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"お勧めカナディアンインディーバンド" HIGHS

HIGHS

http://www.highsmusic.com/



何を隠そう僕はニューヨークに移る前に1年程カナダのトロントに住んでいました。そして日本でトロントという街の名前をどれくらいの割合の人達が聞いた事があるのかいつも素朴に疑問です。
トロントはカナダの首都ではありませんが、一番大きな都市です。僕は高校生の時に、僕が世界一好きなバンドと公言してやまないBroken Social Sceneでトロントという街を知りました。そしてそれから10年経ってもそれ以外に何も知りませんでした。(笑) 最近ではメジャーリーグで頑張っている川崎宗則選手がトロントのチームに所属していて知っている人も大いかも知れません(大リーグにカナダのチームもあるんです)。
それにしてもカナダという国はアメリカからも軽く見られがちです。こんなに地理的に近いにも関わらずカナダの文化の事を多くのアメリカ人は殆ど知りません。そしてカナダの有名人もアメリカ人と思われがちです。ジャスティン・ビーバー、ドレイク、ブライアン・アダムス、アヴリル・ラヴィーン、レナード・コーエン等もカナダ人です。しかしこれらの世界的に有名な人達の多くはアメリカ発信なので、カナダ人が必ずしも誇りに思っているかというとそうでもありません。基本的にカナダの人はのアメリカのヒットチャートをアメリカ人と同じように聞くので、彼らがカナダ人である事をカナダ人が知らない場合もあるそうです。
しかしインディーシーンは違います。勿論アメリカのインディーシーンからの影響も強いのですが、カナダはカナダのシーンがあります。
しかしカナダは世界で2番目に国土の大きい国であり、州によっては言葉も文化背景も大きく異なる為に一口では括れませんが、僕が身を置いたトロントの音楽シーンの中で気に入ったバンド達を今後も紹介しようと思います。
カナダについての前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に。

トロントのバンドでまず紹介したいのがHighs (ハイズ)。

僕が最初に彼等を知ったのは2014年のCanadian Music Weekという街中ほぼ全てのライブハウスを舞台に行われるショーケースにて。彼らはこのイベントに力を入れていたようで、この一週間で4,5回はライブをしていたと記憶しています。その中には入場規制が掛かって入れなかったショーもありました。
2013年に自主制作盤を制作し、カナダ国内、アメリカ、ヨーロッパツアー等を回った後、2016年にFoalsのTotal Life Forever等を手掛けたLuke Smithのプロデューサーを迎えDazzle Camouflageを4月にカナダで、11月にヨーロッバでリリース。
今後このブログを読んで頂ければわかると思いますが、僕の趣味の基本はオルタナティブロックなので、彼らのリズムとギターアレンジにはすぐにピンときました。とりわけVo&Gtのダグの伸びやかで軽快な歌声が本当に心地よい!加えて紅一点Key&Choのキャリーのコーラスがたまに加わったりして、本当にいつ聴いても音に酔いしれさせて幸せな気分にさせてくれます。

また文化的背景になりますが、トロントの文化は日本やアメリカ程商業的な要素が強くないと思います(アメリカは極端に金がものをいう社会ですが)。またカナダ最大都市といえど僕ら日本人からするととても小さな街で(というと決まってカナダ人から怒られますが)、芸術分野におけるコミュニティも小さく、ローカルのアーティストを応援するメディアや団体も多く、しっかりとした作品と活動をしていれば名前が広がり易いように感じます。
実際に僕が働いていたライブハウスのひとつは月に数回しか営業していなかったりと、東京等では考えられない、資本主義に翻弄され過ぎない現状がトロントのインディーシーンの底上げをになっているようにも感じました。

ただし勿論アーティストは商業的成功を望んでいる筈です。Highsも今月ヨーロッパツアーに行くなど、勢力的活動を続けています。
しかしデビューアルバムのリリース後まだ一度もアメリカに来ていないのが残念。ここ一年アメリカにライブ公演目的で入国するアーティストに対するチェックが厳しくなっているという話を良く耳にするので多分それも関係あるんだと思います。

その話はまたの機会に。


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