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ヴィンテージフレームのお手入れをした話

こんにちは。
ニシハラヒビキです🐏

先日、ヴィンテージのフレームのお手入れをしましたので、今日はその時のお話をできればと思います🥼

よろしければ最後までお付き合いください。


出会い

私は、アンティークショップに行ったりそのオンラインショップを覗いたりすることが趣味なのですが、先日とても素敵なヴィンテージのフレームを見つけました🩺


ヴィクトリアン調やアール・ヌーヴォーを思わせる有機的なデザインが素敵

写真では見にくいですが、右下に"epns"や"sheffield"の刻印があります🔍

つまり、英国のシェフィールド生まれ。
そして、おそらく洋白に銀メッキを施した製品であるということがわかります🗒️


シェフィールド

シェフィールドは英国のイングランド地方に位置する工業都市です。

金物工業で発展し、産業革命以降は近隣都市と共に英国の工業産業、ひいては経済を支える場所として製鉄等を中心に栄えました。
また、銀メッキ発祥の地とも言われています。
現在でも金属加工業が盛んで、ナイフやフォークなどの刃物産業が有名です。(三大刃物産地に数えられます)🍴


謎の塊

オンラインショップからお迎えしたのですが、手元に届いてよく見てみるとレリーフの隙間に謎の白っぽい塊が食い込んでいることがわかりました🔍


細かいレリーフの隙間に何かが食い込んでいる…
質感的には石膏や乾いた研磨砂のような印象…

アンティークやヴィンテージは長い年月をかけ多くの人の手を渡り歩いてきたものたちですから、時にはこういうこともあります。

自分でお手入れをすると、さらに愛着が湧くというものですから、うきうきお手入れの準備をします🛁

綺麗になって長旅の疲れを癒していただくことにしましょう。


レリーフの隙間をなぞる


大まかに謎の塊が取れました

謎の塊の正体がわからない上に銀メッキ製品であることは明白なため、あまり強引なことはできません。
ひとまずレリーフの隙間に食い込んだ部分を大まかに爪楊枝で削っていきます🍴

優しく優しくなぞっていくと、ぽろぽろと崩れ、だんだんと輝く肌が見えてきます💎

かなり長い間この状態で放置されていたのか、周りの黒く変色している部分と違い、銀メッキの美しいシルバーカラーが顔を覗かせました🚿


周りを磨く


謎の白い塊が大まかに取れたので、あとは細かい部分に食い込んだ塊をそっと取り除いたり、周りの変色した部分を磨いて輝きを取り戻します🪞

重曹や塩を使った化学反応で硫化の黒ずみを還元する方法もありますが、こちらの品はフレームなため、後ろに布が貼られた木枠がついており、水にはあまり触れさせられません。

そのためひたすら手で磨くことにします🥼

水で濡らし、固く絞った布でメッキ部分を磨き、汚れてしまった布の部分もとんとんと叩くようにして汚れを浮かせていきます。

手の入らない極細い隙間や、もう染み込み切ってしまった古い汚れなど、完全には戻らない部分もありますが、それもまたアンティークやヴィンテージが歩んできた歴史の一部であり、それは経験したものしか持ち得ない魅力の一つでもあります🕰️

それに、こうして手をかけることで、さらに愛着が湧きます。

磨き終わり。輝きが帰ってきました。
謎の塊もすっきり!


私の生まれるより先にこの世に生を受けた製品たち。
私が何をどうしても肌で体感することのできない前時代を目の前で見てきた製品たち。

多くの人の手を渡り歩き、その度多くの思い出を得て、様々な経験を積み、今日までその姿を残し続けてきてくれた古物。

様々な人の物を大切に思う気持ちや、長い年月のロマンが詰まっています。

アンティークやヴィンテージには、つい、そんな先人を尊ぶような気持ちで接してしまいます。

そしてできることなら、大切に、長く長くそばに置いて、次の世代へ継承していきたいものです。

本日はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
またお会いできますように🐏


ニシハラヒビキ

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