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【長編】冬の魔術師と草原竜の秘宝

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異界に繋がる迷宮の館――館に響いた音の調査に向かったウィルとカナリアは、列車が走る草原の世界に閉じ込められてしまう。襲撃を受けた列車を救ったウィルは、やがて竜の秘宝を巡る鉄道会社… もっと読む
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【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝・タイトル画像

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ㉚

最終話 エピローグ  すべてを覆い尽くした雪は、人々の心さえも閉ざしてしまいそうだった。…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ㉙

第29話 「こうして悪い魔法使いは……」 「本当に行ってしまうのか」  杖を持ったトウカが…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ㉘

第28話 残された人々  咆哮が響き渡ると、仕事を終えた竜はその翼を広げて、広い、広い空へ…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ㉗

第27話 冬に至る 「かつて我々は、竜とともにありました。この世界そのものである竜と……」…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ㉖

第26話 アンシー・ウーフェン上層 「ああ、もう……」  ウィルはカナリアの背に掴まりなが…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ㉕

第25話 竜の行方  ――ああ、よく生きて、よく働いた!  ――とても、とても長かった。  ――とても長い時間、よく働いた。  ――わたしは、とても働きものだった。  ――わたしを知る者たちが減ってしまったのは少し悲しいけれども、それでもわたしはよく働いた。  ――みんなが魔法使いと一緒に、わたしを生かしてくれた事も知っているよ。  ――わたしの死んでいる間はとても寒くて冷たくて、寂しい季節だからね。  ――だが、少しだけ。  ――少しの間だけ、眠りにつこうと思う。  

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ㉔

第24話 魔法陣停止作戦と、列車の秘密 「ともかく、まずは魔法陣を止める事だ。やるなら徹底…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ㉓

第23話 浸食される魔法陣 「おお!? なんだなんだ!?」  子羊を抱えたままやってくるカ…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘密 ㉒

第22話 仕掛けられた秘密 「……すみません」  集落の方に戻ったあと、キラカが小さく言っ…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ㉑

第21話 腐れ谷の生活と深部 「……さて。それじゃそろそろ、聞かせてもらおうか。お前たちの…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ⑳

第20話 腐れ谷での目覚め  目を覚ますと、明るい日差しが上から差し込んでいた。  円形の…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ⑲

第19話 襲撃、無銘なる黙示団  外ではけたたましい警報音が流れていた。  その合間を縫う…

【小説】冬の魔術師と草原竜の秘宝 ⑱

第18話 ほんの少しの休息  ウィルは『空っ風とホイルスの旅籠』に戻ってくると、マントも脱がないままベッドに倒れこんだ。  起きると既に日は昇りきって、時刻は昼の十二時を回っていた。マントのおかげでなんとか風邪はひかずに済んだようだ。横を見ると、カナリアと目があった。 「おっ、起きたか!? おはよう!」  第一声が耳をつんざいた。  死んだような目で見返す。 「……お前は、いつ帰ってきたんだ?」 「それは知らないけど、オレが寝た時はまだ帰ってなかったぞ?」 「……」