見出し画像

ソロキャンプ 2021.11.5-6②星空と紅葉編

5回目のソロキャンプ記録の続きです。


ひたすら燃やす&呑む&にやにやする、の永久運動をしているうちに、気づけば21時。頭上の星空がいい塩梅になってきたので、この日のメインイベント、星空撮影練習を始めることにした。

カメラを三脚にセットし、ザックがパンパカパンになるまで詰め込んできた防寒着一式に着替える。防寒着は昨冬色々と試行錯誤した結果、ユニクロの極暖上下+Tシャツ+フリースを重ねた上に、みんな大好きワークマンで購入した上下を組み合わせるスタイルに落ち着いた。


ワークマンのイージスにマイクロウォームパンツという組み合わせは、ソロキャンパーの大先輩である弟(市外に住んでる方)に教えてもらった。これめちゃくちゃあったかい上にこのお値段で、コスパ良すぎ。寒冷地仕様のカイロ(貼るマグマとか)を組み合わせれば、かなり快適に過ごせます。

ただ、これを上下装備するとそうでなくとも太ましい私のボディは(お察しください)状態になる。お手洗いに行ってうっかり鏡なんぞ見ちまった日には、心から震える。だが背に腹は代えられない、今必要なのは痩せ見えではなく無敵感だろうと必死に言い聞かせ、ついでに鏡からも目を背けるようにしている。


ちなみに足元は、厚手の靴下+足用カイロ+スノーブーツ。


足元の冷えにはスノーブーツが良いと聞き、調べてみたら種類が多すぎて訳が分からなくなったので、最終的に見た目で選んだのがこちら。とても優秀です。めちゃくちゃあったかい。見た目で選ぶとたいてい間違わないな。お習字で書いて家訓にしようかな。


着替えながら枕元の時計を確認すると、1.8℃という表示が出ていた。おいマジか。今からこんなんじゃ夜中とか明日の明け方は氷点下になってしまうのでは……。あれなの?阿智村が「今夜はお前を寝かせないぜ……?」って壁ドンしてるの?あらやだ!どうしよう。勝負下着に着替えるべきなのか。


具体的数値で突きつけられた今夜の寒さに、若干不安をおぼえつつテントから外に戻る。しかしながら、カメラを上空に向けてからはそんな不安は綺麗さっぱりどっかにすっ飛んでしまった。


画像1

圧巻の星空。さすが『日本一』と評されるだけあって、実にお美事!


画像2

そこらじゅう星まみれで、どこから撮ったもんかおろおろする。


画像3


画像4

星空撮影用に購入したものの、その後のソロキャンプでことごとくお天気に恵まれず、1年間防湿庫で眠っていたレンズ(ソフトフィルター付)にもようやく初陣を飾らせることができた。


この夜はちょうど新月で(というか新月狙いで来てるんだけど)、空には星明りのみ。雲もまったく出ておらず、おまけに無風。星を撮るには最高のコンディションに恵まれたな、と思っていた。

ところが……


撮影を開始してから数十分が経過する頃、カメラの様子がどうもおかしいことに気づいた。霧も出ていないというのに、ファインダーから見える景色も撮れた写真も、なんだか妙にモンヤリして見えるのだ。


画像5

まあ、なんてファンタスティック……って違う違う、そうじゃ、そうじゃない。

なんと外気の冷え込みが強すぎて、レンズが曇ってきてしまったんである。とっさにレンズ用のクロスで拭いてみるものの、すぐにまた曇ってしまう(当たり前だよ)。おいマジか。ここよりももっと寒いロケーションで撮影をした時ですら、こんなことは起きなかったのに!あれより寒いことは絶対ないからって油断してた!えええーどうしようどうしよう。こんな時、どんな顔すればいいか分からない……と精神に恐慌をきたしかけたのだけれど、ハッと思いついて、ふところに忍ばせていたハクキンカイロをレンズの上に載せてみた。すると、まあ、なんということでしょう。レンズがみるみるうちに曇りなき眼(まなこ)を取り戻してゆくではないの!


画像6

ああよかった……これで撮影を続けられる。持っててよかったハクキンカイロ!


