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終着駅へ行ってみた「ゆいレール」奥武山公園駅 下

「ハーバービューホテル」
最寄りの旭橋駅を利用せず
散歩を楽しむため小生は、
奥武山公園駅を利用する。

散歩は
「沖縄の歴史と現状に思いを巡らせる」
ためというのは名目で・・・
オリオンビールを美味しく飲む目的は
ひたかくしにしながら那覇市内を彷徨う
沖縄の開発の遅れの理由と課題は?
酒のつまみ…

アストラムラインの完成に遅れること

ゆいレールは二〇〇三年と九年おくれで完成した。
大田実中将の遺言は
「沖縄県民は日本全体を守るために戦ってくれたのだから、
後世の沖縄県民へちゃんと配慮して欲しい」という願いだが、
随分と長い期間たなざらしであった。

沖縄や北海道の振興は本土・内地より手厚く、
人口の割に多額の税金が投下されていると揶揄される。

確かに税収がもっとも大きいのは東京、大阪、名古屋を中心とする三大都市圏である。

都市部にも当然開発は必要で、新規鉄道路線の整備も重要だという事に異論を差し挟む余地はない。

その論法だと、税収の上がらない地方は発展の見込みがないから、
ほったらかしで良いとなるがそれが正しい判断なのだろうか。

発展させる部分を選別し成功させる自信があるのなら根拠を示してほしい。

日本のように自然災害が頻発する国土において

分散を意図せずに大都市圏に開発を集中させた結果が地方の凋落と、
都市部の人口集中や地価高騰を招いたのだ。

しかも那覇市は、三大都市圏並みに人口が過密であるにもかかわらず、
長年市内交通の脆弱さをほったらかしにされていた。

理由は単純であろう。
我田引鉄が可能な政治力が不足し、
優先順位が下げられた以外に理由があるのなら、
無学な私にご教授賜りたい。

千葉県長生郡出身の大田中将

へ顔向けできない私は、
小禄の丘に登り壕の入口を眺めながら千葉県民として配慮不足をお詫びし、
手を合わせるしか術がない。

海軍司令部壕の公園を後にして、
意気消沈のまま坂をトボトボと下り、
地元スーパーでオリオンビールを買って本日の遠足は終了となる。

乗り放題の切符を所持しているので、
一刻も早くノドを潤したいという欲望にかられる。
宿へ一刻も早く帰還すべく至近の小禄駅からゆいレールに乗車した。

那覇空港到着便の集中する時間帯の車内は
立錐の余地もなく、遠足後の初老の汗かき男を拒絶するように満員御礼の活況であった。

遠路はるばる沖縄までお出かけいただいた、
大事な観光客の皆様に不快な思いをさせるのは本意ではない。
奥武山公園駅まで一駅だけ乗車し、
ゆいレールを見送った。

ゆいレールは開業時より乗客が確実に増加

している。
乗客数は二〇〇三年と二〇一九年の対比では五割ほど増加している状況である。
朝晩の混雑緩和のため二両編成の車両を三両編成へと増結し、駅の施設も改修する工事が実施されている。

少しだけ顔向けできるようになった。
「長い時間かかりましたが、閣下の海軍次官への要望はこの鉄道によってようやく実を結びそうです。」

御子息は数度お見かけしたが、
写真を見ると大田中将の顔は息子の落合さんとそっくりである。
丸顔の閣下は息子さん同様の柔和な笑顔で報告を聞いてくれそうだ。


正直な話
大田中将のご子息落合さんは、湾岸派遣で掃海部隊を指揮した方です。
私が船の事故でとある病院…犬猫病院と揶揄された小さな病院で寝ていて…ヒトの気配で目が覚めると…そこには丸顔の落合さんが心配そうに小官を覗きこんでおられました。
江田島の校長さんだったので…
お父上も息子さんのように部下みんなに慕われる指揮官だったのかなあと…
海自は…イロイロな上司がおりましたが…部下に一切悪口を言われない
そんな不思議な指揮官がたくさんおられました。
偉くならなくて偉くなれなくて良かった
人格者ではない小官の正直な思いです。


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