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橋めぐり&下町散策【4】相生橋・中央大橋・永代橋・墨田川大橋 / 深川

コース:清澄~門前仲町~相生橋~佃~中央大橋~永代橋~隅田川大橋~門前仲町(2010年11月3日)


清澄庭園

本日は深川エリアを散策しながら隅田川下流の橋を渡るプランとした。
先ずは8月にすぐ近くを通りながら寄れなかった清澄庭園に行く。
半蔵門線の清澄白河駅から徒歩数分のところにある清澄庭園。
さほど大きい庭園ではないが、変わった形の岩々、飛び石をつたって歩ける「磯渡り」、凛とした姿の日本建築など、見るものが多彩でかなり楽しめる。

数寄屋造りの「涼亭」

日向ぼっこをする亀、コサギ、金色の鯉など生き物も色々。
そしてお祖母ちゃんと鯉に餌をあげる少年、車椅子のお年寄り、アメリカ人を案内している初老の男性など来園者も様々だ。
所々に絵を描いている人たちも見かけた。

岩影のコサギ

昭和レトロな商店街

すっかり長居してしまった公園を後に、深川に向かって清澄通りを歩く。
通りの向こうに目を向けると、レトロな趣の商店街が見えてきた。
どの建物も2階建てで、デザイン的になんとなく統一感がある。
空を圧迫しない高さの建物が長く連なっているからか、どことなく親しみを感じる。
中でも廃業した音楽教室のような建物が目を引いた。
レトロな窓の配列といい、看板建築を思わせる2階のディテールといい、スケッチした~い!しかし大通りの交通がかなり多いため、今日はパス。

たまらないレトロ感

門前仲町の手打ち蕎麦

仙台堀川を渡り、高速道路の下をくぐると憧れの門前仲町である。
この辺りで良さそうな食事処はないかと適当に裏道を歩いていたら、手打そば屋を見つけた。
満席と言われたので外で待つことにする。
ガラス張りのそば打ちコーナーで職人が作業をしているのが見える。
途中で少年がやってきて、その様子をじっと見ていた。

「深川 しまだ」のそば打ちコーナー

やっと店内に呼ばれ、テーブルに座って注文を済ませたところで、女性二人連れと相席になった。この混雑ぶりから察すると、よほどの人気店のようだ。

深川不動堂

食後は深川不動堂へ立ち寄った。
不動堂への参道は石畳のこぢんまりとした通りで、昔ながらの商店が両側に並んでいる。その中の1つ「其角せんべい」であられ1袋を購入。

不動堂の境内に入ると、華やかなのぼり旗が立てられていて、子供たちの手形を取ったりしていた。
本堂の横に開運出世稲荷があり、連なった赤いのぼり旗が鮮やかで、ここでもお参り。

開運出世稲荷

富岡八幡宮

不動堂の裏門を出ると向かい側に富岡八幡宮の西門があった。
境内に入ると、あちらこちらのスピーカーから、大音量の動揺が聞こえてきた。七五三仕様のようである。
本殿の前では七五三詣での家族連れが次から次と写真を撮っていた。子供を連れていない身としては邪魔にならないよう早々に退散。

富岡八幡宮本殿

横から境内に入ったので正面参道から出ることにする。
参道の途中に神輿庫があり、2基の神輿が展示されていた。
すばらしく豪華で立派なので、目を皿のようにしててっぺんから下までマジマジと眺めてしまった。いたるところに施されている細かな細工が特にすごい。

相生橋下

富岡八幡宮から永代通りを横断し、大横川を渡って西南に進む。
ここは製作所、団地、住宅などが混在する特徴のないエリア。
ジグザグに進んで清澄通りに出ると、相生橋はそう遠くない。

相生橋は中州のようなところの上を通っていて、そこへ降りるための階段が橋の両側にある。
下流側の階段を下りると「中の島公園」と彫られた石柱があった。その先にはたくさんの尖った白とブルーのポールが水の中に立っている。
得体のしれない物体を見て一瞬SFの世界に迷い込んだような気分になったが、なんて事はない、屋形船などを係留するための杭だった。

