『ワンダリング・ノート』 Episode.1
異界検索エンジンΔΣ(デルタシグマ):『不正確ナ情報ヲ、表示スルコトガアルタメ、回答結果ヲ、再確認シテクダサイ』
Shadow:あの「坊や」の容姿と、検索の年齢の不一致。何らかの力が干渉している。
Shadow:さらにプロパティ収集、フィルムを溶解してヴィジョンを再生成する。
検索ΔΣ:『データオーバーフロー、コノ記憶量ハ、人間ノ「一生分」ノ、レベルヲ超エテイル、検索ヲ続ケマスカ?』
Shadow:検索ΔΣを中断、こちらが飲み込まれ兼ねない。
Shadow:直ちに、シャットダウンせよ。
検索ΔΣ:『システムニ、深刻ナ負荷ガ、カカリマシタ、再起動ニハ、アル程度ノ時間ヲ要シマス』
Shadow:やむを得ない。捕縛前に今一度、千視鏡を覗いて様子をみる。
トム:この鏡の世界での記憶を、何とか取り戻したぞ。しかし、周りの景色が奇妙だ。僕の、この現象と関係があるのかな?
それにしても、この公園は・・・どこかで見たことがあるような気がする。少し散策してみよう。
男性:今日もワークアウト終了。「器具」を使い終わったら、きれいにするのが基本的なマナーだからね。おや?君はまた会ったね。
トム:あなたは!・・・以前に公園のベンチの上でスクワットをしていた方ですね?
男性:ああ、そうだよ。これが私のワークアウトの基本だからね。どうしたんだい?そんなに驚いて。
トム:これは!この世界は・・・前に戻って来ている!?鏡の世界よりも「前の世界」に!!
トム:・・・水たまりから、光が・・・?うわっ!!
男性:あれ?彼はどこへ行ったんだ?間違ってリンクを踏んじゃったかな?
トム:・・・ここは、また違う景色になってしまった。無数の鏡が浮かんでいる。あれ?あそこの小さい鏡に、誰か写っているぞ・・・?
Shadow:「坊や」改め「トム・ホーソーン」を発見。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?