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FXにおけるファンダメンタルは「不安だメンタル?」

ファンダメンタルって経済とか政治のことでしょ?

ニュースなんてみないし、FXってテクニカルだけでいいって聞くけど?

インフレ…えー…なんかそういう難しいのは…ね?

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なったと思ったら、明日の私に幕の内弁当をご馳走してくだ
さいd( ̄  ̄)
少し長い記事になりますので、コーヒー片手にゆっくりと
ご覧ください。

こんにちは。専業トレーダーのdaiceです。

FXをしているとファンダメンタルという言葉を目にすることもあると思います。聞いたことはあるけどよくわからないとか、なんとなく知ってるけどFXに関係ある?とかでなかなか詳しく覚えることがない人が大半ではないでしょうか?

そんな方のためにFXに関係あるであろうファンダメンタルを、このぐらいわかってればOKよd( ̄  ̄)的に簡単に説明していこうと思います。

「価格は全ての事象を織り込む」なんて言葉もありますが、織り込んだであろう事象を知ることで日々のトレードを結構有利に進めることもできますよ♪( ´θ`)

※私daice個人の考え方を主観に話を進めていきます。書籍、web上での説明、解説と相違する点もあると思いますがご了承下さい。

そもそもファンダメンタルって?


そもそもファンダメンタルってなんぞや?って方も多いと思いますが、言葉自体の意味としては「物事の基礎的な部分」と訳すことになります。まぁ基本的なことって意味です( ̄▽ ̄;)

こと金融に関してはファンダメンタルというとその意味合いは広く、その情報を利用しようとする人の立場によって、少しずつ意味合いが変わります(このへんがちょっとややこしい…) 。平たく言えば基本的な流れの方向を見るための目安にするものって感じですかねー。

経済の話でファンダメンタルといえば「国や企業の財政収支、雇用や生産の数値の上下動」などを指すことが多いです。今経済は上向いているのか、停滞しているのかを見るためのものですね。(ナンダカムツカシイ)

例えば「雇用者数の数字が少しずつ良くなってきてる。長かった低迷期を超え、今後経済は回復方向へ動く可能性が出てきた」のようなザックリとした世の中の流れの方向を見るときなどに使われます。

また株式投資でファンダメンタルと言えば、「その企業の株式の売買動向や今後の企業としての投資計画の内容」など、今後この企業は成長するのかどうかその行く末を見ることを指したり、市場に対する株価の価格適性などを見ていくことを指すわけです。(その会社の健康診断的な?)

例えば「A社は新たな事業で業界を牽引する可能性のあるプロジェクトを打ち出しており実績も十分。ただ株価は業界水準よりもだいぶ低い。今後の成長を見越しても現在の株価は正当な評価とは言えないのではないか」などの株価チャートの形以外の企業情報から推測される上昇や下落の大まかな方向を見るために使われます。

と言っても「経済も株もよくわからん。じゃあFXでいうとこのファンダメンタルはなんなのさ?」って言われそうなので早速いきましょう。

FXにおけるファンダメンタル

では、FXにおけるファンダメンタルとは何を指すのかというところですが、これは各国の金融政策のことを指すと考えています。
金融政策というのは、ザックリいうと「その国の中央銀行(日本で言うと日本銀行)がモノの値段を安定させるために、通貨の価値などを色々操作すること」です。モノが高くなり過ぎていたら、自国通貨(日本だと円ですね)の価値を上げてモノの値段が上がりすぎるのを防いだり、安くなり過ぎていたらその逆をしたりすることですね。

FXは2カ国間の通貨レートのやり取りなので、各国の金融政策の状況によってその国の通貨の価値が他の国に比べて高かったり安かったりすることで、国同士の通貨の強弱が決まります。
つまり、アメリカが政策金利を上げたとか、日本の政策金利が下がったなどが起こったときに、これによってドルと円の価値が変動しドル円は上がったり下がったりするわけですね。

