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来日直前に取材!レジェンド・ロック・スターのRod Stewart(ロッド・スチュワート)とJools Hollandが新アルバム『Swing Fever』について語りました!

2024年3月20日、レジェンド・ロック・スターのRod Stewart(ロッド・スチュワート)が来日公演を多いに盛り上げた。
その来日公演の直前に、ライターの鈴木美穂氏がRod Stewart(ロッド・スチュワート)とJools Holland(ジュールズ・ホランド)のインタビューを実現!

——日本のためにお時間とっていただきありがとうございます。
ジュールズ・ホランド「日本は大好きだよ。日本でショウをやった時に、スウィング・ミュージックの熱心なファンがいるのを、この目で見たんだ。スウィングに合わせて踊るのもうまい。公園で、人々がロカビリーやブギウギに合わせて踊っていたよ。素晴らしいよ」

——先日ロンドンのキングストンで4公演行ったばかりですが、観客の反応はいかがでしたか?
ロッド・スチュワート「素晴らしかったよ! 素晴らしいを超えて、劇的に熱狂的だった。アンコールでは『もっともっと』と叫んでいてね」
ジュールズ「そうだね。スウィング・ミュージックだけれど、もっとロックンロールに近いのもので、ロッドが小さなクラブで歌うとなったら、彼がキャリアを始めた頃に戻るようなもので、その興奮がそこにあって、ジャズでは得られないようなエッジもあって、熱くて汗だくになるような感じの会場だった。ロッドがいて、20人のバンドがいて、最高に気分が上がる場所で、想像できるといいんだけど」
ロッド「僕は最前列の観客の頭に触ったんだよ。それぐらい近かった。おかげで素晴らしいショウになった」
——「Almost Like Being In Love」のパフォーマンスを、あなたの司会する番組『Later with Jules Holland』で拝見しましたが、最高でした。このアルバムでの国外のツアーは予定していますか?
ロッド「まず今夜飲んで、1位になったことを祝って、気持ちを落ち着けてから、どういう予定にするか知らせるよ」

——『Swing Fever』のU Kアルバムチャートの1位達成、おめでとうございます。それを知って、どんなリアクションをしましたか?
ロッド「上位5位には入るようにと願っていたから、僕達は本当に驚いたよ。実は、昨晩ちょっと祝ったんだ。公式には発表されていなかったが、1位になると知らされていたからね。これが僕の12曲目の全英1位になると思うんだが、1位に飽きることなんてないね。それに、ジュールズが全英で1位を達成したのは、初なんだ」
ジュールズ「そう、そうなんだ。本当に素晴らしいことだよ。アルバムは売っているし、順調に活動をしてきたけれど、ビッグバンドの僕達が全英1位になったことはないから。世界で最も偉大なシンガーの一人が僕達と一緒にスウィングしてくれたことで、僕達にとって人生最高の出来事になった。正直に言って、僕が1位を獲得する日が来るなんて思ってもみなかった。でも、自分の仕事を充分長くやり続けて、自分の仕事を愛して、一緒にプレイする人達を愛していたら、いつかは成功するということなんだと思う。最後にビッグバンドが全英1位になったのは、1948年とか、その辺りだと思うから、こういうタイプの音楽をやって1位を達成するのは、本当に稀なことなんだよ。ロッドがこれをやろうと決心して、ビッグバンドに沢山の注目を集めたのは素晴らしいことだと思う。繊細な音楽だから。だから、僕にとっては人生で最高の出来事で、事実だって信じられないぐらいだ」
ロッド「だが、彼らのおかげで、達成できたんだ。彼らはジュールズが結成した本当に最高のバンドなんだよ。非常にタイトで、スウィングしてて、素晴らしいベースとドラムと、ピアノがこのスウィング・ミュージック、このブギウギを上手く行かせている。彼らがいなかったら、成功しなかったよ」
——ええ、この素晴らしいアルバム『Swing Fever』を作って下さってありがとうございます。個人的に、このアルバムが最初から最後まで非常にハッピーで高揚感があることが気に入っています。聞く人誰もが、より幸せな気分になれるアルバムだと思います。いつ頃から、今回はスウィング・レコードを作ろうと思っていたのですか?
ロッド「結構前からだよ。最後に『Great American Songbook』を作ったのが、10年前ぐらいだから、ずっと僕の頭の隅にあったことだ。それで、ロサンゼルスでレコーディングを始めたんだが、その時のバンドでは、求めてたものが得られなかった。スムーズすぎた。それで、『もう少し荒いエッジが欲しい』と、僕の男、ジュールズ・ホランドに電話をかけた。ジュールズ、どうぞ続けて!」
ジュールズ「ロッドが言ったように、彼は以前もスウィング・ミュージックをやっていた。『the Great American songbook』は、本当に素晴らしいアルバムで、4作か、5作あって」
ロッド「5作だね」
ジュールズ「本当に素晴らしいシリーズ作品で、でもスタイル的には今回とは少し違っていた。彼とアルバムの話をしていた時に、彼は『バラードは要らない、全てアップな曲にしたい』と言って、賛成した。僕のバンドは大抵ダンスミュージックを演奏していて、気分が上がる曲をやっているから、僕達にとってそれが自然なポジションだと考えたんだ。ロッドは『世界には多くの悲劇があるから、作品を通して喜びに満ちたアルバムを作るのは良いことだ』と言った。とてもシンプルな意見だけれど、複雑なことをやるよりもシンプルなことをやる方がずっと難しいものでね。でも僕達にとってはこれがやりたいことで、人々の気分を持ち上げる音楽を作り出したかった。僕は、僕のビッグバンドで25年から30年演奏をしていて、時折、様々な人達とコラボレーションをするけれど、ロッドは本当に完璧な人なんだ。僕達が演奏しているロックンロールのエッジがあるビッグバンドのスウィングが、彼の望む音楽だから。そして、ロックとスウィングは、実は同じものなんだ。時を経て、一つに融合していったんだ。1949年から1959年の間に、一つの音楽になっていた。僕にとっては、この作品を作れたのは夢であり、喜びだった。このアルバムが気分が上がるサウンドになった理由は、レコーディングが、本当に楽しくて気分が高揚するものだったからなんだ」
ロッド「素晴らしかったよ。でもそんなに褒めても、何も出てこないよ」
ジュールズ「では、この辺にしておこうか」

