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橋めぐり&下町散策【6】桜橋/京島・向島

コース:押上~京島~向島~桜橋~浅草 (2010年12月12日)

北十間川

今回で2回目となる押上下車。前回はスカイツリーから西へ歩いたが、今日は東へ。下町風情が色濃く残っている京島辺りを目指す。

 押上駅から北十間川にかかる京成橋までのルートは前回と同じ。駅の周りは改装工事などで通路が分かりにくくなっているが、今回はスムーズにたどり着けた。
橋の周りには相変わらずスカイツリーを撮影している人たちが大勢いる。 

十間橋通りの長屋茶房

 北十間川に沿ってしばらく進んでから、古い商店街に入った。
比較的広い車道の両側に、昭和な店舗が並んでいる。いずれも低層建築なので圧迫感がない。この感じがとても好き。 
残念なことに、シャッターが下りているところが半数近くある。先週行った大島でも同じだったが、もしかしたら昔ながらの商店街は日曜定休が多いのだろうか。
ともあれ、閉まっていてもレトロな街並みはいつ見ても楽しい。

 あの店この店とキョロキョロしながら歩いていると、ステンドグラスの小窓が目に入った。サッシュではなく木の枠で、沢山の小さなガラス窓と一緒に並んでいる。鮮やかなブルーの暖簾も独特なデザインだ。
どうやら古い建物を改装した飲食店のようである。 

店の脇に廃材で作ったようなモナカアイスの販売所があった。
歩道の脇に立ってそれをスケッチしていたら男性がやってきて、カウンターに置いてある板を小槌か何かで叩いた。すると奥から店員が出てきてモナカアイスを渡した。ほー、呼び鈴ならぬ「呼び板」! 

最中アイスの販売所

さて、ランチには少し早いが、どうしても店内が見たいと思い、ここで早めの昼食とする。中に入ってカウンター席に座り、鴨汁そばを注文。
ここは手打ち蕎麦とこだわりコーヒーを提供する「長屋茶房 天真庵」だそうだ。
店内は期待にたがわず木材を多用した個性的なスペースだ。

「天真庵」の内部(右にステンドグラス)

 食後に2階に上がってみると、竹細工の講習会をやっていた。 

古店舗とスカイツリー

「天真庵」を出てからも低層建築が連なるレトロ商店街はしばらく続くようだったが、途中で車1台がやっと通れるぐらいの枝道に入った。
ここにも店舗が点在している。東部亀戸線の踏切を渡ると通りはレンガ舗装になり、キラキラ橘商店街の始まりとなる。
普段は地域の人々に愛されるにぎわいのある商店街らしいが、今日はやはり営業していない店舗が多い。
ここは違う日にまた来ることにし、古い長屋が多く残っている京島3丁目辺りの路地をブラブラ歩いた。

ちょっと開けたところに来ると、寂れたトタン屋根の店舗が連なっていて、その後ろに建設中のスカイツリーが見えた。
新旧のコントラストが面白くてしばらく眺めていると、自転車に乗ったおじいさんが話しかけてきた。
荒川からだと焼却炉の煙突と並んでスカイツリーが見えるのでもっとすごい、とか。10分ほどおしゃべりをした。

建設途中のスカイツリーとトタン屋根

京島から向島 

裏路地から少し広めの通りに出たところで桜橋方面へ向かう。この通りもやはり商店街。
低層ビルが多く、青と黄色の手書き風看板が面白いなあとか、看板建築らしき長屋ビルがいいなあとか、楽しみながら歩く。

京島の長屋ビル

曳舟駅に近づくにつれてレトロ感が薄れ、高層ビルが見えてきた。 駅近くのガードをくぐり、高架線路に沿ってジグザグに進む。
太陽の位置からすると3時ごろだ。
しばらくすると飛木稲荷神社があり、そこでお参りをする。 

大木が印象的な飛木稲荷神社

歩行者専用の桜橋 

この後は桜橋を目指してできるだけ裏道を選んで歩く。
川沿いまでくると高速道路の下に橋につながる階段があった。階段を上って高架橋の下を抜けると橋のたもとに到着した。

 ここまで来て初めて知ったのだが、桜橋は歩行者専用なのだ。
そのせいか、お散歩雰囲気の静かな橋、という印象である。路面もアスファルトではなく、石畳なのでその印象が協調される。 

さらにもう1つユニークな点は、たもとから橋の途中までの通路が左右に分かれていること。つまり、上空から見ると橋がX字形をしているのだ。

橋のたもとから見た桜橋

 左側の通路から歩いていくと、左右が合体してできた中央部分の広いスペースがあり、その中心にピラミッド型のモニュメントが立っていた。
そこを通り過ぎて後半部分にさしかかると、また通路は左右に分かれる。

 言問橋を見ながらゆっくりと渡る。隅田川はいつ見てもよい。
渡り終わったところで隅田川テラスに下りた。桜橋の全容を見ながら言問橋の下まで歩いて川を堪能。

桜橋の全容 

浅草界隈 

言問橋まで来たので浅草を回ってから帰ることにする。まだ3時半、時間はたっぷり。 

縦横に広がる多数のアーケード商店街を適当に回っていたら浅草寺の前に出た。今回で3回目の来訪なので、広い境内の数ある建物のうち、まだ見ていない薬師堂と淡島堂、そして浅草寺の隣にある浅草神社を中心に回る。 

浅草神社の裏側に回ってみると、被官稲荷神社がひっそりと建っていた。
こちらはだいぶ地味な建物で、赤系に塗られた他の建物と対照的だ。
個人的には、このような素朴な建物が好きだ。 

浅草寺の宝蔵門を通って仲見世に入り、恒例の「和泉屋」の手焼き煎餅を買って本日のウォーキングは終わりとする。

<振り返ってひとこと> 2022年春
スカイツリーが完成した後に、京島付近の「寂れた店舗+スカイツリー」の景色をもう一度見たくて再訪したのですが、残念ながら古い建物はすっかり取り除かれ、新しい建築が進んでいるところでした。
古いものが新しいものに入れ替わり、その一方で古いものを改装・再利用する動きもあり、都市は色々な形で変化しているのですね。

※お店の情報は訪問当時の情報なので、最新の営業情報等は変わっている可能性があります。

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