今回のソロキャンプから帰宅したら、ハクキンカイロをすみずみまで拭き清め、感謝の祈祷とお神酒を捧げることを固く決意した。

それにしても、私が体験したいちばん寒いロケーション(2019年冬・北横岳山頂・言わずもがなの氷点下)よりも全然気温は高いのに……レンズモンヤリ現象は、気温だけではなく湿度や寒暖差も大いに関係がありそうだ。次回までにきちんと勉強しておこう。


ハクキンカイロをレンズに譲り渡してしまった後も、寒さはほとんど気にならないまま、ひたすら星空撮影練習に励んだ。アドレナリンだかドーパミンだか、ともかく脳内麻薬的なものがバンバン出ているのを感じる。何しろ今年に入ってからのソロキャンプで、2月の静岡も4月の山梨も星空を拝めなかったのだ。そりゃあもうねえ、ハッスルハッスルですよ。作戦コマンドは『ガンガンいこうぜ』一択ってもんよ。


画像7

星空と自分のテントを一緒に撮ったり(このアングルで50枚くらい試行錯誤していた模様)


画像8


画像9

ライヴコンポジットで1時間くらいかけて、念願の星シャー真を撮影したり。(この↑写真、飛行機の軌跡が入ってしまったのが残念)


初めて星を撮ったのは2年前だけれど、この2年間で星撮り練習をした回数はまだ、片手で数えるほどしかない。しかも教本的なもので事前予習をする勤勉さもないため、知識も技術もほとんど無い状態で現場にやってきては、ああでもないこうでもないとカメラをいじくっている。でも、この時間がすごく楽しいのだ。それに、へっぽこなりに試行錯誤をして見出した技術は、その後しっかりと身についてくれる。ような、気がする。そうであってほしい。そうであってくれ。


ところで、キャンプ場に来て夜更けまで写真を撮っているぼっち女というのは、それなりに人の関心を誘うものらしい。過去2回経験したソロキャンプ星撮り練の時もそうだったのだけれど、この日も自サイトでカメラに張り付いている間、お手洗いを使いに来た何人かのキャンパーさんにお声がけいただいた。みなさん私の(カメラががんばって)撮った写真を見て褒めてくださったり、スマホで撮った写真を見せてくださったり。そして必ず「いやー星座とか全然分からなくて。お詳しいんですか?」「いや、オリオン座しか分かんないですねーデュフフwww」「あっ、俺(私)もですよーw」っていう会話をテンプレのように交わしている。なんてことないささやかなやり取りなのだけれど、こういうひとときはちょっとうれしい。

この日お隣にはソロキャンパーの男性がいたのだけれど、その方とも少しお話をさせてもらった。岐阜からお越しになっているそうで、岐阜でもなかなかすてきな星空が楽しめるらしい。いいなー岐阜。行きたいなあ。憧れの君のりまきさんが観光大使をおつとめでもあるし。


画像12

星シャー真撮影中は1時間ほど手が空くので、再び焚き火にいそしむ。風が強いと飛んでくる火の粉を避けるのに忙しいけれど、この日は本当に静かな夜だったので、まったりと焚き火タイムを楽しむことができた。

星を撮りながら焚き火で暖を取り、赤ワインをちびちび舐めながら肉眼でも星を愛でる。至福のひとときだ。これがやりたくてソロキャンプを始めたので、今や脳内麻薬は間欠泉状態で噴き出しているのを感じる。


画像31

流れ星も気前良すぎるくらいバンバン流れてくるし……本当に、いい夜だ。


画像13

脳内麻薬がガンギマっているのでちっとも眠くならないのだけれど、はっと気づくと2時半を回っていた。寝るのが勿体ないが、そろそろ寝なければ……。

焚き火の火もいい感じに落ちてきた。終わり際のこの光景も大好きだ。


画像11

最後にくっきりしたオリオン座が撮れたことに満足し、焚き火の燃え残りを火消しツボに片づけてからテントに戻った。湯たんぽがわりのハクキンカイロを抱きしめて3時頃就寝。爆睡。