——これら13曲は、どのようにして選曲したんですか?
ロッド「それは最高に簡単だった。このアルバムを作る上で、ジュールズと僕の意見がぶつかることは、一度も、なかったよ。だから、それは最高に簡単なパートだった。アルバムが成功したら、もう成功しているが、あと13曲レコーディングできる曲があって、3週間ぐらいあればレコーディングできるよ」
ジュールズ「楽なのは、稀なことだよ。レコーディングって、レコード制作の裏話を読んで知ったことだけれど、アルバム制作がすごく辛かったから解散したとか、そういう話が大半で。いつも言い争っていて、それでセラピーに行くことになったり、音楽業界を去ったりする人もいて、25年間メンバーと話さなかったりする。もう惨劇と人間の悲惨さのカタログだよ」
ロッド「アハハ」
ジュールズ「このアルバムはそれとは正反対で、喜びのカタログだった。心からの音楽、真の音楽をやっていない人は、人を騙していることになると僕は思うんだ。このアルバムは僕達が感じた通りを表現している。君達に、それを届けたかった。今のニュースを見ていて、ハッピーではない出来事ばかりで、だから僕達はこの喜びを届けたかった」
ロッド「そうなんだ」
ジュールズ「ロッドはこういう音楽を彼の家で歌っていて、僕は僕のバンドとこういう音楽を演奏している。だから、最高のコンビネーションの共演で、全てが楽だった。僕達は同じことを追及していて、沢山同じ曲を知っているからね。一曲だけ、僕が知らなかった曲が、「Almost Like Being In Love」で、聞いたことがあったとしても、気づかなかった。でも、世界一偉大なシンガーの素晴らしい点なんだけれど、ロッドがこの曲を歌ったのを聴いた瞬間に、この曲に恋に落ちた。曲ではなく、シンガーが曲の魅力の鍵になっているということだよ。僕達とこのアルバムを作れるのは、彼しかいなかったと思う。彼の声は、本当に驚異的で、ロックンロールからブルース、こういうスウィングまで歌えて、それが結びついている。過去100年の間でこんなことができるシンガーは、わずか一握りだと思う」 

