本当に存在を消されているのは「トランス男性」だという話
トランスヘイターの皆様が一生懸命「女消し」(メケシとよむらしい)なるワードをはやらせようとしている今日このごろですが
本当に存在を消されているのは
「 ト ラ ン ス 男 性 」
なんですよね。
トランスヘイターの皆様が常々「トランスの問題」で騒ぐとき、彼らが想定しているのは「トランス女性」(男性として生まれて女性として生きている人)を指していて、「トランス男性」(女性として生まれて男性として生きている人)のことがまるで頭から抜け落ちているのです。
例えば滝本は
というようなツイートをしていますが、この画像に出ている人たちはトランス男性(とノンバイナリー)です。トランス女性ではありません。
トランス男性だから生理がある人もいる、というのは当たり前のことですよね。なにも難しいことはありません。
まあこの場合はオリロンドンというデマアカウントがトランス"女性"とツイートしているから引っかかったのでしょうが、以下のツイートでは
女性として生まれたノンバイナリーな人を「トランス女性」だと思いこんで「男性器ありながらFやXの人がいる」などとツイートしているわけです。
この人がトランス男性かもしれないだなんて、滝本は考えもしなかったのでしょう。
この現象は滝本だけに限りません。
例えば以下の動画ではトランス男性と(おそらくシスの)男性が学校の男子トイレに生理用品を置くべきか議論をしていますが、染色体の話をしているシス男性は、「男子トイレを利用している(生理がある)トランス男性」が実際に存在していることがまったく理解できていません。
この動画を見てコメントを付けている人たちの中にも、トランス女性の話だと思いこんでいると思われるツイートがかなりたくさん見られました。
トランス男性のことが頭からすっぽり抜けていれば「男性にも生理がある」という議論はなんのことか全く理解できないでしょう。当然です。
また、最近では「シス女性」と呼ぶのをやらたらと拒んでいるトランスヘイターが見受けられますが
「シス」は「トランスではない」という意味合いしかありません。
彼らは「生理がある人は(シス女性じゃなくて)女性だろ」と言いたいのだと思いますが、やはりここでも存在が忘れられているのが「トランス男性」です。
もしかりに、「トランス女性=男性、トランス男性=女性」とする立場を取ったとしても、やはり「女性」の中に「トランス男性」と「シス女性」を区分する必要性が必ず生じます。
そこを完全に無視しているのが「シス女性」というワードを拒んているトランスヘイターなのです。
アメリカでは、「トイレは生まれ持った性別で利用することを強制する」という法案が一部の州で出されていますが、これもやはり想定しているのは「トランス女性」だと思います。ここでも「トランス男性」の存在を忘れているとしか言いようがないでしょう。
トランスヘイターの中には「トランス男性はちょっとボーイッシュな見た目の女性のことだろう」くらいに考えている人が多い印象ですが、実際のトランス男性はかなり体を鍛えていて髭をはやしている人が少なくありません。「男性に見せたい」と努力をしているのだからそれらは当たり前のことです。男性ホルモンを接種していれば、性器の手術をしていなくても髭は生えます。
トランスヘイターは「トランス女性が女子トイレに入るのが合法化されれば怪しげ目的の男がトランス女性だと言い張って女子トイレに入ってくる」という理屈を多用しますが、もし仮に生まれ持った性でトイレを使用することを強要するならば、「怪しげ目的の男」はトランス男性だと偽ってトイレに入るという話であり、結果に大差はないでしょう。
「怪しげ目的の男」をどうにかしなければならないという話であり、LGBTの権利を保護するかどうかと「怪しげ目的の男」には関係がありません。
JKローリングが「生理のある人」というワードに反応して「生理のある人は女性のことでしょ?」「女性を消そうとしている」などと騒いでいましたが、「生理のある人」というワードが包摂しようとしているのは「トランス男性」であってトランス女性ではありません。
「トランス男性」の存在を忘れていることこそ、トランスの議論が拗れる原因ではないでしょうか。
トランスヘイターの皆さまがトランス男性の存在をきっちりと認識できれば、トランスの議論がもうすこしマシになるような気がします。