武器兵器調達課#103:  「次世代歩兵戦闘車」

今回は「次世代歩兵戦闘車」について見ていきましょう。

米軍の次世代歩兵戦闘車?

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「次世代歩兵戦闘車(ICCV)」: 次世代の主力戦闘車です。従来の歩兵戦闘車(M2 ブラッドレー)の後継車として開発されており、2020年代後半に配備される予定です。

ICCVの開発背景

M2 ブラッドレーは1981年に配備されて以来、40年以上運用されています。しかし、近年では戦場環境の複雑化や敵装甲の強化により、M2 ブラッドレーの性能不足が指摘されていました。

そこで、米陸軍は次世代の主力戦闘車としてICCVの開発を決定しました。ICCVは、M2 ブラッドレーよりも高い生存性、優れた機動性、高度なネットワーク化、多様な任務への対応を実現することを目標としています。

ICCVの特徴

  • 高い生存性:

    • 最新の複合装甲や反応装甲を採用することで、敵の攻撃から車体と乗員を保護します。

    • アクティブ防護システムを搭載することで、敵の対戦車ミサイルやロケット弾を防ぐことができます。

    • 地雷探知装置や火災検知システムを搭載することで、地雷や火災による被害を軽減することができます。

  • 優れた機動性:

    • 強力なエンジンとサスペンションを搭載することで、従来の歩兵戦闘車よりも高い速度と機動性を備えています。

    • 履帯システムを改良することで、様々な地形を走行することができます。

    • 水泳能力を備えているため、河川などを渡ることができます。

  • 高度なネットワーク化:

    • C4ISRシステムやセンサーネットワークを搭載することで、他の戦闘車両や指揮所と高度なネットワークを構築することができます。

    • 状況認識能力を向上させ、より迅速かつ効果的な戦闘行動が可能になります。

    • 将来的には、無人車両との連携も可能になる予定です。

  • 多様な任務への対応:

    • 歩兵輸送: 歩兵を安全かつ迅速に戦場へ輸送することができます。

    • 火力支援: 120mm滑腔砲やジャベリン対戦車ミサイルで敵を攻撃することができます。

    • 偵察: センサーネットワークを活用して敵の状況を偵察することができます。

    • 医療搬送: 負傷者を安全かつ迅速に後方へ搬送することができます。

    • 工兵支援: ブルドーザーブレードやドーザーブレードを使って障害物を除去することができます。

ICCVの装備

  • 120mm滑腔砲: 戦車と同じ120mm滑腔砲を搭載し、高い火力性能を備えています。

  • ジャベリン対戦車ミサイル: 対戦車ミサイルジャベリンを搭載し、長距離からの敵戦車攻撃が可能になります。

  • 自動照準システム: 自動照準システムを搭載することで、射撃精度を向上させます。

  • アクティブ防護システム: アクティブ防護システムを搭載することで、敵の攻撃を防ぐことができます。

  • C4ISRシステム: 指揮統制・情報・偵察・監視システム(C4ISR)を搭載することで、他の戦闘車両や指揮所と高度なネットワークを構築することができます。

  • センサーネットワーク: レーダー、カメラ、赤外線センサーなど、様々なセンサーを搭載することで、状況認識能力を向上させます。

  • ブルドーザーブレード: 障害物を除去するために使用することができます。

  • ドーザーブレード: 土砂を運搬するために使用することができます。

ICCVの開発状況

2018年、米陸軍はICCVの開発プログラムを開始しました。当初はBAEシステムズ、ジェネラルダイナミクス・ランドシステムズ、レイセオン・テクノロジーズの3社が競合試作車を開発していました。しかし、2022年、レイセオン・テクノロジーズは開発から撤退し、現在はBAEシステムズとジェネラルダイナミクス・ランドシステムズの2社が競合しています。

ICCVの配備は2020年代後半から開始される予定です。


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