——サー・ロッドがどれだけ偉大なシンガーかを語って下さいましたが、あなた方二人のケミストリーが初めてとは思えないほど強力であることも、今作を素晴らしいものにしています。レコーディングで、このケミストリーをどのようにして築いたんですか?
ロッド「ケミストリーは、ジュールズがすでに説明したと思う。僕達は二人とも音楽を聴いて育って、音楽を愛していて、音楽について真に理解しているからなんだ。だから、あとは適切なキーで、適切なテンポの、適切な曲を選ぶだけだった。そして、彼は世界一のバンドをやってるんだ。僕が聴いた中で、スウィングをこんなに説得力を持って演奏できるのは、彼らの他にはいない」
——お二人の交友は、いつから続いているんですか?
ロッド「長年、お互いのこととは知っていたんだが、過去1年半、このアルバムを一緒に作るまでは長い時間一緒に過ごしたことはなかったんだ。でも、このアルバムをロサンゼルスで別のバンドと作って、スムーズすぎたから、ルイ・プリマみたいなロックンロールをやりたかったから、クリスマスに、ジュールズに電話をしたんだよ」
ジュールズ「僕はロッドのレコードをずっと買っていて、初めて買ったレコードの一つが、ロッドがパイソン・リー・ジャクソンの曲を歌った「In a Broken Dream」で、それ以来ずっと、僕はロッドを敬愛していて、彼のフォロワーでもあった。ブルースとかを演奏したいロンドン出身の白人の若者にとっては、少し歳上のロッドやヴァン・モリソンがドアを開いてくれて、僕達がやっても大丈夫にしてくれたからなんだ。だから彼の歌声と曲が大好きというだけではなくて、ずっとロッドをフォローしていた。お互いのことは、僕のT Vショウを通して知っていたけれど、一緒に仕事をしたことはなくて、数回、たまたま会っただけで。でも、2年前のクリスマスに彼が電話をくれた時、本人だとは思わなかったんだ。『ハロー、ロッド・スチュワートだ』って言われて、誰かがふざけているんだと思った。有名人の声を真似る人はいるからね。それで、『おお、ハロー』って返事をしたら、『君が幸せなクリスマスを過ごすよう願っているよ』と言われて、『はい』って言って、『来年、アルバムを作るのはどうかな?』って言うから『勿論です』って。でも、彼本人だとは信じていなかったから、『それは素晴らしいですね』と言って、電話を切った。でも、彼だったんだよ。その後また彼と話して、『これは最高の出来事だ!』と思った。それ以来、共通点が沢山あることを知ったよ。ロンドンで同じようなバックグラウンドで、家族が同じような音楽を聴いていて、それから若い時にフォーク・ミュージックとブルースミュージックを聴くようになって、だから、若い頃の人生が似ているんだ。それで気が合うんだと思う」
ロッド「優しいことを言ってくれるね」
ジュールズ「ありがとう」

——鉄道模型が大好きであることも共通していると伺いました。
ロッド「ああ、僕達は非常に情熱を持っている。素晴らしい偶然でね、ロック界でもその他でも、鉄道模型の趣味を持つミュージシャンと仕事をしたことが一度もなかったから、それも僕達を結びつけた理由の一つだよ。ちょうどジュールズに僕のワークショップでの写真を数枚送ったところで、この取材前に、ジュールズに感想を聞いていた。良い趣味なんだが、昔はあまりロックンロールではないからという理由で、恥ずかしく思っていた。でも、もうこの趣味をやっていい歳だし、気にするものかと自分に言い聞かせて、世界中に知らせた。アメリカの新聞に写真付きで掲載されて、それが世に出ているよ」
——アルバムに話を戻しますが、「Pennies From Heaven」は本当に楽しい曲で、ミュージックビデオもこの曲の喜びを捉えていて、素晴らしいです。ビデオの撮影はいかがでしたか?
ロッド「「Pennies From Heaven」は本当に楽しかったな、ジュールズ?」
ロッド「楽しかった、僕はこれまでにスクイーズから始まって、ビッグバンドでも沢山のビデオを作ってきて、ロッドはもっとだけれど、大変になることもあるんだよ。ハードワークだから、長時間撮影が続くこともある。でもこの撮影は短時間で、ダンサー達と(ロッドの妻の)ペニーと撮影をしている間は部屋に喜びが溢れていて、本当に素晴らしかった。その雰囲気が、スクリーンに反映されている。ジェレミー・デラーと言う優れたコンテンポラリーアーティストがインスタレーションを手がけてくれて、「我々はロッドを信じる(In Rod We Trust;我々は神を信じるを捩った言葉)」と描かれた大きなバナーを掲げたことで、少しエッジーになったと思う。ロッドとペニーが2人の素晴らしいタップダンサーを見つけてきて、僕が着いた時に、女性のタップダンサーが、『ピアノに乗って踊ってもいいか』と言うから、『それは素晴らしいアイディアだね』ってテクニシャンに大丈夫か確認した。大丈夫だと言われて彼女はピアノの上に乗って、踊り出して。『僕のピアノの上でダンスする人がいるなんて、素晴らしい日だ!』と思いながら弾いていた。僕達がこの曲で感じた気分をビデオが捉えられた気がして、とても良かった」

