールはあまり強くありません。

れは対立の手筋ではなくなっており無駄資材収集になってしまうから。

■優先理論の実践

最後に優先理論で盤面を実際に見てみたいと思います。
今回はハリカルナッソスでの対戦ログです。

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対戦ログ


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age1です。科学が初手に来ない札。かなりダブってそうな気配がしますので対立優先の盤面を見据えてデュアランを取得をします。
wonderの素材だったり、軍事に強くなれる鉄土デュアランを選択します。ギザを意識するなら対立択として石木もありですが、どちらかというとカットとかスティールみたいな対立択なので初手は自分のための対立択の行動を選択したほうがいいと思っています。

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オリンピアの初手コンパス。
いきなり対立行動なので、科学戦略のセット取り勝ちを狙うことで得点優先の手筋を追いたいのかなーという気がします。そうでないならかなりリスキーな手です。
とはいえ紙かガラスがないかぎりオリンピアにセット負けすることはないので、こちらもセット戦略を継続。科学シンボルで軍事連鎖が強い歯車取得のためにガラスを選択。

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で、歯車を取った次手。セット完遂できるか怪しいので、自分の点数を守るために軍事を取得します。セット戦略を狙っているときの軍事は、本当に基礎得点さえ守れればいいので無理に軍事勝ち越しに拘る必要はありません。最後まで軍事引き分けし続けるだけでかなり有利が取れます。

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age2の2ターン目
初手でコンパスを取得されて一種ケアを継続する動きが見えました。しかしセットvs一種はまだこちらが有利なので、オリンピアが欲をかいてセット転向しないかぎりはこのままセット戦略を継続します。
今回のドラフトはたまたま残りの科学を取り切ることができました。

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3ターン目。ここはセット継続。
セット継続するなら隊商宿はいらないとおもいます。ここで隊商とってもage3のドラフト重いですしやられる前にやるしかない。
ギザは科学ケアをしてこずこの時代の科学は全部取りきれたのでセット失敗も考えなくていいです。

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そしてage3の初手。
オリンピアは資材リスクが重く、ギザは需要のない資材の過多で点数が足りていない。ここも得点優先の手筋で科学を遂行します。ここで点数を伸ばせれば残った手番で対立筋の行動をとる余裕ができます。
ただセットができるかは怪しいので、歯車石版を4枚ずつ揃えることを目指します。

現状オリンピアは軍事も負け越しで軍事戦略における軍事対立に負けているので、そこまで意識しなくていいです。問題は軍事万全だけど基礎得点の低いギザ。このギザに点数を与えたくない盤面では対立優先の手筋を打つことにします。

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age3の2手目
得点優先の手筋として歯車を取りたいところですが、哲学者ギルドがギザ目線でリスク最大の札です。これを取られると現状の基礎得点差を軍事1位に埋められて負け筋になるので、ここは対立優先の盤面です。
哲学者を埋めて墓地4点を回収

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科学者を引けたのでここで取得。
これが一種単ケアの弱いところで、単ケアを完遂できないと自分の得点も伸びないし軍事競合との軍事対立差も響いてくる。
オリンピアとの基礎得点差も埋まってきたので、ここは対立優先の手筋として港を取ることはしません。自分の基礎得点を伸ばす盤面です。

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age3の3手目。ここがターニングポイント

1セットが完成したのでかなり基礎得点に優位がつきました。
ここは軍事の5点がかなり狙いやすい場面です。オリンピアは軍事をとっている余裕はなく得点優先を考えないと行けない盤面。ギザも基礎得点差がついているから軍事なんてとるよりも港で伸ばさないといけない盤面。軍事は触らなくてもワンチャン勝てるので。

というわけでここで軍事2枚を取って軍事1位を取ることでギザに対立優位を取ることをねらいました。
仮に軍事1位を狙えなくても残るコンパス2枚のうちどちらかは取れるだろうという算段があったからです。

そういうわけで確実な得点札である密偵よりも軍事を優先。

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想定通り。
軍事1枚とってもまだ点数に余裕があるので、ここも軍事取得を継続する対立優先の盤面でした。

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最終ターンです。オリンピアがコンパスよりも8点の灯台を優先したのでここで取得できました。

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で、最終1位でした。
ただこの盤面かなり相手に助けられた盤面でもあります。今回オリンピアはやろうと思えばコンパスケア完遂ができるドラフトだったので、一種単側が勝てる珍しいケースでした。17ターン目でオリンピアは7点コンパスを取ることができたので、ハリカルがー10点。

墓地札で一番高い札が市民5点です。それをとって-5点の54。しかしwonder3を使うと2金がギザに渡ってギザ+1、そして建業者で+1。結果的にギザ55のハリカル54で負けでした。

もう一つ可能性があったとすればギザの最後の札が闘技場と市民5点。どっちでもいいだろうと市民5点を埋めていた場合、点数が1点伸びてコインが12枚になったので、ギザハリカル55のコイン12枚で同率1位でした。でも可能性は薄いかなー。

とはいえ、ドラフト的にはセット戦略が勝てないケースだったのですが、しっかり盤面の切り替えを把握することで細い勝ち筋を取ることができました。

■あとがき

最後にまとめです。

優先理論で盤面を見てみよう
■優先理論はそのときそのときで変わる盤面で優先度の高い行動を理解して、勝つためのピックをする攻めの理論
■軍事は対立優先の手筋を追いながら基礎得点を忘れないように
■科学は対科学での対立優先を考えよう
■基礎得点が低いときはリスクをとってでも点数を伸ばそう
■資材は対立優先の手筋にもなりうる。盤面によっては狙っていこう

普段はTwitterの方で考察を垂れ流してます。感想やご意見等あればお気軽にお声がけください。コメントも大歓迎です!😊

最近BGAで日本人プレイヤーをお見かけしたら勝手に友達登録してしまいがちです😅
友達の海外プレイヤーとはよくフリープレイで遊んでいるので、日本の方でもよかったら一緒に遊びましょう!もちろん初心者~上級者問いませんので、楽しく遊べればなと思います😃

ありがとうございました。

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