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夜散歩

今日は朝から肩こりがひどく、背中にこなきじじいが乗ってるんじゃないかと言う疑念にとらわれながら仕事をしていた。そんな日に限って細かい数字を延々チェックする業務が急ぎで入ってきたため、終業間際には首から背中にかけてゴリゴリのパンパンになってしまった。こなきじじいが団体さまでお越しになったかのように上半身が重い。何とかしないと団体さまがそのまま集落を形成して定住してしまいそう……。


よし、ちょっと体を動かそう。


めんどく星人にしては超絶珍しいやる気スイッチが入ったため、帰宅後に自宅から往復5キロ程度離れた公園まで、夜桜見物を兼ねて夜散歩に出かけることにした。

当初はスマホと財布と家の鍵だけ持って身軽に出かけるつもりだったのだけれど、「もしかすると染井吉野が見頃になってるかも……」等と欲を出してしまったため、カメラとレンズ二本を詰めたリュックサックを背負って歩く羽目になった。おかげで公園にたどり着く頃には汗まみれで落武者のような有り様になっていた。背中のこなきじじい団体さまも何とかしたいけれど、その前にまずこの煩悩まみれの思考回路にメスを入れるべきなのかもしれない。いやいやそれ以前に、背中の重苦しさを解消するための外出なのに、出発前から背中の負担を増やしていることに 全 く 気づいていないお馬鹿っぷりを早くなんとかしないと……お客さまの中にお医者さまはいらっしゃいませんかァーッ!


で、落武者化の要因を担った肝心の染井吉野はと言うと



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あらやだ!見頃どころか満開じゃないの!


染井吉野と邂逅を果たすまで「なんだってこんなクソ重い荷物を……そもそもこんなに歩くのが久しぶりなのになんだってこんな……」と大後悔の嵐だった思考が、可及的速やかに「でかしたぞォオオオオ自分!」という自己肯定の旋風に塗り替えられた。学習できないお馬鹿さんというのはこのように形成されるという模範例です。

ああでも、カメラ持ってきて本当によかった。


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さすがに三脚まで担いでくるのは自重する自制心が働いたので、手持ち撮影。もちろん懐中電灯もないので、街灯の明かりを頼りにしてシャッターを切る。うん……でもへっぽこにしてはなかなか悪くないんじゃないかしら。


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予想以上に美事な夜桜にすっかり元気づけられ、足取り軽く家に帰ってきた。たっぷり汗をかいて血の巡りも良くなったせいか、背中のこなきじじいみもずいぶん和らいだ気がする。

あとはお風呂に入って汗を流してから、ストレッチの真似事でもしてみよう。そうすればきっと明日の朝には団体さまもお帰りになってくれるはず。晴れ晴れとした気分だ。とてもいい気分なので、明日以降やって来るであろう、下半身の筋肉痛については今は考えないことにします。

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