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「令和5年度雇用均等基本調査」を経営者のために読み解きました

みなさんこんにちは!株式会社With Midwifeの岸畑です。先ほど、令和5年度雇用均等基本調査が発表されましたね!時流を捉えるデータとして経営者のみなさんは知っておきたい内容がたくさんあります。

厚生労働省では、男女の雇用均等問題に関する雇用管理の実態を把握し、雇用均等行政の成果測定や方向性の検討を行う上での基礎資料を得ることを目的として、統計法に基づく一般統計調査として「雇用均等基本調査」を実施しております。

令和5年度雇用均等基本調査のお願い,厚生労働省

ただ!全部読むのは大変だと思いますので、要点をまとめましたのでぜひお読みください^^下の目次で気になるところをクリックすればそこに飛べます。ではどうぞ!


序章: 「令和5年度雇用均等基本調査」とは

調査の概要と目的

令和5年度雇用均等基本調査は、厚生労働省が実施する調査であり、男女の均等な取扱いや仕事と家庭の両立に関する雇用管理の実態を把握することを目的としています。この調査は、全国の企業と事業所を対象に、管理職に占める女性の割合や育児休業制度の利用状況などを調査しています。

調査対象と方法

調査は、全国の企業と事業所を対象に実施され、令和5年10月1日現在の状況を基に行われました。調査方法は、郵送とオンラインでの回答回収を組み合わせたものです。

調査の重要性と背景

この調査は、企業がどのようにして男女の均等な機会を提供し、仕事と家庭の両立を支援しているかを把握するための重要なデータを提供します。また、育児休業制度の利用状況や女性の管理職比率を明らかにすることで、企業がより良い雇用環境を整備するための指針となります。

第1章: 育児休業取得率の現状と課題

女性の育児休業取得率

令和5年度の調査によると、女性の育児休業取得率は84.1%で、前年の80.2%から増加しています。この増加は、企業が女性従業員に対して育児休業を取得しやすい環境を整備していることを示しています。

男性の育児休業取得率

一方で、男性の育児休業取得率は30.1%と、前年の17.13%から大幅に増加しています。この増加は、男性の育児参加に対する意識の高まりや、企業が男性にも育児休業を促進する取り組みを強化している結果と考えられます。

取得率増加の背景と要因

男性の育児休業取得率の増加は、政府の施策や企業の取り組みが大きく影響しています。政府は2025年までに男性の育児休業取得率を50%に、2030年までに85%に引き上げる目標を掲げています。これに応じて、企業も積極的に育児休業の取得を促進しています。

しかし課題も!「取るだけ育休」「取らされ育休」の現状

男性の育児休業取得が進む中で、「取るだけ育休」や「取らされ育休」という現象も見られます。短期間の育児休業を取得するだけで、実際の育児に十分に参加できていないケースや、会社の方針で無理に育児休業を取らされるケースが問題視されています。

課題と対策

男性が実質的に育児に参加するためには、育児休業の取得日数だけでなく、その後の働き方にも注目する必要があります。短期間の育児休業ではなく、育児に参加するための長期的な視点での取り組みが求められます。

第2章: 育児休業後の復職状況

女性の復職率

調査によると、女性の育児休業後の復職率は93.2%で、前年の93.1%からほぼ横ばいの状態です。多くの女性が育児休業後に職場に復帰していますが、一部には復職が難しいケースも見られます。

男性の復職率

男性の育児休業後の復職率は97.3%で、前年の97.5%からわずかに減少しています。男性の場合、育児休業後の復職が比較的スムーズに進んでいると言えます。

復職後の課題と現状

育児休業後に復職した従業員が直面する課題として、育児と仕事の両立が挙げられます。特に女性の場合、職場復帰後に仕事と育児を両立させるための支援が必要です。また、男性も育児休業後に育児参加を続けるための職場環境整備が求められます

第3章: 育児休業期間の分析

女性の育児休業期間の傾向

女性の育児休業期間では、「12か月~18か月未満」が最も多く、次いで「10か月~12か月未満」が続いています。この傾向は、育児休業を1年以上取得する女性が多いことを示しています。

男性の育児休業期間の傾向

男性の育児休業期間では、「1か月~3か月未満」が最も多く、次いで「5日~2週間未満」が続いています。男性の場合、短期間の育児休業を取得する傾向が強いことが分かります。