経済指標なども大事ですが、これに関しては指標の結果がいいか悪いかを予想をするだけ無駄なので、発表後の結果を見てから考えればいいと思います。これに関してはまたどこかで詳しく解説しますね。

つまりFXしかしない場合のファンダメンタル分析で気を付けておくことは各国の金融政策、引いては政策金利が引き上げられたのか、引き下げられたのか、据え置きだったのかに注目していればいいということになります。(誤解を恐れず言い切りますw)
その発表内容を加味した上で、その国の景気が今どうなのか?どうしたいのか?どうなったのか?の判断を大まかにしていくということですね。

※何年も前からゼロ金利ゼロ金利と言われているものも金融政策の一つです。企業がお金を借りた際の金利(利息)をゼロにし、お金を借りやすくして雇用と生産を高めようとしている国の政策ですね。ただし、この政策金利というのは私たち個人が銀行からお金を借りたりするときの金利ではなく、民間銀行が事業や投資、一般企業に貸付をするための資金調達をする際に日本銀行から借り入れるときにかかる金利のことで、私たちが銀行からお金を借りても利息がかからないということではないので、間違えないようにしてください

景気という言葉

では次に「景気」という言葉について考えてみましょう。景気が良い、景気が悪いというのは何をもって良い悪いと判断しているのでしょうか?最近なんとなくいい感じになった?みたいな肌感覚で判断しているわけではありません。

景気の良し悪しは経済活動の活発さ、物価が上がった下がった、金利が上がった下がった、モノとカネの売買の流動性、企業間取引の活性化などを総合的に判断して行います。

景気が良くなってくると物価は上昇し、金利も上昇します。これは景気が良くなるとまず企業が儲かり給料に反映されていきます。そしてみんながお金を使い出し、モノが売れるのでモノの価値が上がり物価が上昇します。
また企業などの財政に余裕ができることで設備投資や雇用にも積極的になり、カネがよく回るので多少金利が高くても借りたい企業が多く集まるので金利も上がっていきます。野菜不足の時に野菜の値段が上がるのに似てますね。

ただ、なにもせずに放っておいても世の中の景気は良くなっていくことはありません。だからといって、物価が上がれば景気が良くなるはずだと意図的に物価を上昇させても景気は良くならないのです。そこに流動性が生まれてこそモノの価値が上がり景気が良くなっていくのです。

物価の上昇の中身

では、物価の上昇というのはモノの価値が上がることだけでしょうか?流動性が生まれてこそ景気が良くなっていくのですが、単純にモノの価値が上昇してしまっては逆に流動性が下がる気がしませんか?

勘のいい方は気づいたかもしれませんが、モノはそれを手に入れるための対価を支払わなければいけません。対価とはお金ですね。モノを手に入れるにはカネが必要ということです。

では100円で買えていたモノが、物価があがり110円になった時、いったい何が起きているでしょうか?

ひとつは「モノの価値や希少性が上がって100円では買えなくなったので、110円支払わなければいけなくなった」

もうひとつは「カネの価値が下がって、100円で買えていたものが110円払わないと買えなくなった」

と、物価が上昇する時はこの二つのどちらか、または同時に起きています。これを「インフレーション」といい、俗にインフレと短く省略して使われている言葉です。
つまり、モノの価値が上がるか、カネの価値が下がるかが起こることで物価が上昇していく現象のことですね。前者の場合はモノを欲しい人が多いからモノの価値が上がる=景気が良くなっていると思っていいですが、後者の場合は消費をしてもらうためにカネを市場にたくさん出回らせることでカネの価値が下がっている状態です。
景気を良くしたいと考えている段階で起こりやすいのが後者です。

金融政策って美味しいの?

