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<スペシャル対談>10年以上前の出会いが習慣化事業のきっかけに!そして共同プロジェクトへ

WizWeは、2022年1月にサントリーホールディングス株式会社様に資本参加いただきました。現在、共同プロジェクトが進行中です。実は、サントリー様との出会いは10年以上前。森谷は、今のWizWeのサービスができたのは、その出会いのおかげだと言います。
 
今回、サントリーホールディングス株式会社 未来事業開発部の儘田直芳氏と大窪信一氏をお迎えし、森谷との出会いや共同プロジェクトについてなどをお話しいただきました。

(左から)森谷幸平、儘田直芳氏、大窪信一氏

・サントリーホールディングス株式会社 未来事業開発部 課長 儘田直芳氏
・サントリーホールディングス株式会社 未来事業開発部 大窪信一氏
・株式会社WizWe 代表取締役CEO 森谷幸平


WizWe英語事業参入と習慣化事業のきっかけとなった出会い

儘田氏(以下、儘田):森谷さんと出会った当時は、サントリーホールディングス人事本部のキャリア開発でグローバル人材開発の仕事をしていました。海外派遣を積極的に始めて中国に派遣することが決まり、事前に中国語学習とその異文化研修が必要だという話になって森谷さんにたどり着きました。

森谷:当時、WEIC(WizWeの前身)で中国ガバメントリレーション研修を大手企業に営業をかけていたので、サントリー様にも資料をお渡ししていました。儘田さんが中国派遣のご担当ということでお話をしたのが1番最初ですね。2011年です。

その後、サントリー様にはグローバル化宣言「英語やってみなはれ!」という取り組みで、『複数のコンテンツプロバイダ様の取りまとめや各種調整をして、英語学習のノウハウを提供するオーガナイズをする』という取りまとめ役のパートナーとして、当時は中国語事業がメインだったWEICを選んでいただきました。
 
英語の学習法セミナーを全国で数多く実施して、社員に学習方法を学んでいただき、自主学習を促すというコンセプトでしたね。その時、学習法セミナーの最後にマイプランを策定するのがいいのではと儘田さんがおっしゃって、このテキストや教材などを活用して、1日30分勉強しますというように自分でプランを立てた上で、そのプランに沿って継続学習するというもの。それが今のSmart Habitの思想に生きています。

今のコミュニティの原型みたいなものありましたね。 取組を行った人がポストしてって報告するというような。この時は、履歴を追うところまではやっていませんが、そういうものを作って実施していました。サントリー様がいなかったらSmart Habitは生まれていないのは確かですね。

儘田:2011年、2012年に集中的にやりました。その後、2013年に サントリーウエルネスに異動になって、そこではあまり接点はありませんでした。その後、サントリーホールディングスに異動になり、中国での健康食品事業の立ち上げに関わって、上海に赴任になります。これは大変だと、また森谷さんに連絡しました。ついに中国語を自分でやると。それが2018年~19年ですね。
 
森谷:その頃にSmart Habitの開発がスタートしました。もうWizWeになっていましたね。
 
儘田:2020年に帰国して、中国に行く時にお世話になったので帰ってきましたという連絡をしました。今、こんなことをやっていますという話を聞きましたが、その時はすぐどうという話ではなかったですね。
 
ただ、年に何回かしか会わなくても、何かあった時に相談しようかと思える関係性はありました。森谷さんは、自分がその分野の専門家ではなくても、専門家を知っていて紹介してくれる。自分の領域じゃないところもカバーしているという広さがあるのがいいところですね。

ヘルスケア新規事業で共同プロジェクト

儘田:日本に帰任後、サントリーホールディングスのグローバルヘルスケア開発部にて、ヘルスケアの新規事業開発でウエルビーイング向上プロジェクトについて色々と考えている時に、やっぱりソリューションって大事だよねという話になりました。
 
大窪氏(以下、大窪):睡眠状態を計測してその後どうするのか。それをソリューションとして落とし込むには習慣化が非常に重要ですが、その習慣化が難しい。WizWeさんの英語の時の経験・ソリューションが、睡眠でも食事でも運動でもいけるのではないかという話になり、森谷さんに声を掛けました。それでお会いしたのが2021年の5月ですね。
 
儘田:中国から日本に帰任した時に、WizWe社の現在の仕事内容は聞いてインプットとされていました。新規事業開発をやっていく中で、やっぱり習慣化や行動が大事だよねとなった時に、そういえば森谷さんに聞いてみよう、みたいな感じだったかもしれません。

森谷:Smart Habitを何のために作ったかというと、英語教育のためだけに作ったわけではありません。「三日坊主」が関わる、あらゆる社会課題を習慣で解決する構想がそもそもの出発点です。国際機関や政府もリサーチのレポートを出していますが、今後の社会で、ウエルビーイング、ヘルスケア領域が非常に重要だということもあって、次は健康でしょというのは、ずっとありました。WizWeの習慣化事業の源流を考えた際に、サントリー様の影響があって、今につながってきているので、機会があればサントリー様に提案したいとずっと思っていました。
 
大窪:森谷さんとお話しを開始した2021年春~夏の同じタイミングで、私たちはグローバルヘルスケア開発部から、未来事業開発部へと組織を改変しました。スタートアップ企業との連携・事業創出を更に推進する組織となり、出資機能も整えました。2022年1月には、共同プロジェクトを強力に推進するため、WizWeさんに出資させていただきました。
 
