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ほのぼの生きる  088_20230410

5番の女

これは私が高校1年生の時に、付けられたあだ名である。

昨日、高校時代の応援練習を記事にしたが、コメントのやりとりから「あとがき」の5番の女の話を書くこととなった。
高校時代のちょっとした恥ずかしいエピソードである。

高校1年、私はバレーボール部であった。小学3年生の終わりから6年生まで学校のバレーボールクラブに所属した。中学のバレーボール部は不良の集まりで、入部しなかったので、私のバレーボールの技術はそこまで上達しなかった。高校も家庭の事情(祖母の介護)で途中で退部した。

さて、そんなたいして熱心でなかった部活動でも私が活躍する場面があった。

それは秋の文化祭。

各クラスでいろんな出し物を考える。
バレー部の3年の先輩たちのクラスの出し物に「フィーリングカップル5vs5」があった。
これは「男女が5人ずつ参加して、自己紹介、質問をしたりして、両想いのカップルを生み出すゲーム」だ。
われわれ女子バレー部1年は絶対に出なくてはならないという指令があった。

そもそも私は目立つのは嫌いである(と言いながら、これまで何度も目立つ事件を起こしてきているが、本人にその気はない)。
しかしながら、残りのメンバーを見ると性格的に私よりもっと大人しい。
バレー部2年生にとてもかわいくてモテる先輩がいた。その人はまず2番手に選ばれた。1番は次期キャプテンとなるしっかりした1年生。4番は大人し目の1年生、3番は私とどっち?という感じの元気いっぱいのキャラの1年生であった。

だいたい、5番手はチームの中で「オチ」をつける役目があった(ように記憶している)。なぜ私が5番に選ばれたのか、定かではない。もしかしたら3番の子とじゃんけんで負けた?いまだになぜ私が?腑に落ちない。

さて、相手方の男性チームだが、「プロレス同好会」の人たちであった。これはずるい!!みんなマスクをしている。しかも、裸だ。目のやり場に困る。

このイベントはプールサイドで行われた。プールのフェンスには、高見の見物客でにぎわっていた。どうやらプロレス同好会が人気があったらしい。そこに生贄のように差し出されたバレー部女子!!果たして・・・

ゲームが始まった!

それぞれに自己紹介をする。
私は緊張のあまり何を話していいかわからず、それでも「5番の女」として役目を果たさなければならない義務感にかられ、
「私は強い男が好きだーーーーーーっ!」を連発した。
どんな質問にもそれで返事をする。それ以外の言葉を発しない。

早く終わってくれ~

ところで、相手方のプロレス同好会になんだかちょっと優しそうな感じの雰囲気を出す人がいた。
「この人いいんじゃない?」
思わず冷静にジャッジしてしまっていた。

相手方の5番手は、おチャラケた感じの人だったように思うが、全く記憶にない。それでも、向こうは向こうで自分の役目を果たし、私に猛アピールをしかけてきていた。それが向こうの笑いの作戦だった。
ここでカップルが成立すると「キスをしなければならない」という変なルールがあり、私はこのままいくと、この5番手に捕まってしまう。これはどうしても回避しなければならなかった。

プールのフェンスの野次馬たちは、もはや5番同士の変態カップル成立にしか興味がない。野次がどんどんエスカレートしていく・・・

私の目の前で5番手の男がプロレスの技を格好よく見せながらアピールし、私は私で「私は強い男が好きだー!」の一点張りだ。
とんちんかんなショーがピークに達し、それでは相手の人を選んでください!と司会者が締め切った。

見事、カップルは1組も成立しなかった。

フェンスではブーイングの嵐!!

ここでもう一つのルールがあった。
男子側は誰を選んだのか、皆の前で公表される。
2番手の先輩がやはり人気があったが、うまいこと成立しないように切り抜けていた。
5番手の男は、当然、私を選んでいた。

観衆の中から声があがった。
「5番の女は一体誰を選んだんだー?」
これはルール違反である。
司会者は戸惑いながら、歓声が収まらないない観衆対策として、「5番の女が選んだ相手を開示すること」を選択した。

しーん。。。

「なんだよ、ただのミーハーかよっ」
ぎゃははは🤣🤣🤣

そう、私はちょっといいな💕と思った先輩をこっそり選んでいた。

みんなの前で開示され、笑われ、お後がよろしいようで、解散!!

それからしばらくは学年を問わずそのゲームを見ていた人には「おっ5番の女だ!」と指をさされることとなった。。。(泣)

昨日の応援練習のエピソードとは全く関連はないが、一生懸命頑張っている2年の応援団員の失敗の揚げ足を取り「5番の男」と揶揄したために、自分に降りかかった不運な出来事だったと私は思っている。。。
私には、5番の女の前に「カレーちゃん」というあだ名もついていた。
このエピソードはまた今後・・・

この物語はフィクションです

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