——どの曲も素晴らしいですが、特に「Frankie and Johnny」が気に入っています。悲劇の物語ですが音楽はアップビートで明朗で、そのバランスが上手く取れた曲になっていると思います。レコーディングはいかがでしたか?
ロッド「君の言う通り、悲しい曲になるはずの曲だが、明らかに僕達はフランキーもジョニーも知らないんでね、だからこんなに朗らかに演奏できる。でも、それが成功している。誰がこの曲を書いたのか、僕は知らないんだが」
ジュールズ「作曲者がクレジットされているか調べるけど、フォークミュージックから発祥した古いブルース曲の一例だと僕は思う。18世紀のスコットランドとか、強盗とそのガールフレンドの話かもしれない。こういう曲は何度も変化するものだから分からないけれど、おそらく恋人を銃で撃ったんだ。彼女が嫉妬で恋人を殺す、太古の昔から存在する物語で、ロマンチックで素晴らしいと思う。ブルースで、酷く悲しい歌詞で、現代の人達にとっても意味がある話でね。ロッドはサム・クックの大ファンで、僕達はサム・クックのバージョンを聞くところから始めたんだ。この曲はそれこそ、沢山のバージョンがあるからね。人に何かを感じさせる曲だと思うから、気に入ってもらえて嬉しいよ。ブルース、フォーク・ブルースの領域に入る曲だと思う」
ロッド「そしてこのアルバムには、ジュールズがさっき説明しようとした、スウィングとブルースからロックンロールへの変遷になる2曲が収録されている。「Night Train」と、もう一曲は」
ジュールズ「「Good Rocking Tonight」」
ロッド「そう、「Good Rocking Tonight」。これらの曲の出だしは、ビル・ヘイリー・アンド・ザ・コメッツを聴いているようにも思えるし、それが変遷なんだ。一つの音楽から別の音楽に変化していったんだよ。過去5、6日、コンサートをやって、スイングとロックンロール、この二つがどれだけ近く結びついているを僕達は説明しようとしたんだよ」
——仰る通りで、スイング・アルバムを作ることで、あなたがロックンロールから遠ざかったと思った人もいるかもしれないのですが、そうではなく、この二つは強く結びついているのですよね、そのことが、このアルバムからは聴き取れます。
ロッド「そう、遠ざかることなんかできない、僕はロックンロール・スタイルの曲をやることを愛している。素晴らしいよ。僕はすでにロックをやれると証明したから、何も失うものはない。このアルバムの僕達はエッジがあるし、エッジを維持することが、最も大事なことだった。全ての曲に、ロックンロールのエッジを入れたんだ」
ジュールズ「ロッドがやったことは、勇敢なんだよ。誰もアップテンポのスイングレコードをやろうとしなかったから。僕はこれが大好きだし、僕達はこういう音楽を演奏しているけど、ニッチな音楽だと言うことは理解しているから。ロッドもそれを分かっていて、リスクを取った。彼には脱帽だよ。彼もこの音楽が大好きだからやった。でもどんな名前をつけようと、これは何かを感じさせられる音楽で、それが一番大事なことで、ロッドが歌うといつも、あるタイプの感情を感じさせられる。それが偉大なシンガーがやることで、偉大なシンガーというのは彼とかレイ・チャールズとか、そんなに多くない。君達がアルバムで聞くのはそんな彼の歌声で、彼に対する僕のレスポンスと、僕達が彼を尊重して演奏している様が、このアルバムの素晴らしさだと思う。彼が歌うのを聴いた瞬間に、僕は気分が晴れて、踊り出したくなる。だから他の人達も踊らせたくなると思う」
——その通りですね。あなたのボーカルの偉大な点の一つが、他の人の書いた曲も自分の曲にして非常にリアルな曲に仕上げる能力で、今作のラスト曲「Tennessee Waltz」の歌声は本当に素晴らしく、あなたがこの曲の主人公だと信じさせられるパフォーマンスになっています。どのようにして、ご自分を曲の主人公にしているのですか?
ロッド「この曲も、繰り返しレコーディングされてきた曲なんだ。だから、作者は不明で著作権がない気がする。僕はずっとサム・クックを敬愛しているから、彼のバージョンを聞いていたよ。他は誰が歌ってるのかな、ジュールズ?」
ジュールズ「確かにサム・クックはその一人で、他は、名前が思い出せないが、有名なカントリー・スターで、彼女が書いた曲だと思う。よくスローワルツとしてカバーされているからね。ロッドが歌う時、彼に説明してもらった方がいいけど、曲は、言葉、曲の詩がまず君の心を掴む必要があるんだよね?」
ロッド「そうだね。僕にとって歌詞の内容、物語は、おそらくメロディよりも重要だ。偉大なトム・ウェイツの「Downtown Train」をカバーしたが、トムがかなりフラットに歌ったのに対して、俺はコーラスの部分をあげて、ヴァースは下げた。ちょっと自慢話になっているな(笑)」
ジュールズ「いや、いいんだよ、君の作品の秘密を教えているんだから。ロッドの歌声を聞くのは、最高の俳優の演技を映画で見ているようなもので、彼らが演技をしているとは思わないで、起こっていることを信じる。それと同様に、ロッドが歌っていることを完全に信じるのは、彼がそのキャラクターになっているからで。僕は一緒に演奏しながら彼を見ていてね、彼は本当にそれを自然にやっているんだと思う。軽々とやっているように見えるけれど、実際は非常に大変で複雑なことで、けれども彼は軽々とやってしまう。最高のロックンロール・シンガーとか、最高のオペラ歌手とか、この地球上で同じことをやれる人は一握りだが、彼はその一人だ。だから、彼こういう曲の歌詞を、初めて聞くような感覚にさせてくれる。そしてメロディが頭に残る。彼にはそれができるんだ」
ロッド「ああ、その通りだ。彼の素晴らしいホンキー・トンク、ブギウギ・ピアノについても話そうじゃないか。彼より優れた人などいない。この間、アルバムのプロモーションのショウとして、1500人だけの観客の前で僕達はショウをやったが、彼がブギウギを弾きながら僕が歌って、僕達二人だけだった。観客はずっと拍手をしていたよ。僕達は二人とも、最高のショウがやれるからだ。それは僕達の骨と、血の中に宿っているんだよ」 

