【ジャンボ空港物語】プレイ日記 #0
※#0なのでほぼ茶番。
次元の狭間、迷宮館の廊下にて――。
ウィル:
うーん。今日は特にそれらしい扉は開かなかったな。収穫はゼロか……。
ウィル:
ま、たまにはこういう日もいいか。カナリアの奴が扉の向こうから変なものも持ち込まないし、クソでかい虫やらでっかい猫やらも出てこないし。おかげで館も壊れん。
……。
いや、そもそも居候であるはずの俺が、どうして本来の住人より館に気を遣ってるんだよ、おかしいだろ。
ウィル:
とはいえ、この館は俺にとっても拠点だからな。異界に繋がるといっても、わけのわからん物に出てこられても困る。行きたい場所に行けないという点は困ったものだが。
遠い場所でも行きたい場所に行けるものってのは無いんだろうか……。
ウィル:
……ん?
なんだ、俺の部屋が……。おかしい、俺の部屋のドアはこんな形じゃなかったはず。
……まさか……!?
カナリア:
うわっ。なんか急にウィルの悲鳴が聞こえたぞ?
シラユキ:
ほんとね。また扉からだれか出てきたのかしら~。
ウィル:
おい!! 俺の部屋の前に扉が開いたんだが!?
カナリア:
あ、やっぱ扉開いたんだな。いつもの事じゃねぇか。
それともまた記憶喪失になったか!?
ウィル:
違う、俺の部屋に入れねぇっつってんだよ!
シラユキ:
入れないってどういうこと?
ウィル:
えーと……つまり、俺の部屋の扉と重なる位置に扉が出来てんだよ!
どうすんだよ、本来の俺の部屋が開けられないんだが!?
カナリア:
……あっははははは!
いままでそんなとこに開いたことないぞ!
さすが、持ってる男だな!
ウィル:
うるせぇ!?
俺の部屋はどうなってんだ!
カナリア:
こりゃしばらく入れそうにないな~。
部屋の中になんか置いてきたりしたわけじゃないなら、まあ当分は大丈夫だろ。
お前の伯爵もさっきカフェ室に居たし。
ウィル:
俺の使い魔に勝手に名前をつけるなと何度言ったら。
シラユキ:
うーん。見たところ、何かの施設みたいね。
出発ゲートがあるから、港とか空港だと思うけど。
ウィル:
!? こんにちは……!?
カナリア:
おっ、人がいるじゃんか!
こんにちはー!
シラユキ:
こんにちは。この人はこの空港の秘書の方みたいね。
ウィル君のことを社長だと思ってるみたいだけど。
ウィル:
なんだと……。
おいまさかこの扉、その……空港? とやらの社長室に繋がってんじゃないだろうな?
カナリア:
空港なのはわかったが、殺風景だなあ。
いちおう滑走路とかはあるけど。
シラユキ:
本当ね。休めるところもほとんど無さそう。
ここからいろいろと施設を建てないといけないみたいね。
ウィル君、せっかくだし手伝ってあげたら?
ウィル:
は? 俺が?
シラユキ:
だって本来の社長さんはいないみたいだし……。
異界の扉が閉じそうな気配も無いもの。
もしかすると、そのために繋がったのかもしれないわね。
この空港を大きくすれば、扉も閉じるかもしれないわ。
カナリア:
いいじゃねぇか!
どうせ暇なんだし手伝おうぜ!
ウィル:
お前はまたそう安請け合いを……。
カナリア:
あと、空港に繋がったせいで、うちの迷宮に迷い込んでる奴いる。
ウィル:
まとめてお帰り願えるか!?
ええい、わかったわかった!
とにかくこの空港とやらを発展させればいいんだろ。
ウィル:
……それにしても、他の世界じゃこんなデカ物が空を飛ぶとはな。
カナリア:
えっ。もしかしてお前、
科学の無い世界の人間が飛行機見て「鉄の竜だ!」って言うようなタイプ?
ウィル:
本当に言うやついるのか、そんなこと!?
少なくとも竜じゃないことくらいは見ればわかるわ!
というか、俺の部屋はどうなるんだ。
シラユキ:
まあまあ、寝る所ならなんとかなるわよ。
それにウィル君、たまに暖炉の部屋で寝てたりするでしょう?
ウィル:
ぐっ……。そ、それはそうだが……。
シラユキ:
うふふ、がんばって!
私も空港の経営はしたことないけれど、応援するから!
カナリア:
よーし、がんばろうぜー!
ウィル:
はぁ……、結局こうなるのか……。
まあいい、俺の部屋を取り戻すためにも、やってやろうじゃないか。
次回(#1)よりプレイ日記開始。
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