これを今(2021年)に当てはめてみると、コロナ禍で悪くなりすぎた景気を元に戻そうと異次元の金融緩和を各国が進めておりますが、この金融緩和というのは金融政策の一つで、超ザックリいうと市場にお金をばら撒き(⭐︎1)カネの価値を下げて物価を強制的に上げることでインフレを意図的に起こして経済を回し、景気をなんとか上向かせようとしているということになります。

また、金融政策がうまくいき、今後インフレに偏りすぎるとバブル期のような行き過ぎた物価の上昇を引き起こすので、そうならないようにある程度景気が良くなってきたと判断した時点で、緩和で緩めたものを絞めなおすことも行なっていきます。これを金融引き締めといいます。

⭐︎1  市場に流れているお金の総量を「マネタリーベース」といいます。金融緩和でお金をばら撒きマネタリーベースを増やせば、市場にお金が溢れることになり貨幣価値が落ちて物価は上昇します。が、前述した通りお金をただ増やして物価を上昇させても流動性が伴わなければ景気は良くならないので、お金だけを増やしてインフレを意図的に起こしてもあまり意味がありません。しかもお金をばら撒くことで自国通貨の価値はどんどん落ちます。今、世界各国の政府と中央銀行はこの矛盾と戦っているのです。

このように景気が悪くなりすぎると政策金利を引き下げ市場の流動性を高く保とうとし、良くなってきたら行き過ぎないように政策金利を引き上げて市場の流動性を調整します。
景気をグルグル循環させているイメージです。四季が巡るのと同じように、「春に金融緩和をして、夏にそれが成熟し、秋に過熱感を冷ます金融引き締めをして、冬に完全に冷え込む」といったイメージで市場の流動性を操作していると考えて頂いてかまいません。(もちろん春が10年続くこともあれば、夏が1年で終わってしまうこともあります。四季の話はあくまでイメージですね。)

なんだか手のひらで遊ばされているような感覚を持ってしまいますが、経済が崩壊しないようにある程度のコントロールは必要みたいです。
この季節の変わり目を迎えた時に各国の通貨の価値が変動します。ここをFXのファンダメンタルに組み込んでいくわけですね。

※インフレの逆をデフレーションといい「デフレ」と省略して使われます。モノの価値が下がりカネの価値が上がります。つまり、モノ価格の崩壊が起こり経済が停滞することになります。モノの価値が下がり価格が下がればよく売れそうな気もしてしまいますが、価格が下がったことで企業の売り上げが減少し、従業員の給与が減り、リストラが行われるため消費を控える傾向になります。また、消費を抑えている上に直前までのインフレにより金利が上昇しているので企業の設備投資なども消極的になり、経済がうまく回らなくなる状態を指します。

結局ファンダは使えないってこと?

では早速FXに当てはめてみましょう。

例えばアメリカのFRB(⭐︎2)が政策金利を上げると言い出したのならアメリカの景気は上向きになってきたと判断されて、金融緩和は一旦落ち着く可能性があることを示唆しています。
つまりドルが売られていたものが伸び悩む、または買われ始める可能性を考えます。一方で、同時期に日銀が政策金利は据え置くと発表したとします。つまり、日本の景気は回復しておらず金融緩和を継続すると言っているのです。
ということは円が売られていたものは、まだまだ売られ続ける可能性があるということです。

⭐︎2  FRBは、日本でいうところの日本銀行的なアメリカの中央銀行組織です。ググるとたくさん出てきますので、ここでは割愛しますね(^◇^;)

上記の場面をドル円で考えれば「ドルが買いの方向に向き始めた、円は売り方向を継続した」となります。ということはドル円はボラティリティのないレンジ相場から円安ドル高へ突入する可能性がある、とザックリ読み解くわけです。
コロナ禍前のここ何年かのドル円の動きの無さは、このような背景が影響している可能性もあるわけですね。
となると「政策金利を引き締めて金利を上げ続けている国と金融緩和続行の円とのクロス通貨で取引した方が値幅も取りやすい」と想定を立てることもできるわけです。

もちろん、ファンダメンタルは長期方向の値動きを見るためのものですから、今日明日の取引でそうなるというわけではないのですが、シナリオを作っていく上でテクニカル的なトレンド転換の節目の場面でファンダメンタル方向へ動きが揃った時には、多少強気で攻めたりする根拠の一つにすることは十分できます。

