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《煌めき》の交響曲第42番

ハイドン 交響曲 第42番 ニ長調 Hob.I:42 1771年

疾風怒濤期にしては軽めの曲。何かすごい特徴があるわけでもないのに古典的交響曲で無性に聴きたくなる42番。面白さを探すのも一興ってわけだ。

第1楽章、これは輝いているね✨時折眩しいくらいに輝いている。これぞ交響曲という感じに満ちている。一点の曇りもなく地に光さす音色が美しい。燦々とね☀️日差しに満ちた太陽の如く輝く第1楽章がピッタリだ。陽に対して影があるはずなのにこの楽章では影が目立たない。そう、この楽章は光に満ちて終わるのだ。

続く第2楽章はもやがかかって始まる。輝きが失われたわけではない。もやの奥の方で何かうごめているのだ。それはうつつか、幻か。何かがゆらゆらと彷徨いながら明かりを漏らしている。心地よい明かりだ。そう、ふわふわした体感したことがないような居心地だ🌫

第3楽章は万華鏡のようにクルクルと様々な光を映し出してくれる。少し控えめな粒々に映し出されては急に大きくなったりと忙しく回る回る。魅入っているうちにあっという間に第4楽章へバトンタッチをする。スケルツォとプレストだけあって、猛スピードで旋回する。これまでの楽章の総決算のようにまとめられている気がする。心地よい光、居心地の良いゆらゆらとしたもや、クルクル回る万華鏡が慌ただしく回想されて過ぎていく。さてどれが一番印象に残ったでしょう。最後にジャジャンと!キレよくおしまいと!

一見、特徴の薄い42番かと思っていたたもののじっくり聞き返してみるとこんなにも変化に富んで魅力溢れる曲だったとは。名前付きの43番《マーキュリー》、44番《悲しみ》、45番《告別》とも引けを取らない名曲ってわけだ。

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