アルバム収録曲解説 1

〜今回リリースした曲のコンセプトやら制作ポイントやら〜

アルバムの中で一番最近出来た曲がコレ。
琵琶の琵琶らしい奏法(手って呼んでます)を曲にできないかな・・・という、多分遠い昔DTM 始めた頃から自分の中にあった課題をようやく形にできたという実感があります。苦節20年くらい?
それまでの曲は、DJで使えるダンストラック(西洋音楽)ベースに琵琶を合わせたというアプローチでしたが、この曲を切っ掛けにして、今作っている曲もそうですが、日本音楽の要素(リズムとかフレーズとか)をスタートにシンセ化していくというアプローチに変更。しばらくはこのやり方を追求していく事になりました。

またこの曲が出来て、初めてDJ繋がりの友人に限らず、和楽器繋がりの面々にも聴いて欲しいと思い、アルバム配信を決めたという、まあ、見事にターニングポイントとなった曲です。

という事で、いつもはリズムセクションからの作り始めですが、この曲で真っ先にやったのは琵琶の録音。

琵琶の弾き語りにありそうなフレーズを色々弾きまくって、メモ取りながら曲として纏まるように流れを作って、完成したら、今度は納得がいくまで通しで弾いて録音。
で、こっからが超厄介なんですが、そうして作った曲にDAWのグリッドが合ってくれる筈もなく、琵琶の波形を見ながら、そのピークにかっちり合うようにキックを入れたり、入れたけどくどいところは抜いたりして、裏拍を取れそうなところにスネアを入れて・・・とまあリズムを整える作業をする訳です。
確か正月長野から東京へ帰りのあずさでひたすらコレやってたな。

で屋台骨の整備が終わったらようやく空間の整備という事でシンセを入れて、最後に装飾としてSE加えて・・・

実は当初、森の奥深くで瞑想しているようなイメージがあったのですが、師匠の「なんか聴いてたら海というか北斎の波が見えてきた」という言葉であっさり路線変更。我ながらノリが軽い。

タイトルは、どうしても観たくて夜行バスで豊田まで行った展覧会(ホー・ツーニェン展)に登場してきた海というか波というかの妖怪から拝借。がみしろ。
ググっても全然由来とか何も出てこない謎の存在。

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