元オタクが語る『オレ様ロマンス-The 7th Love-』2016
作品情報
主演:
李国毅(レゴ・リー)
連俞涵(リエン・ユーハン) 他
原題: 『如朕親臨』/台湾現代ドラマ(全17集)
日本版配信メディア: Amazonプライム+U-NEXT
キーワード: ツンデレ+過去との対峙+ラブコメ
超オレ様のイケメン産婦人科医と、振り回しているのか振り回されているのか分からない天然パティシエの、〝7世の恋人〟を巡る物語。
うまくつながり合えない恋人たちのぎこちない想いとか、親と子のすれ違う思いやりとか、過去を乗り越える勇気とか。
一貫してコメディ調ではあるけれど、いろんな要素がてんこ盛りの、ラブコメと表現するには内容の濃いドラマだった。
特に王諾役は、オレ様なのに終始苦しんでばかり。
演じる李国毅(レゴ・リー)の演技には、胸が締め付けられる。
もちろん、胸キュンシーンや笑えるシーンもたくさんあるけどね!
あらすじ(ネタバレ注意!)
王諾(李國毅/レゴ・リー)は、高スペックイケメンなのに無愛想で毒舌な産婦人科医。
ある日、駐輪場所の取り合いから、ホテルの厨房で料理長の助手をしている高丙丙(連俞涵/リエン・ユーハン)と知り合う。
最悪な雰囲気の中で出逢った2人は、その後もなぜかあちこちで嫌な再会を繰り返す。
何をするのも適当な丙丙は度々ピンチに陥るが、冷酷なように見えて実は面倒見の良い王諾は、その度に悪態をつきながらも丙丙を助けるハメに。
あるとき王諾は驚きの事実に気付いてしまう。
問題ばかり起こすあのムカつくマヌケ女は、オンラインゲームの世界で自分の最高のパートナーである〝ジュリエット〟だったのだ。
戸惑い腹を立てる王諾。
けれど少しずつ、彼の中で何かが変わっていく。
孤独の中で十字架を背負い続けてきた王諾、人知れずがむしゃらに努力してきたからこそ夢見ることを知らなかった彼が、丙丙こそ輪廻の縁で結ばれた運命の恋人だと信じるようになった頃。
丙丙は突然王諾に一方的な別れを告げて、日本へ留学する。
長年胸に抱えてきたしこりを溶かしてくれた彼女のため、完璧な恋人でいようと彼は努力を重ねるけれど。
一方彼女は、自分の足で立って彼に見合う女性になりたいと思うのに、何をやってもうまくいかない日々の中で自分を見失いそうになる。
主人公2人が、それぞれ自分自身と向き合い成長していく姿が好印象のドラマだった。
英文タイトル『7度目の恋』とは
度々劇中に出てくる〝七世の恋人〟とは、中国の口承伝説である〝七世夫妻〟のこと。
七夕に由来する、金童と玉女の悲哀の物語だ。
知らなくてもこのドラマは楽しめるが、何度か会話の中や映像に出てくるので、ご参考までに。
ある年の七夕に天帝が神仙たちと宴を催していた際、金童が酒杯を誤って割ってしまった。
玉女は慰めようと金童に微笑みかけたが、それを見た天帝は世俗の感情を抱いたと激怒し、2人を人間界へ堕とした。
愛し合うが夫婦にはなれないと定められた2人は、七度生まれ変わっては出会い、七度とも恋に落ちたものの。
その度に苦しみ報われず、かと言って離れられもせず、悲しみの中で死別した。
その七世の夫婦は、それぞれ名前や時代など詳細もはっきりしている。
その中で比較的日本人にも馴染みのある物語は、第二世の『祝英台と梁山泊』。
東晋の時代、良家名門の娘である祝英台が男装して遊学し、その先で出会った苦学生の梁山泊と恋に落ちるが、その家柄違いの恋は生きている間には報われなかった。
英台は最期、先に病死した山泊の墓に身投げして殉じたが、その後その墓から2羽の蝶が仲良く天へと飛び去った。
これまでにも様々な映画や戯曲のベースに使われているとても有名なエピソードだ。
ちなみに最後の第七世は『李奎元と劉瑞蓮』で、明時代末期から清時代初期あたりの物語。
この代で初めて2人は結ばれ、七世に渡る輪廻を終わらせることができるのだが、その結末はハッピーエンド説と悲劇説との2種類が伝えられている。
1つ目は、李奎元がある日老人に出会い、3年後に開けと言って書物を渡されるという物語。
その後、彼は婿取り試合に出て勝ち、晴れて劉瑞蓮を娶る。
その後は幸せに過ごし、老人と出会って3年を数えてから書物を開くと、これまでの六世での2人の悲しい因縁が記されていた。
2人は、七世目でようやく許されたことを知る。
2つ目は、李奎元が婿取り試合に勝ってめでたく劉瑞蓮を娶る点は同じ。
しかしまさに婚姻の日の夜、街で一番の才女をよそ者に奪われたと妬む者のために火事が起きて大火となり、2人は抱き合ったまま亡くなった。
さすがに哀れに思った天帝は因果の輪廻を止め、2人を天へ呼び戻した。
七世それぞれに物語があって、様々な戯曲や小説の元になっていたりするから面白い。
興味があればぜひ調べてみて欲しい。
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