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さよなら、カッコウ。

「とうとう帰っちゃったんだ!」と思ってくれたかた、覚えててくれたのですね、ありがとうございます。

「なんのこっちゃ?」というかた、これを読んでもらえるとうれしいです。↓

毎年7月中頃から、カッコウが鳴いた日を手帳にメモしている。最後に鳴いた日がわかるように。いつもは「そういえば何日も聞いていない!」と気づいて、急に哀しくなっていた。

今年はnoteにあの記事を書いたので、覚悟ができていた。毎日仕事をしながら「今日でカッコウは最後かもしれない」そう思って、大事に聴いてきた。

先週の土曜日18日。ここ何日か曇り空が続いている。そんな中で鳴くカッコウは、なんとなく淋しそうだった。「もし明日、山で鳴くのが最後だったら、聴けないなぁ」。なんとなく予感がした。


次の日19日、日曜日。仕事が休みなので、朝、ベッドの中でうとうとしていると、突然近くでカッコウの声がする。カッコウは自分の名前を大声で叫んでいた。「カッコウ!」「カッコウだよ!」「カッコウが来たよ!」

あわてて窓を開けた。青空の下、鳴いたのは、たった3回だけ。間に合わなかった。姿は見えなかった。どこで鳴いたのだろう。こんなに近くで。


遠くに帰るのを、教えに来てくれたのだと思った。わたしの家は、山の仕事場から10㎞離れている。わざわざ遠回りして来てくれたんだ。ありがとう、カッコウ。

大丈夫。今年は大丈夫だよ。嫌いな冬もきっと乗り越えられる。辛くなったらキミの声を思い出すからね。さよなら、カッコウ。来年もまた、迷わずココに来てね。待ってるよ、カッコウ。それまで元気でね。


…あのさー。これで終わるとカッコよかったンだよね。でもぴぃぴさん、ホントのこと書かないと気持ち悪くって。実際には次の朝と、その次の朝も鳴いてくれました。21日に自宅で聴いたのが最後でしたね。

仕事に行く前に鳴いてくれてうれしかったけど、よく聴くと音程が違ったから、みなさんお察しの通り、山とは別の個体ですね。街の担当のカッコウが、あきらめのつかないわたしに、3日かけてさよならしてくれたと思うことにします。

カッコウのお話の最終回でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。







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