でも長期ってどれぐらい?と疑問に思った方もいると思いますのである程度の目安を書いておきます。FXにおいてファンダメンタルを取引の根拠にする時間足は週足です。金融政策は年単位など大きな時間軸で動いていますので5分足や1時間足ではほとんど効果はありません。

「なんだ、なら要らないじゃん」と思われる方も多いと思いますが、FXにおいてのテクニカル分析の最大長期足は週足です(年足を見る方がいることを承知の上で書いています)。この週足がテクニカル的にもファンダメンタル的にも今後向かうであろう方向の見立てが揃っている時の優位性は利益を伸ばす時の大きな武器となります。

といっても具体的にどんな時に使うのか分からなければ、「知っているけど使いこなせない=知らない」という頭でっかちになってしまうので、使う場所の目安をイメージできるような事例を一つ出しておきます。

ファンダ事例ってやつ

超ザックリ書きますね(^◇^;)

[2018年初頭は前年から続く米中貿易摩擦によるリスクを受け、ドルが売られ続けていましたが2018年1月の時点ではFRBは政策金利を据え置きとしました。
しかし一向にドル安は止まらず、ドル円は3月の時点で104円台中盤まで下落。そこでFRBは2018年内に3回の利上げを行うと発表し、3月に1回目の利上げが行われました。その後ドル円は下落の勢いが嘘のように上昇へ転じます。そして6月に2回目の利上げ。この時に年内の利上げ回数を3回から4回に増やすと発表しています。
それを受け上昇が停滞しかけていたドル円はそこからさらに上昇。結果4回の利上げによりドル円は104円から114円まで上昇したことになります。
そして最後の利上げが行われた直後からドル円は急落を始めます。

ここで大事なのは、据え置きから利上げとなったタイミングと、利上げの回数が予定回数を迎えたタイミングです。
ぶっちゃけ2回目以降の利上げに関してドル円が上昇したのは他にも様々な理由や原因があると思います。しかし利上げを発表し下落していたドル円が上向きになったタイミングと、利上げが予定回数を迎え金融引き締めが終わりを迎えたとなったタイミングでドル円は見事に転換しています。
つまり金利を上げると発表したタイミングでドルが買われ始め、金利を上げるのは終わりだとなったタイミングでドルが売られ始めたということです。]

もちろんこれだけが原因でドル円は急騰したわけではありませんが、こういった背景を知っておくことで、週足が上昇中に4時間レベルでの下落トレンドが発生してもファンダメンタル(今年はドルが買われやすい状況にある)を背中に週足の押し目作りをしている可能性というシナリオを取り入れることができます。
転換の初動をファンダメンタルだけで捉えるのは難しいですが、テクニカル分析で反転した後の根拠の一つとして背中を預けることは可能です。

まとめ

このように各国の中央銀行が政策金利を上げたり下げたり、はたまた据え置いたりする発表をただ数字を追いかけるだけでなく、その中身を読み取ることで「今後この通貨ペアは年間を通してどのように動きやすいのか?」というシナリオを作ることができれば、もしかしたら10円抜きなんてことが可能かもしれません_(:3」z)_

少しだけ世界の情勢、世界の中央銀行の動きに目を光らせておくだけでいいのです。ファンダメンタルは難しい!と思わずに、まずはひとつだけの事柄を集中してみておくこと。そうすることで周りにある他のものも少しずつ見えてきます。

大事なのは利上げ利下げを予想することではなく、発表された結果に対してどう反応するか。過去の各国の利上げや利下げの転換時期と、チャートを見比べることをたくさんしてみれば、「織り込み済み」などの言葉にも騙されることなく、違和感を覚える動きなんかも見えてくるかもしれません。

皆様の今後の投資人生のヒントに少しでもなればと思います。

どうぞ良きトレードをm(_ _)m


※今回の記事内容により取引を行い、被ってしまった損失や利益に関してはdaiceは一切の責任を負いません。取引はご自分の責任と判断の元、行って頂きますようお願い申し上げます。

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