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ベース&ドラム2人組とは思えない!?UKが送り込むヤバいロック・ユニットRoyal Blood

今回ご紹介するのは、英国ブライトン出身のロック・ユニット、Royal Blood(ロイヤル・ブラッド)です。

ブライトンは、ロンドンから少し離れた海岸沿いに位置し、英国有数の観光地という側面もありながら、音楽ファンの中ではロックの街として知られている都市です。
そんな中でも、ひときわ目立つ異形のコンビ、それがRoyal Bloodです。
名前を直訳すると、Royal Blood(=王家の血統)という大変仰々しいバンドネーム。とはいえ、まさしく脈々と受け継がれてきたUKロックの血統を新時代へとつなぐ存在、と言っても決して大袈裟ではないと思います。
前回のサマーソニックでの来日時は、地上波の朝のTV情報番組で生パフォーマンスを披露し、話題を呼びました。
現在のUKロックシーンでは彼ら抜きでは語れない、そんなRoyal Bloodを3つのポイントからご紹介していきます。

1. ベースとドラムだけの楽器隊

まずはこのミュージック・ビデオをどうぞ。

ご覧いただくとおわかりのように、メンバー構成は、ドラム&ベースの変則編成の2人組です。メンバーは以下の
Mike Kerr / マイク・カー(Vo, Bass)
Ben Thatcher / ベン・サッチャー(Drums)
2人だけです。
最近のLIVE映像を見ても2人(※たまに女性コーラスなどが入ることもあるようですが)でステージをこなしているのがお分りいただけます。

通常のロックバンドというと、楽器隊にギター、ドラム、ベース、時折これに鍵盤などが加わるスタイル/編成がベーシックですが、Royal Bloodは、ボトムを支える低音楽器のベース(&歌)、そして鳴り物のドラムのみ。
ベースを触ったことがあるという方はすぐお分かりになると思いますが、もはや「この音はどうやって出しているの?」というぐらい、ありえないサウンドを一本のベースで鳴らします。
(マイクは、ネックが通常よりも短めな、ショート・スケールのベースを使用しており、見た目だとギターっぽく見えたりしますが、ベースです)
キャッチーなメロディ、キラー・リフが随所に織り交ぜられたうねり最大のベースラインを聴く限り、これがマイク一人のプレイということをつい忘れそうになります。
ここに、真ん中から支えるベンのタイトなドラムが加わることで、いわゆる通常のベース+ドラムのイメージには収まりきらない、唯一無二のRoyal Bloodサウンドが出来上がります。

2. 錚々たる著名アーティストたちに見出される!

デビュー・タイミングでは、あのデイヴ・グロールも彼らをチェックしており、彼らのサウンドを絶賛しております。

その後、Foo FightersはRoyal Bloodをツアーのサポートとしてオファー。大役を務めあげました。それ以外にも、Queens of the Stone AgeArctic MonkeysAt The Drive-Inのサポートなども歴任するなど、レジェンド系アーティストからの信頼を勝ち得てきました。
そんな大物からの寵愛を受け、各地で精力的にライブを行い知名度をあげてきた彼らはデビューより2作連続でUK No.1アルバムを獲得するなど、名実ともにシーンを代表する存在になっています。

ちなみに、新作『Typhoons』収録の楽曲「Boilermaker」は、Queens of the Stone Ageの Josh Homme がプロデュースを一部担当しているとのことです。

3. 4年ぶりの新作『Typhoons』の進化っぷり

2021年4月30日(金)に全世界同時発売となる『Typhoons』は、彼らのとっては3作目のアルバムとなります。
一聴すればわかるのですが、今作はこれまでのフォーマット+とにかく踊れる!サウンドに仕上がっている模様です。

特徴である獰猛なロック・リフ・フォーマットにダンサブルなビートがきっちり導入されました。これは前作までとは明らかに違うアプローチです。
彼らがこれまで影響を受けたDAFT PUNKJUSTICEなどのエレクトロミュージック・サウンドへのルーツ回帰を図っているとのこと。
マイクは今作『Typhoons』について以下のように語っています。 

「このサウンドを偶然見つけて。すぐにプレイするのが楽しくなったんだ。これがニュー・アルバムでクリエイティヴィティをスパークさせている原動力なんだよ。あのフィーリングを追い求めていたんだ。でも不思議なことに『Figure it Out』あたりを振り返ってみても、この新作の胎芽はもう含まれているんだ」
「これまで僕らが築いていたものを破壊する必要がないことは分かっていたんだ。ただ単純にシフトしたりチェンジしたりしたところはあったけどね。当初はちょっとしたリ・インベンション(再発明)ぐらいを思い描いていたんだけど、きっと新しい感じに聞こえると思うよ」

新たなフェーズインを感じさせる新作、リリースが楽しみです。

いかがでしたでしょうか?
是非、新曲「LINBO」も併せて聴いてみてくださいね!



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