取得期間の違いとその影響

育児休業期間の違いは、育児に対する関与の深さに影響を与えます。男性の育児休業期間を延ばすことで、育児参加の機会を増やし、家庭内での役割分担の見直しが進むことが期待されます。

第4章: 女性管理職の現状

女性管理職の割合

調査によると、係長相当職以上の管理職に占める女性の割合は15.1%で、前年の14.7%から増加しています。部長相当職では7.9%、課長相当職では12.0%、係長相当職では19.5%と、役職が上がるほど女性の割合が低くなる傾向が見られます。

役職別の女性の割合

各役職に占める女性の割合を分析すると、部長相当職では7.9%、課長相当職では12.0%、係長相当職では19.5%となっています。これらのデータから、企業の上層部に行くほど女性の割合が低くなることが分かります。

管理職における男女比の分析

女性の管理職比率が低い要因として、昇進機会の不均等や、出産・育児によるキャリア中断が挙げられます。これを解決するためには、育児休業期間中のキャリアサポートや、柔軟な働き方の導入が必要です。

第5章: 育児休業制度の利用状況と改善点

育児休業制度の利用実態

調査によると、育児休業制度の利用率は女性が高く、男性が低い状況です。これには、男性の育児休業取得に対する社会的な偏見や、企業のサポート不足が影響しています。

制度利用の障壁

男性の育児休業取得を阻む主な障壁として、職場の理解不足、経済的負担、キャリアへの影響が挙げられます。これらの問題を解決するためには、企業全体で育児休業取得を推進する文化を醸成する必要があります。

改善点と提案

育児休業制度の利用を促進するためには、以下の改善点が考えられます。

重要

  • 育児休業取得の経済的支援の強化

  • 男性社員の育児休業取得を奨励する企業文化の確立

  • 育児休業中のキャリアサポートの充実

第6章: ハラスメント防止の取り組み

各種ハラスメントの現状

調査では、セクシャルハラスメント、妊娠・出産・育児休業に関連するハラスメント、パワーハラスメントの実態が明らかになっています。これらの問題は、企業内の風土や文化に深く根ざしています。

企業の取り組み状況

多くの企業がハラスメント防止のための取り組みを実施していますが、まだ十分ではありません。特に中小企業では、取り組みが遅れている場合が多いです。

改善のための提案

ハラスメント防止のためには、以下の提案が考えられます。

  • 社内研修や啓発活動の強化: 定期的な研修を通じて従業員の意識を高める。

  • ハラスメントに対する厳しい処分の導入: 明確なルールと厳格な処分を設定。

  • 被害者支援体制の充実: 相談窓口の設置やメンタルヘルスサポートの提供。

第7章: 経営者への提言

企業文化の変革

経営者が率先して育児休業やハラスメント防止に取り組む姿勢を示すことで、企業文化を変革することが可能です。トップダウンでの改革が効果的です。

柔軟な働き方の導入

リモートワークやフレックスタイム制の導入により、育児と仕事の両立が可能となります。特に育児中の従業員には、柔軟な働き方が重要です。

育児と仕事の両立支援

育児休業取得後も育児に参加できるよう、職場復帰後の支援体制を整えることが重要です。これには、育児と仕事を両立できる環境づくりが必要です。

長期的な視点での人材育成

育児休業中のキャリアサポートやスキルアップの機会を提供することで、育児休業後もスムーズに職場復帰できるようにします。長期的な視点での人材育成が求められます。

終章: より良い社会を目指して

今後の展望

育児休業制度の普及と、育児と仕事を両立できる社会の実現に向けて、企業と社会全体での取り組みが必要です。男性も女性も育児に参加しやすい環境を整えるために何ができますでしょうか。特に、男性の育児参加を進めることが、家庭内の役割分担を平等にし、女性のキャリア継続を支援する重要な要素です。今後は、育児休業取得の質にも目を向け、単なる取得率の向上だけでなく、実際の育児参加を促進するための具体的な施策が求められます。

企業としての社会的責任

企業は、従業員が育児と仕事を両立できる環境を提供することで、社会的責任を果たすことができます。これにより、従業員の満足度と生産性が向上します。具体的には、以下のような取り組みが考えられます。

