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終着駅へ行ってみた「室蘭本線」番外編 中途半端な・・・

室蘭とはなんと中途半端な街

だろう・・・。


フェリーなどの交通の便に関しては、
札幌に近い苫小牧が断然有利だ。


観光地としてなら、登別温泉、洞爺湖、
ニセコそして、高速で1時間ちょっと
走れば札幌につく。


北海道の感覚では全部ご近所だ!


工業都市としての発展も中途半端で、
大学や研究所などもあるが、

「何を売り物にしているのか」
全くわからない。


市民や市役所・観光協会などが、
長年知恵を絞っても、セールス
ポイントが見つからない観光地は
・・・・埒外だろう。

それを喜ぶ観光客は奇特な方だけ。

よほど世間知らずか、お人好しの方々だ。


「室蘭人はお人好し」


と北海道では昔から揶揄される。


白鳥湾という天然の大きな港が
あるのに、札幌に近いというだけで、
苫小牧には二つの大きな掘り込み式の港
を国策で建設した。


苫小牧出身のとある政治家の策略に、
まんまとはまって「あげた」のだ。

その方が地元の土建業が潤うからだ。

反対するどころか、
地元のためになると・・・。


受注したのは大手建設会社だが、
作業の下請けとして支えたのは
ほかならぬ室蘭の建設会社だ。


苫小牧は、港が整備される以前は
製紙工場が唯一の産業であった。

したがって建設業者がそれほど
多くはなかった。


とある政治家は、室蘭の弱点を
知っていたのだ。

大手企業に盲従する体質だ。

長年企業城下町として成立している
地方都市にとって、
大手企業の一次下請けはステータスである。


銀行や地域の信用を勝ち取るには、
それが一番近道であり、多少不利な
条件でも元請けに逆らわない体質が
沁み込んだ中小企業群は、
常に大手の顔色ばかりを伺っている。


自分の街が凋落するきっかけを、
街をあげて

「国策事業のためだ」と協力したのは、
お人好しな性分だけではなく、
日本の下請け企業が抱える闇の部分にも
深く関係するのだろう。

室蘭港は日本国内に18地域しか
存在しない国際拠点港湾のひとつである。


そのステータスで、港湾整備や
外国船の入港に関する官庁の設置、
関税措置など様々なメリットを享受できる。

それなのに、いつになっても
中途半端感がいなめない。


そして地元民の自嘲クセは
「治らない。」


単なる地方都市でありながら、
巨大な橋や港湾設備、
市内道路網など・・・
特権階級都市のように

整備されている。


それなのに
「所詮苫小牧には敵わない」

と半ばあきらめムードが
もう40年間、市内全体を
深い霧のように覆っている。


それはまるで小生とそっくりではないか。


やることなすこと中途半端で、
人間の性格とは・・・・出生地に
ここまで引きずられ、左右されるものらしい。


いくら何でも「小生と同列」
などと放言すれば、逆上した室蘭に
訴えられる危険がある。


地元の街から訴訟騒ぎとなっては、
元も子もないので、小生の性格は
本人がもたらした人災だということに
話をおさめ「おっちゃんを逃がしたい。」

濁ったお茶の好みは様々だ。


室蘭名物には・・・

「むろらんやきとり」

「むろらんカレーラーメン」

というソールフードがある。

そんなにすごい人気商品ではないが

いぶし銀のように、細々と命脈を保っている。


小生には同格の名物など存在しない。

中途半端どころか、前途多難なのは小生だ。


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