三島さん

『新聞社に勤めていたお父さんが教えてくれた選択肢』朝日新聞 地域報道部記者 三島あずささん

現状に目を向け、日本で育つ女の子たち、そして男の子たちが性別にとらわれず、今よりもっと自分らしく生きられる社会をめざす朝日新聞の企画「Dear Girls」。

ウーマンズの活動が始まって間もない2017年9月。ご縁が巡り、朝日新聞 地域報道部の三島さんに出会いました。Tokyo Eveningのトップ、そしてデジタル版にウーマンズの活動が掲載されました。

朝日新聞一筋、女性をテーマに記事を執筆され続ける三島さん。芯の中にある強さの原点に迫りました。

三島さん

三島あずささん:1976年生まれ。1997年自由学園最高学部を卒業後、国際基督教大学に進学し、2001年に朝日新聞社に入社。山形支局と横浜支局で事件取材、行政取材、スポーツ取材などさまざまな仕事に取り組んだ後、東京本社の社会部へ。2度の産休・育休を経て、現在は地域報道部に勤務する。

「新聞社に勤めていたお父さんの存在」

WI大山:三島さんに取材でまたお会いできるのが嬉しいです!宜しくお願いします。大学進学という進路選択と、記者という仕事に憧れを抱き始めたきっかけは、どこにあったのでしょうか?

三島さん:父親が新聞社に勤めていたので、幼い頃から新聞は身近なものでした。また、中学校からはテレビもない寮生活で、情報源は新聞だけだったので、みんなで奪い合うように読んでいた影響も大きく、高校3年生頃には記者になりたいと思っていました。

知らないことを知ることで世界は広がるし、さまざまな問題を多くの人に伝えることで、解決につながるアイディアやアクションが生まれてくる。そんな仕事にかかわりたいと思いました。大学は、初めから専攻をしぼらず、幅広く学べるところを選びました。

WI新井:幅広く学べる場所に身を置いていた学生時代に、影響を受けた本はありますか?

三島さん:沢山ありますが、名前を挙げるとしたら、沢木耕太郎さんの「深夜特急」や、灰谷健次郎さんの「太陽の子」。小6か中1の頃に読んだ「太陽の子」は、初めて沖縄戦に接した体験で、自分にはまだまだ知らないことが山ほどあると感じました。「深夜特急」は高校生の頃に出会い、影響を受け、大学時代は長期休みのたびに、安宿に泊まりながら旅をしました。

「働く女性に出会う機会が多い環境」

WI大山:母親から強く影響を受け、ライフステージを含めた選択をしていく女性が多い気がします。
生きる選択肢が多様化しているものの、まだまだ女性の働く環境に厳しさもあるとの声を耳にすることもあって…。
三島さんにとって、働き続けようと決心した瞬間はありましたか?その時、ロールモデルはいらっしゃいましたか?

三島さん:私は、わりと昔から漠然と「働きたい」という気持ちを持っていました。中高時代に大きな影響を受けた先生も女性で、バックパッカーをしていたときにも旅先で海外のキャリアウーマンに沢山出会っていました。父の同僚の女性記者と会ったこともあり、「ロールモデルがいない」とはあまり感じていませんでしたね。

WI 稲葉:「Dear Girls」を始め、”女性”をテーマに多くの記事を書かれていますが、きっかけは何だったのでしょうか?

三島さん:世界経済フォーラムが毎年公表している「ジェンダーギャップ指数」で日本のランクが低いことに、数年前から問題意識を抱くようになりました。取材を通じて見聞きしてきた女性を取り巻く様々な問題のかなりの部分が、ジェンダーギャップの大きさに関連しています。その時、「女性だから」「子どもがいるから」と、仕事の幅や行動を無意識に決めている自分にも気が付いたんです。

それらは子ども時代からの様々な経験や、メディアから受ける影響などとも、強く繋がっていると思いました。今の子どもたちには、性別を理由に限界を感じたり、自ら限界を設定したりしてほしくない。だからこそ「男らしさ」「女らしさ」に関する無意識の偏見や、ジェンダーギャップが大きいことで生じている問題に、目を向けるきっかけとなるような記事を書きたいと思っています。

「漫画家の西原理恵子さんの“お寿司と指輪は自分で買おう”という言葉」

WI 鈴木:これまで多くの女性に取材してきた過程で、印象に残っている言葉はありますか?

三島さん:2017年、2018年と3月8日の「国際女性デー」に向けて「Dear Girls」という企画を展開しました。その企画でインタビューした漫画家の西原理恵子さんが、女の子たちに向けて「お寿司と指輪は自分で買おう」というメッセージを寄せてくれました。男性に頼ることを第1に考えるのではなく、女性も自立して生きることが大切だというシンプルなメッセージですが、とても共感しました。

WI大山:お父さんから強く影響を受けた進路選択が、今の記者という仕事に繋がっていて、環境が生き方の目印になっていく気がしました。お会いできてゆっくりお話を伺えて嬉しかったです、ありがとうございました!

(文:新井寿美伶&鈴木紘奈、編集・構成:大山友理)

Women's Innovation前HPブログ掲載記事を再編集(2018年6月6日取材)





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