「あなたはシスではないのですか?」
不勉強なので「トランスジェンダー追悼の日」なるものがあることを知らなかったのですが、李琴峰氏がトランスジェンダー追悼の日に合わせて重大なカミングアウトをしてました。
記事では「本当は、カミングアウトなんてしたくありませんでした」と書いたうえで反トランス活動家による執拗なアウティングがあったことが書かれていて、李琴峰氏がどれだけつらい体験をしてきたのかは想像もできないほどだと思います。
で、私は上記の記事を読みながら、記事には書かれてないけど李琴峰氏がカミングアウトするに至ったもう一つの要因があるのではないかと考えています。というのは、記事に書かれている反トランス活動家とは別に、李琴峰氏に対して
「あなたはシスではないのですか?」
などと問い詰めたことがある人物がいるのを私は知っているからです。
それは毎度お騒がせの「かんぴんたん」です。
もうすでに記事が消えていますが、この李琴峰氏に対して長年にわたりつきまといをしていた「かんぴんたん」というアカウントは、李琴峰氏とのDMのやり取りをした内容を李琴峰氏には無断で公開をしていました。そのDMでは
「あなたはシスではないのですか?」
などという質問を李琴峰氏にたいして直接投げていました。
私は、この問い自体がハラスメントなのではないかと思います。
ピンとこない人がいるかもしれませんが、この質問を投げられた相手が、世間的にはカミングアウトしていないトランス女性であった場合どうでしょうか。
「シス女性です」と答えた場合、相手に対して嘘をついたことになります。一方で「シス女性ではない」と答えた場合、自分が意図したわけではないカミングアウトとなってしまいます。
つまり、この質問にどう答えようがそのひとにとっては不利益としかなりません。「百田尚樹の性自認を疑うのは差別だ」などと考えているほどトランスの権利について考えている人たちがこのことに気が付かないのが不思議でなりません。
この問いは、シスジェンダーにとってはなんともない質問でしょうが、トランスジェンダーにとっては一方的に精神的な負担となります。性自認を尊重する立場であれば、親しくもない相手に対して「トランスジェンダーなのか」を問いただすのはトランス差別でありハラスメントにほかならないのは明らかでしょう。
そして、相手に対してトランスジェンダーなのかどうかを問いただすのはNGだというのはつまり、自分の意志でシスだあるいはトランスだと宣言している人(問いただした答えではNGです)以外は「シスかもしれないしトランスかもしれない」という前提で語らないとならないはずで、相手を「シスジェンダー」だと決めつけるのはトランス差別だという論理的帰結になるはずです。
自分の意志でシスジェンダーだと言っていない人に対して「シスプレイニング」だ(※マンスプレイニングのもじりだと思います)などと喧伝する行為は相手に対するハラスメントでしょう。
当然ながら、たとえ相手がトランスヘイターだとしても、自分の意志でシスジェンダーだと言っていなければシスジェンダーだと決めつけるのはトランス差別です。
このような結論になっていないとしたら、「百田尚樹の性自認を疑うのは差別」などというのは彼らが自分に都合のいいように捏造した差別にほかならないでしょう。
すべての差別に反対するのであれば、「かんぴんたん」がやらかした李琴峰氏へのハラスメントに対してはっきりとNOを言わないといけないのではないでしょうか。
このことを問い詰められても「あなたはいやなんですね」などと開き直るのは「すべての差別に反対」している人がやって良いことでしょうか?
腐っているとしか言いようがないですね。