【毎週ショートショートnote】二次会デミグラスソース
「おい、あれ誰だよ?」
二次会に美女が現れた。
濃厚な良い香りが漂う。その美貌は会場の注目の的だ。
「デミグラス、来てくれたのね」
新婦の口にした名前にざわつく会場。
「結婚おめでとう。遅くなってごめんなさい、ホワイト」
出席者が噂する。
「あの二人って、新郎を最後まで取り合ったドロドロの仲だろ?」
新郎の友人ホットチリもヒリヒリ。
「この空気をマイルドにしたいね」
新郎の友人タルタルも嘆く。
「やぁ、デミグラス!今日は一段とフォン・ド・ヴォーだね」
ここで新郎登場。
「あら、後悔してるの?ウスター」
隣のホワイトは顔面蒼白でグツグツ。
「もうウスターったら、私をシチューにおさめたのに。さぁ、私たちのおもてなしをご堪能あれ」クリームコロッケのウスターソースがけだ。
「これは素晴らしいマリアージュ!」
絶賛の会場。
熱々レシピを見せつけられたデミグラス。
彼女にとって、ほろ苦くグレイビーな夜。
(400字)
今週も参加させていただきました!いつもありがとうございます!
さて、今週のお題。
気がつけば最終日となり(いつものこと)、頭の中のデミグラスソースがだいぶ煮詰まった結果、ソースだけにドロドロのお話でしょ、それしかないでしょ!という謎の創作意欲に背中を押されて、このような形となりました。
ドロドロなお話ですが、どうか楽しんで読んでいただけますように!
文章や物語ならではの、エンターテインメントに挑戦しています! 読んだ方をとにかくワクワクさせる言葉や、表現を探しています!