チャーリーズ・エンジェル(2019)

 本日は「チャーリーズ・エンジェル」の最新作を観てきました。これ観るまではリブートかなと思っていたんですが、どうもテレビシリーズも2000年の映画版もそれぞれ同一シリーズという扱いで、その続編、と言いますか最新作という扱いのようでした。つまりエンジェルたちは代替わりしていて、ファラ・フォーセットたちが在籍していた時代もあればキャメロン・ディアスたちが務めていたこともあり、現在はサビーナ(クリステン・スチュワート)やジェーン(エラ・バリンスカ)がメンバーだということです。まあ007シリーズと違ってみんな役名も違うのだからよく考えたら当たり前ですね。

 全般的にネタバレすると思いますので、観ていない方は注意してくださいね。

 まずちょっとしたアクションとともにサビーナとジェーンの活躍を描くオープニングがあり、ここで彼女たち以外にも仲間が何人もいることがわかります。調べてみたらもともと探偵社に務める三人という設定だったらしいので、ここまでスケールの大きな組織になったのは今回からなのかもしれません。で、今回の映画では、このサビーナとジェーンの二人がエンジェルなのですよ。そこに、とある会社で開発されている新製品が兵器にもなりうるとリークしてきた女性社員エレーナ(ナオミ・スコット)が狙われるので、それを守るという話になるのですが、その三人が当たり前のようにエンジェルっぽくポスターに写っているので、思っていた話とちょっと違うなと思いました。

 まあ観ていくといろいろ「そこまでカッコよくないな」という印象なのです。アクションや殺陣や演者さんのやっていることは凄いのですが、演出がそこまでアクション特化でない感じがします。だからイマイチ迫力がありません。そのうちに「そこを見るのではないのだ」ということがわかってきました。もともとのテレビシリーズもそうだったのかもしれませんが、アクションとかストーリーがどうとかということでなく、潜入とか変装にかこつけて三人の女優さんがいろいろな格好をしたりヘアスタイルをしたりするのを見て楽しむという、そういう映画でした。そう割り切れば大変楽しい映画で、最初に思ったヌルい感じも逆に心地よく思えてきます。

 とは言え、どうせストーリーはそこまで重要でないなら、こんな複雑な話にするのでなく、もっと単純なものでよかったのになあというのは思います。こういう話の良くないところはとにかくやたら説明セリフが増えてしまうということで、それよりもっと気の利いたセリフを増やせばいいのになあと思います。私が気に入ってるシーンとしては、サビーナが怪我を負って意識不明になっているときに、ジェーンが涙を流すところで、ちょうどサビーナが気がついて「あんた泣いてんの?」みたいなやりとりをするところで、このシリーズに限らずこんな会話は普通しないし、あったとしてもガッツリ見せないので、あえてやっているということも含めて面白いと思いました。

 そんなこんなで事件は解決して、エレーナがエンジェルにスカウトされて終わり、というわけでこの映画の中ではエンジェルは二人なのです。で、エンドロールの中でエレーナの訓練シーンがあり、エンジェルと認められて三人になるという、まさにエンドロールが本編というような映画でした。ここが面白かったので、少々の問題には目をつむって、あー面白かったと思って劇場を出ることができました。ただ、私も下手をしたらアクションが物足りないとか脚本が酷いとか演出がダサいとかそういう基準で不満を持ってしまった可能性がありましたので、今回はたまたま「いやそこじゃない」と気づいて気持ち良く観れたので本当に良かったと思います。危ないところでした。


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