係留杭

係留エリアから公園内を回って相生橋のたもとに到着した。

中の島公園からの相生橋

橋の真下は遊歩道として整備されている感じではないが、丸い石柱を切ったような飛び石が配置されている。
飛び石の横には低いコンクリートの塀があり、その向こう側に墨田川が流れている。
水面と塀の高さとの違いは30センチもなさそうだ。その上、飛び石の間からチャポンチャポンと川の水が跳ね上がったりしている。

ちょっと不安だがここを思い切って通ることにする。
これほど間近に川が流れていると、その深さをどうしても想像してしまう。
本当はちゃんと安全に整備されているのだろうが、「怖い怖い」と言いながら飛び石をつたって橋の上流側に出た。

隅田川の迫力を感じる瞬間だった。

佃の石川島公園

佃島北端の石川島公園を歩く。
右手に川、左手に緑地帯と高層マンションの群れ。周りが大きく開けていて爽快だ。
この辺りは歩道と水面との段差が殆ど無く、川がすごく身近に感じられる。浜辺のように水が押し寄せてくる感じさえある。

佃北端の石川島公園

ドラマチック中央大橋

佃島の突端を回りこむと、中央大橋の全容がバーンと見えてくる。
なんといってもケーブルタワーが迫力だ。

夕ぐれ時の中央大橋

橋の上は歩道がやけに広い。逆に車道は片側1車線のみのようで、他の橋より狭いのではないか。
橋の中間地点、タワーの足が設置されている付近にピカソの絵を連想させるような彫刻が立っていた。

いなせな永代橋

中央大橋を渡った後は、隅田川テラスに降りて川辺をエンジョイする。前方に永代橋が見える。
永代橋は薄いブルーのアーチ橋。
色も形も駒形橋に似ているが、石造りのバルコニーがない分、全体のシルエットがすっきりしている。

永代橋

テラスから車道に上がり、永代橋を渡る。
上流側の景色を楽しみながら歩いていると、5時のクラリオンが聞こえてきた。気が付くと辺りはもうだいぶ薄暗くなっている。

永代橋を渡り終わったら門前仲町に戻るつもりだったが、どうせだから隅田川大橋も渡ってしまおうと思い、そのまま橋上をUターン。
今度は下流側の景色を見ながら渡る。

橋の途中で立ち止まり、欄干越しに佃島、相生橋、中央大橋を眺めた。

佃島の高層マンション群。左に相生橋、右に中央大橋。

永代橋を渡り終え、北に向かってほんの少し歩いていくと日本橋川に出る。その川にかかる豊海橋は、白いフレームとブルーの欄干がかわいい。

豊海橋

豊海橋を渡り終わったところで隅田川テラスへの階段が見えたので、また川沿いを歩くことにする。
夕闇のテラスはひと気がなく、ひっそりとしていた。
遠くでカップルがかもめに餌を投げているのが見えた。投げる度にかもめの群れがワーッと飛んできては飛び去る。

隅田川大橋からの眺め

隅田川大橋は上に高速道路が走っていて、トンネルみたいだ。
遠くから見ても近くから見ても、至って無味乾燥なデザインであるが、この橋からの景色は申し分ない。

隅田川大橋

橋の上から永代橋を見るとブルーの照明でライトアップされていた。
明かりをつけたフェリーが通り、幻想的だ。
上流側の清洲橋も赤でライトアップされていた。

隅田川大橋から見た永代橋と屋形船

門前仲町に向かって、まばらな街灯に照らされた街なかを行く。
辺りはすっかり暗くなっている。
古いビルのアンチック家具店では、店の前で飲み会をしていた。
レトロな建物が所々見かけられるこの一帯は、明るいときにもう一度歩いてみたい。
今日は急ぎ足で通りぬけ、永代通りに出て門前仲町の駅から帰りの電車に乗った。

<振り返ってひとこと> 2022年冬
佃島北端の石川島公園はこの後にも数回訪問していますが、その時々によって川の水位がだいぶ違うことに気づきました。潮の満ち引きに影響されるのでしょうか。満ち潮を狙ってまた行ってみたいと思います。

※お店の情報は訪問当時の情報なので、最新の営業情報等は変わっている可能性があります。


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