「あなたのため」という呪いについて
「あなたのためを想って言っている」
こんな言葉を吐く人のことを見る度に、不思議に思っていた。その言葉に従って行動した人が、幸福そうに生きているのを見たことがないからだ。
僕自身も、何度も「あなたのため」という言葉を言われたことがある。
「部活は続けたほうがいい」
「文学部なんて入ってもしょうがない」
「習い事はやっておいた方がいい」
こんな言葉の前にはいつも、「あなたのために言っている」という文言が付け加えられていた。そして、その言葉に従って行動する度に、ひとつ、またひと