  1. 柔軟な働き方の導入: リモートワークやフレックスタイム制、短時間勤務制度を導入し、従業員が育児と仕事を両立しやすい環境を整えます。これにより、育児休業後の復職がスムーズに進み、育児と仕事のバランスが取りやすくなります。

  2. 育児支援プログラムの充実: 育児休業中の従業員に対して、キャリアカウンセリングやスキルアップ研修を提供することで、復職後のキャリア継続を支援します。また、育児に関する相談窓口やサポートグループを設置し、従業員が育児に関する情報を共有しやすい環境を整えます。

  3. 職場内コミュニケーションの改善: 育児休業を取得する従業員に対して、職場内での理解とサポートを促進するためのコミュニケーションを強化します。上司や同僚が育児休業の重要性を理解し、サポートする文化を醸成することが重要です。

経営者のみなさまが社会をつくる

経営者は、自社の育児休業制度やハラスメント防止対策を見直し、改善することで、従業員が安心して働ける環境を作ることに寄与すると思います。これはただいいことではなく、必ず企業の持続的な成長と社会の発展につながります。具体的な行動としては、以下の提案があります。

  • トップダウンでの改革: 経営者自らが育児休業を取得し、育児に参加する姿勢を示すことで、従業員にもその重要性を伝えることができます。また、育児休業を取得した従業員が復職後にキャリアアップできるような仕組みを整備し、育児とキャリアの両立を支援します。

  • 育児休業取得を奨励するインセンティブの導入: 育児休業を取得した従業員に対して、ボーナスや特別休暇を付与するなどのインセンティブを提供することで、育児休業の取得を促進します。これにより、従業員のモチベーションを高めることができます。

  • 社内研修の実施: 育児休業やハラスメント防止に関する研修を定期的に実施し、従業員の意識を高めます。特に、管理職向けの研修を充実させることで、育児休業を取得する従業員に対する理解とサポートを強化します。

具体的な行動につなげるには

育児休業制度を効果的に運用し、より良い社会を実現するためには、以下の具体的な行動も重要です。

  1. 育児休業取得の計画的運用: 育児休業の取得計画を事前に立て、業務の引き継ぎや代替要員の確保を徹底することで、業務への影響を最小限に抑えられます。これにより、従業員が安心して育児休業を取得できる環境を整えましょう。

  2. 育児と仕事のバランスを取るためのツールの活用: スケジュール管理ツールやタスク管理アプリを活用し、育児と仕事の両立をサポートします。この使い方は、先輩である両立している社員にレクチャーしてもらうのもいいですね。従業員自身が効率的に業務を遂行するコツを掴むことで、結果的に育児にも参加しやすくなりますのでそれを応援しましょう。

  3. 育児参加の重要性を啓発するキャンペーンの実施: 社内外で育児参加の重要性を啓発するキャンペーンを実施し、従業員やその家族、さらには社会全体に対して育児参加の意識を高めることも重要です。育児休業の取得が当たり前の文化を醸成しましょう。

  4. コミュニティの形成: 育児休業を取得した従業員同士が情報交換やサポートを行うためのコミュニティを形成することもぴあサポートとして重要です。これにより、育児に関する悩みや情報を共有し、互いに支え合う環境を整えられます。

  5. 外部リソースの活用: 専門家やコンサルタントを活用し、育児休業制度の改善や育児支援プログラムの導入を検討します。外部リソースを活用することで、より効果的な取り組みが可能となります。

The CARE のご紹介

育児休業制度の改善や育児支援プログラムを導入する際には、専門家のサポートが不可欠です。株式会社With Midwifeの「The CARE」は、企業ごとに専属の医療専門家を配置し、従業員とその家族が24時間体制で相談可能なサービスを提供しています。チャットやビデオ通話による相談、訪問ケア、ライフイベントに関するコラム配信など、多彩なサポートが特徴です。詳しくは、The CAREの詳細、または下記の動画をご覧ください。

このような取り組みを通じて、企業は育児と仕事を両立できる環境を提供し、従業員の満足度と生産性を向上させることができます。これが、企業の、いや社会の持続的な成長と社会の発展につながると信じています。

経営者として、「令和5年度雇用均等基本調査」報告をきっかけに、今こそ育児休業制度の見直しと改善を進め、従業員が安心して育児と仕事を両立できる社会を実現するための第一歩を踏み出しましょう。これが、未来の企業と社会を築くための重要な鍵となるはずです!

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