——サー・ロッドはもうすぐ3月20日に来日公演を行ってくださいますが、13年ぶりの日本公演ということで、大変楽しみです。どんなショウになりますか?
ロッド「スウィング・ミュージックをやらないことが確かだが、2時間か、観客の盛り上がり次第でもっと長いショウになる。君達が聞きたい曲を全てやるよ。初期の曲、ファースト・アルバムの曲から、多分、「Dirty Old Town」、「 Maggie May」 、「Da Ya Think I'm Sexy」や、今の曲までね。でも、ジュールズがいないから、スウィングはやらないよ。彼がいないと、できないことだから」
——日本でコンサートを行った時の思い出を教えていただけますか?
ロッド「もう大分昔になるが、バンドのメンバー達は、よく酒で泥酔していたよ。すごく昔の話で、みんな今よりずっと若かったから、もうそんなことは起こらないね。今回は、本当に楽しくてカラフルでセクシーなショウになるよ。僕と女性6人、男性6人、計12人のバンドとで、過去最高のバンドなんだ。君達の頭を吹き飛ばすから、楽しみにしていて欲しい」
——ジュールズは、来日公演はどんな思い出がありますか?
ジュールズ「僕達は、ブルーノートで数回日本公演をやった。その時にとても歓待してもらって、食事が本当に美味しかったよ。日本は本当に素晴らしい場所で、日本公演は一番楽しかった経験の一つだよ。特に覚えているのは、全てが時間通りに行われるってことだね。日本では、9時35分にステージに出ると言われたら、36分でも34分でもなく、35分なんだ。控室でギタリストの準備が遅れていて、準備ができていてもいなくてもステージに出るように言われて、それがすごく気に入った。安心させられたよ。僕は日本が大好きだよ」
ロッド「僕はいつも時間通りに始めて、時間を守るよ。7時30分ならその時間に出て、ショウの後にバンドと飲んだりする時間を楽しめるからね」
——ありがとうございます。最後に、日本にいるファンにメッセージをお願いします。
ロッド「日本と、特に東京近郊の僕の友人達へ、僕が日本に行ってから大分時間が経ってしまったけど、ショウは決してがっかりさせないよ」


【リリース情報】
■アルバム情報


アーティスト:Rod Stewart / ロッド・スチュアート
アルバム:『Swing Fever / スウィング・フィーヴァー』
デジタル・リリース:2024年2月23日(金)
国内盤CDの発売:2024年3月13日(水)
国内盤CDの情報:WPCR-18658、3,300円(税込み)
購入:https://rodstewartjp.lnk.to/swingf
<トラックリスト>
1. Lullaby Of Broadway
2. Oh Marie
3. Sentimental Journey
4. Pennies From Heaven
5. Night Train
6. Love Is The Sweetest Thing
7. Them There Eyes
8. Good Rockin’ Tonight
9. Ain’t Misbehavin’
10. Frankie And Johnny
11. Walkin’ My Baby Back Home
12. Almost Like Being In Love
13. Tennessee Waltz










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