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フィッシュアンドチップス

昨日『鬼滅の刃』を見たからなのか、一晩中バチクソに怖い夢でうなされて目が覚めた週明けです。ディズニーランドと花やしきをほどよく混合したような施設に閉じ込められて、ひたすらキモい蜘蛛に追い回されました。私の脳は寝ている時に小学生くらいになっているの???どうせならがんばるキッズたちにごはん作ったりお風呂沸かしたりする夢が見たかったよ。


私のしょっぱい夢見はさておき。昨夜は念願のフィッシュアンドチップスを作りました!



noteで日々お伺いしている凄腕料理人さんたちの揚げ物テロを見て以来、ずっと作ってみたかったのだ。フライポにおける真理の扉を開いてからは、より一層に。来る日も来る日も揚げ芋と揚げ魚のことばかり考えて過ごしていた。


魚介のフリッターまでついて……なんてゴウジャスなのだ。王族の揚げ物かな?


エッグアンドチップスってのも魅力的すぎる!たまごは半熟にしたいわね、次回やろ。


なかなか踏み出せなかったのは、凄腕衆が扱っておられる、なんていうの?つるーんぺそーんとしたタラの切り身?これがなかなか見つからなくてですね。わがまちのスーパーをしらみつぶしに巡ったものの、どのタラにも皮がついていやがる。皮なしのタラはいねぇが~!!と半月ばかり粘ってみたものの、結局邂逅は果たせず……。

そしたら昨日、大帝国ロピアでこんなのに遭遇したのだ。


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キハダマグロのあら。あらじゃないやつが100g250円だったのに対し、このパックだけ150円だった。

色が白っぽいからもうこれで良かろう形もなんかそれっぽいし何より安いし、と購入。いそいそと連れ帰り、すぐに貴族のラップでピチットして夜に備えた。


フィッシュアンドチップスは、かつて嫁に行っていた頃に出かけたヨーロッパ旅行で、本場イギリスのものをいただいたことがあります。なにかとしくじりの多い自分史の中でも、あの結婚生活は最大級の暗黒歴史、バチクソに胸くそ悪い記憶として我が胸に刻まれておるのだけれど(できれば忘れたい、が、きっと一生忘れない。己への戒めとして墓場まで持ってゆく覚悟)、かの国で食べた揚げ芋と揚げ魚のおいしさは、輝かしいおもひでとしてよく覚えています。カリカリのホクホクでふわっとほどけて……本当においしかったなあ。そういえばイギリスは世界屈指のメシマズ大国というイメージが強かったけれど、現地で食べたお料理はどれもおいしかったな。イタリアやスペインとはまた違う、シンプルな滋味に富んだ味わいだった。うへーと思ったのは、老舗の名店という評判のレストランで食べたマッシュポテトくらいかな。芋茹でて潰すだけなのに、なんであんなひどい味にできるんだ。大英帝国の凄みを感じたぜ。


その後日本のアイリッシュ・パブでも何度か食べているけれど、材料も工程もシンプルの極みなのに本当においしい。お酢と塩って味付けがまた、いい。あの組み合わせを思いついたイギリスの先人は間違いなく天才。

あの味を私のつたない腕で、再現できるか否か。

いざ尋常に、勝負ッ!(ドドン


というわけで前置きが長くなりましたが、昨夜のおつまみ、フィッシュアンドチップス。note内のいたいけで可憐なる芋娘たちをたぶらかしている男爵野郎は、よく洗ってから水のついたままラップにくるみ、レンジでチンしてそのまま冷ます。冷めたら皮をつるりと剥いて、半分にカットしたものをさらに3等分に……要するに、お月さまっぽい形にカットしておく。

ピチットしたキハダマグロには、マジックソルトを軽く振ってなじませておく。

食材の準備ができたら、揚げ衣の準備。これバッター液って呼ぶんですか?バター入ってないのになんでバッター液wwwとか草生やしてたんですけど、名称なのですか?

凄腕勢はBPを華麗に使いこなしておられたけれど、私がそんなものを買おうものなら間違いなく食品ロス増量一直線であるため、市販の天ぷら粉を衣に使う。指定通りの分量で粉を水にて……ではなく、ビールにて溶いておく。塩もちょっと混ぜて味付け。あとは2口コンロをフル稼働して、男爵はそのまま、キハダマグロは衣にくぐらせてから、それぞれ油にぶちこんでじゃんじゃか揚げてゆく。揚げたての黄金色たちをワンプレートに盛り付けたら、できあがり!


