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"オススメUSインディーバンド" Mothers


※この記事は2016年12月に個人ブログで投稿したものの再投稿です。

どうも、こんにちは。僕の事を個人的にご存知な方もそうでない方も、英国ロンドンをベースに活動しているサウンドエンジニア、Kenkichi Eno (ケンキチ・イーノ) と言います。
ここ数年の海外での音楽シーンでの体験を、有名無名問わずブログとして書こうと思っています。
一回目は実際にブログを始めようという決意に至らせたこのバンド、Mothers (マザーズ)。

https://mothersathens.bandcamp.com

MothersはGeorgia州のAthens出身。Athensに全く持って知識はなかったのだが、調べたところR.E.MやThe B-52sといったバンドもここの出身らしく、それだけの大物が輩出されると地元でそういったシーンが盛り上がるのは想像に難くない。
2016年2月にNYのインディーレーベル、Grand Jury MusicからフルアルバムをリリースしChicagoの大型野外フェスLollapaloozaに出演するなど、確実に全米で知名度と人気を広めている。

昨年(2015年)CMJというニューヨークの大規模ショーケースで発見してから、1年振り2度目のライブを観に行ってきました。12月2日、会場はBrooklynのGreen PointにあるBrookyn Bazaar。セットがかなり短かった前回と違い、今回はメインアクトという事でじっくり聴く事が出来た。
元々Mothersはギターボーカルのクリスティンのソロプロジェクトとして始まったそうで、一曲目も彼女一人の弾語りで静かに始まった。
彼女の独特のサイケデリック感漂う穏やかな歌声がこのバンドがまず耳を掴むポイントだと思う。
バンドが加わってもアップテンポな曲や派手な展開が加わる曲というのが殆どないのだが、マスロック的なトリッキーでわざとずらしたリズムや不協和音が絡む二本のギター、しっかりと息が合いどっしりとしたリズム隊という実力派のプレイにどんどん引き込まれる。
セットは今年発売された彼らのデビューアルバム When You Walk A Long Distance You Are Tired からの楽曲が中心のセット。Rough Tradeが2016年の年間ベストアルバム50に選ぶなど、彼らの名前と評価を高めた今作だったが、ライブはよりダイナミックでスリリングさがあって、音源よりも何倍も楽しめた。「ライブが音源よりもいい」のは優れたバンドの条件だ。コストも利便性も劣るライブという条件でわざわざ足を運んでくれるお客さんに対し、例え音響や演出が最良でない環境下だとしても音源以上の感動を与えなければバンドはファンを維持/拡大していけない。
彼らはまだまだ大きくなると確信させられたショーだった。

ただその実力や評価と反してその日オープニングアクトを務めた2バンドが全くの素人で、その為か300人程度のキャパというバンドには大き過ぎない会場も満員御礼とは言えず、金曜の夜とは言え始まりも遅く途中で帰ってしまう人達も目に付いた。
一体どこの会社が企画したのだろう?いくらなんでもツアーバンドとはいえこれはあんまりだ。

終演後、ボーカルのクリスティンにそれを伝え、俺で良ければ協力したいという旨を伝えると、次のNY公演、年明け1月に決まっているTerminal 5という3000人キャパの会場でのAmerican Footballのオープニングアクトのショーに招待したいという事なので、またそのライブのレポートもしたいと思う。


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