森谷:習慣化でいうと、食品や飲み物プラス習慣化を何かいい形でサービスとして提案ができたらうれしいですね。機能性のものは体質改善に非常にいいので、日常生活にプラスワンすると、いろんな改善ができるのではないかと思います。月額制のドリンクにプラス食事改善、それを無理なく、楽しく続けられるようにプラス習慣化があったらいいなと思います。
 
儘田:他にもいろいろトライアルをして、検証しています。血糖値についても、課題はあるので検証の準備をしているところです。

「ロイヤル顧客理解プロジェクト」はコミュニティ作りが軸 

儘田:このプロジェクトについてはこれまでとはちょっと軸が違っています。酒類ブランドのファン作りに向けて、習慣化ではなくてコミュニティ作りというところから相談しました。元々、チーム制やサポート介入などを含めてコミュニティ作りしながら習慣化をしていくという仕組みが、お客さんのロイヤル化に対して有効な手段かもしれないという仮説から始まりました。
 
森谷:時系列にコミュニケーションを取っていくのが 、解像度が上がっている秘訣だと思っています。担当サポーターからグループに話かけたり、コミュニケーションができたりすることと、サポーターとその人だけの単線コミュニケーションもあるというところが結構重要です。単線コミュニケーションで壁打ちした後、コミュニティポストするなど、いろいろな使い方をされていました。 誰かが伴走しているというのは面白いのだろうなと思っています。

定性調査との違いは、二か月間、時系列でコミュニケーションしながらだんだん関係が作られていくところですね。物語が紡がれていくようなところが、 ちょっとしたテレビドラマっぽい感じがしますね。
 
大窪:定性調査はスポットなので、その時のスナップ写真になりがちですよね。動画ではなく。

森谷:そうですね。あとは、担当サポーターがいることでコミュニケーションを一定に保てる、荒れないところがいいですね。担当サポーターは人当たりのいい人が担当しますので、いい空間なんじゃないですかね。殺伐とはしないですね。

儘田:多分、どこかで自分のやっていることを伝えたいという欲求があるのでしょうね。

大窪:一般的に、ブランドとして確立されているもののお客様は言葉が多いです。ブランドとの関わりが長いので、会話が深いですね。思い入れがすごくあるので、そういう思いを引き出せる場があるのが、いいなと思います。

儘田:データの分析の仕方は色々あると思いますが、今回の場合、その人を全部まとめて見ることができる、日々の行動やコメントなどを1つの中で可視化できるというのは結構面白いですよね。

森谷:そうですね。定性コメントを時系列で分析して、それと行動変容データ掛け合わせてペルソナの属性も組み合わせるといような感じで、かなり立体的な分析ができていますね。
 
儘田:新規事業では、深くお客さんが見えるというところである一定のチャンスがあるのではないかと思います。もちろん、自分でインタビューして全部理解することもやればできるのですが、それも限界がありますので。なかなかそれをまとめるのは難しいですね。

いずれはXRを活用した世界でウエルビーイングを 

大窪:わたしたちは、フードテック、ヘルス&ウエルネス、AI・データ・XR、サステナビリティの4つをメイン領域としています。今回WizWeさんと組ませていただいたのはヘルス&ウエルネスの領域です。
 
最近、XRの会社に出資をしました。現実の環境とバーチャル空間を組み合わせることで、新たな飲食体験をお客様に提供できないかと考えています。
 
更にその先の世界として、例えば歩き回れなくなったおじいちゃん、おばあちゃんが、XRの世界で若かりし頃の場所を、孫に案内する。そうすることによって、脳の活性化につながったり、日々の楽しみが広がるのではないか…と。技術的にはメタバースだけど、切り口的にはウエルビーイング。そういったことを、森谷さんとお話ししています。
 
儘田:カテゴリーの垣根がなくなっていきますね。

森谷:常に考えているのはコミュニケーションの歴史です。会話を発明して、文字を発明して、ブロードキャスティング発明して、インターネットになったじゃないですか。年を取ってくるとコミュニティがだんだん狭くなってくるのですが、XRが活用できると100年たっても、過去の自分のような空間で新しい友達ができて、そこで話しているだけで脳が活性化し健康になるかもしれない。運動をしてみようという気持ちになるかもしれない。何かを続けよう、やってみようと思う気持ちは、コミュニケーションの中で発生しますから。

WizWeのサービスも、いずれXR上でやらないといけないですよね。うちのビジョンで「100億人をありたい姿へ」と言っているので。身体管理となった場合、バーチャル世界があるというのは、肉体から自由になりますのですごく重要と考えますよね。

わたしたちが理想としているのは水の哲学で、習慣定着につながる技術やサポートを持って、日常生活の中に水みたいに当たり前で身近な存在として、液体のような柔軟性で溶け込んでいきたいと思っています。

人は9割が水でできていますし、わたしたちは目立たなくていいので、何かそれによって血流が通うというか……今、けっこう社会の中でのいろんな文脈で「断絶」が課題になっていますが、「社会と社会の間の溝」、「人と人の間の溝」に、習慣を軸としたコミュニケーションで水のように溶けていきたい、そういう状態を目指しています。

二つの異なるものが、潤滑油があることで接続することは物理的にも社会的にもよくあるので、触媒というか、潤滑油というか、そういったイメージをしています。