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おおーなかなかいいじゃないのお。


セカイチフライポで、揚げ芋とキャベツの組み合わせに完全覚醒したので(池波正太郎御大リスペクト)、今回もキャベツの千切りを添えました。ケチャップとタルタルソースもスタンバイ!(タルタルまで作る気力はなかったので、市販品です)


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ビール呑めないので、シャムパン……ではなくスパークリングワインをお供に。

こういうメニューの時、ビール呑めるようになりたいなぁってつくづく思う。ものすごく重たくて渋い赤ワインは平気なくせに(むしろ大好き)、ビールの苦味が未だに駄目なんだよなあ。炭酸は大好きだから、きっと世界のどこかに私が好きなビールが待っていてくれると思うのだけれど。初心者向けのおいしいビールご存知の方、ぜひご教示ください。


さてさて、念願のおうちフィッシュアンドチップス。まずはビネガーと塩を振ってシンプルにいただいてみると……おお~!魚の衣サックサク!んで、身がふわ~っとほどけて、これはめちゃくちゃおいしいです!下味にはほんの少量のマジックソルトしか使わなかったけれど、サクサクと軽やかな衣の中で、キハダマグロの旨みがぎゅぎゅーっと濃縮されていて、すごくいい味!基本淡白なのだけれど、物足りなさは全然感じない。かすかなハーブの香りとビネガーのツンとした酸味が、その旨みとコクをぐっと後押しする。いやこれレモンも合うな……?と思いつき、冷蔵庫のレモン汁を振りかけてみたら、これまたおいしい!さわやか!例えるなら、レモンは高原で白いノースリーブワンピース(スカートはミモレ丈のフレア)に麦わら帽子かぶってるお嬢さんで、ビネガーは仕立ての良いタイトな白スーツ(スカートは膝上10cm)に私という闘うボディをねじこんだ妙齢美女、って感じかなあ。えっ何言ってるか分からない?考えるな感じるんだよ。

今回は皮ナシの方がそれっぽいかな、と思い、最強フライポver.にした男爵、やはりうまい……さすが……いたいけで可憐なる乙女たちの死屍累々を築き上げてきただけある……今回も安定のカリホクねっとり具合!!セカイチといい最強といい、本当になんでこんなおいしいのだ。塩ちょっと振っただけのやつをこの世の終わりまで食っていられる自信があるわ。でもビネガーも合います!男爵のほっこりとした甘やかさを、鼻に抜けるツンとした刺激がきゅっと引き締めてくれて、塩やバターとはまた違う魅力!衣装によってこんなにも違う表情で魅せてくるか……つくづく悪い男だな。だがそこがいい。


……とここまで来て、気づいたら魚と芋の半分が消失していた。油とお酢と塩の組み合わせやばすぎやしない?最終兵器かな?こりゃいかんと思って、今度はケチャップとタルタルソースで味変。


いやもう間違いないわ。

こんなのおいしいに決まってるわ。

これこそ最終兵器だわ。


ケチャップの甘酸っぱさ、タルタルのこってり濃厚ぶり、それをサクサクホロリだとかカリホクねっとりに纏わせたらどうなるか……もういちいち申し上げるまでもないですよね。私たちの間に、もう言葉なんて必要ない。ただ視線を交わすだけで、肌を(歯を)触れ合わせるだけで、満ち足りた官能の境地へと問答無用で運ばれてゆく。至高……至福……ありがとう大英帝国……(拝み)

ビネガーと塩のシンプルな味わいもよし。ケチャップとタルタルのジャンクな味わいもよし。要するにこれは、両方用意して貪欲に貪るのが正解、ってわけだな!またひとつ新たな学びを得た秋の夜だった。ごちそうさまでした。


胃もたれがすさまじいので、今夜はお粥にしようと思います。



【おまけ】

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お彼岸の入りなので、両親のお墓参り用の花を求め、わがまちの直売所に行ったら遭遇したおばけカボチャ。そうか、もうジャックオーランタン氏🎃の季節なんだなぁとしみじみした。ハロウィン的な行事は一切スルーしているけれど、ラッピングとかディスプレイとかはすごく好きだ。いつかカボチャ料理の達人になったら、ぜひともジャックオーランタン🎃を作ってかぶってみたいです。私のでかい頭もきっと収まる頼もしさを感じる。

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