天と地の境界《Symphony No.41 2nd mov》
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
後期三大交響曲集
交響曲 第41番 ハ長調 KV551 第2楽章
やっぱりモーツァルトは交響曲はこれで最後と決めていたのだろうか?
そうあまりにも出来すぎている
音楽評論家も注文の隙がなくてさぞつまらないと思っているのだろうか
この神秘的なAndante cantabileも最後の交響曲の最後の緩徐楽章と決めていたのだろうか
そしてこだわりなのかモーツァルトの交響曲の緩徐楽章にアダージョは無かった気がする
全部?ほとんどがアンダンテだったような気がする
最後までアンダンテでブレることなく徹底していることを見ると天才であり職人であることを納得させられる
このAndante cantabileはもう地上から浮き始めている
音符は星空を伝い、天へと届き始める
神々が反応する
モーツァルトを迎え入れる準備を始める
それは確実に終焉へと向かっている
終演も同時に近づいている
地上の俗世から離れ
神聖なる地へと
道が描かれる
神々に愛されし者の宿命か
地上では迫る別れへの悲しみがおこりはじめる
応えるモーツァルトは天上の召物を授かり始める
準備の時だ
離れ離れを実感せざるをえない瞬間だ
見よ
空に音符が輝き
神々からの喝采が映される
「天上の序曲」はいよいよ後半へ
これまで体感したことがない世界へ
神々の宴と地上の宴が合わさる
私たちは高みへと
モーツァルトとともに
境界はすぐそこに迫ってきている
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Andante cantabileが終幕する
さあ最後のメヌエットが始まる