翌朝、6時過ぎに起床。3時間程度しか眠らなかったけれど、まだ昨夜の脳内麻薬がガンギマリしているのか、大変に爽快な気分だ。


画像14

氷点下行くかと思いきや、気温は3℃台で意外と暖かかった。そうだよな、まだ11月だしな。

枕元でメンチ切ってる熊みたいな犬みたいなポーチは、大好きなthe pillowsのマスコット・キャラクターである「バスター君」。この中に目薬とかハンドクリームとか保湿ローションとかリップクリームとか、あらゆる乾燥対策グッズをまとめている。秋冬の夜を屋外で過ごすとそら恐ろしいほど乾燥するってのは、ソロキャンプを始めて学んだことのひとつ。対策を怠ると唇とか鼻の穴とか耳たぶとか容赦なく裂ける。美容面ではなく帰宅後の生活に支障をきたさないために、保湿はこまめに心がけています。鼻セレブ的ティッシュも持参。


着替えを済ませてから、昨日手が回らなかったキャンプ場内の散策に出かけた。


画像15


画像32


画像16

星空撮影からの紅葉狩り。なんと贅沢な朝であろうか。


画像17

川床……だと……?!


画像18


画像19


画像21

一本の木から出てる葉っぱがコレだもんなあ。すごいな自然界。


画像22

もう少し早起きすれば、滝シャー真も狙えたかな。


画像23

そうこうしているうちに、日がだいぶ高くなってきた。


画像25


画像33


画像24

ほんの5分かそこらで表情が全く変わる。これだから早起きは楽しい。


画像26


画像28

なんともたまらない、この色香。秋は花も葉っぱも本当に色っぽいな。


画像27

ひこうき雲を久しぶりにじっくり見上げた気がする。


画像29

朝のマイテント。どうも写真に撮るとスモーキーピンクみたいな色合いになってしまうのだけれど、実際は茶色。こうして外から眺めてみると、周囲の景色によく馴染んでくれていて、我ながらいい買い物だったなあとにんまりしてしまう。中で立って着替えもできるのもうれしい。


2時間ほど辺りを散策したらお腹も空くかなあと思ったのだけれど、さっぱり食欲が沸いてこないので(普段も朝ごはんは食べない民)、朝食は抜きにしてそのまま撤収作業に入った。お腹が空いたら、メスティンでごはん炊いてTKGで朝ごはんにするつもりだったのだけれど……まあいいや。次回のお楽しみにしよう。

テントにはびっしりと霜が張り付いており、外に出したままだった焚き火台等もまんべんなく夜露(朝露?)まみれになっていた。みんな潤ってるねー、なんで私だけこんなカッサカサなのかな?

拭けるものは拭き掃除をするけれど、テントは乾くのを待っていると帰宅が遅くなってしまうので、90Lゴミ袋にぶちこんで持ち帰る。帰ってから庭で天日干しするのがちょっとめんどうくさいけれど、まあ仕方あるまい。


10時ちょっと前に撤収作業を完了し、お隣さんにご挨拶をしてからチェックアウト。


画像30

キャンプ場を出る前に、うつくしい山並みをカメラに収めさせてもらった。


画像31

帰り道に諏訪湖SAで諏訪湖にご挨拶をする。


画像32

さすがにちょっとお腹が空いたので、山菜蕎麦で朝昼ごはんにした。信州のお蕎麦は本当においしい。もちろん「之を手にするまで信州を離れるべからず」の誓いに則り、野沢菜漬けもしっかり購入してから帰路についた。来た時同様、帰りもほとんど渋滞することなく、15時前に帰宅。ねこたち、よゐこでお留守番をしていてくれました。



ということで、5回目のソロキャンプは大・大・大満足で過ごすことができました!相も変わらず長ったらしい駄文と稚拙な写真を大量に晒してしまいましたが、お付き合いくだすった方、ありがとうございました!

年内にもう1度、どこかでソロキャンプできたらいいなと思っています。


なおキャンプの翌日からやってくる謎の筋肉痛(主に股関節)には、今回も順調に見舞われています。スクワット頑張るだけじゃダメなの……?

いただいたサポートは、外で暮らすねこさんたちの生活が少しでもよきものとなるよう、関係団体に送らせていただきます。