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はるかなる世界樹の呼び声【世界樹の迷宮X感想】


君はこのレビューを読んでも良いし、

そんなものを読む暇はないと立ち去っても良い。



というわけで今回は世界樹の迷宮クロスを評価!

メーカーが「3DS最後の世界樹」と謳ったその出来や如何に……?


注意:世界樹の迷宮クロス、及び世界樹シリーズの   ネタバレを含みます




良いと思ったところ


・歓迎せし朱玉の旋律


歴代の迷宮が登場するってのは紹介動画で知ったのですが……この時点で発狂した


しかしまさか迷宮BGMまで固有のものだとは!!

第2迷宮に初めて踏み入れた時は蒸発しましたね。

何度も迷宮を行ったり来たりする度に、

「えっ!?なんで原始ノ大密林の後に桜ノ立橋が聴けるの?!神isGOD。」

「ハッ!海嶺ノ水林に居たと思ったらなんで鍾乳洞(略)に居るの???」

と言う風に騒いでいます。いい加減慣れろ

しかもですよ……

Ⅰの迷宮ではⅠの戦闘曲が流れるんですよ

Ⅱの迷宮ではⅡの戦闘曲が聞けるんですよ


シリーズ屈指の名曲、「剣を掲げ誇りを胸に」がブラッシュアップされてるんですよ!(歓喜)


こんなん、紅炎は猛りオタクは舞い舞いだよ!!


戦闘曲は歴代ラス(裏)ボスと新シリーズ、Ⅴ以外は漏れなくⅢの通常後編はナシ収録されており……


まさに世界樹のオルゴール箱と言える作品になっています。

・畢竟たどり着く、最高のゲームシステム


①製図画面

マッピングシステムも紆余曲折を経て(笑)大分洗練されました。

プレイヤーの作図を助ける機能をそっと添える……

この微妙なサジ加減が難しいところですが、本作はごちゃつき過ぎることもなく、シンプルに仕上がっています。

②キャラメイク

歴代の18職業とサブクラスに加え、外見まで細かく設定できるキャラメイクは圧巻の一言。


相変わらず一部の中衛職が万能すぎるものの、全職業のバランスもなかなか良いと感じます。


職業の選出に関しては

「◯(任意の数字)の名物職入ってねーじゃん!」

ということもなくはないですが、ゲーム自体が面白いからもう許せるぞオイ。



・黄泉還る恐怖、あるいは興奮


まぁやはりこれですよね。

作品全体がシリーズプレイヤーを意識した作りになっており、思い出をこれでもかと刺激してきます。



2のラスボスが獣除けの鈴をくれる


モンスターも(ほぼ)オールスター感謝祭、

懐かしいキャラクター達にどっかで見た迷宮……

見ろ、思い出が走馬灯のようだ。


問題だと思ったところ


・ストーリーが面白くない


辛辣ですが歴代作品に比べればストーリーの面白さはいまいちです。


薄っすらと全体のテーマも感じますが、これまでの世界樹はラスボスに絡めたメッセージ性が強かったこともあり、少し物足りなさを感じます。



色々と共通項が多い


この感じはあれだ、思い出と名シーン詰め込みすぎて「うーん」ってなったキミにきめた現象。


迷宮の数や登場キャラクターが多いことで全体的にだれた印象も拭えず、シーン単位では良いもののまとまりに欠ける物語に……。


・NPCの雑な扱い


ストーリーの盛り上がりにも関わる、ダンジョンでのNPC同行システムですが、今作では問題が発生。

同行とは名ばかりで戦闘に参加しない=散歩だけのケースが殆どなのです。

戦闘能力のない商人ならまだ理解できますが、せっかく迷宮で出会った冒険者が参戦なし、というのはもったいない!


盛大に吹いた


あと超危険な迷宮でラジオ体操した2人はちょっと来い。話がある。

街NPCとのトークで樹海に関する話題が減ったことも地味にマイナスポイントです。


・新ダンジョンが力負けしている



パワー!

思い出パワー!!! に負けてしまっています。

歴代の迷宮を歩けるのは嬉しいですが、今作オリジナルの迷宮がただでさえ古跡の樹海に似てるのに全て同じ景観なのは残念。

ギミックも同じ迷宮を16階も歩かせるのはどうなんだ……。


避難訓練かな???

シリーズの醍醐味である裏ダンも、暗黒殿程のインパクトもなくクリア前の樹海をちょこっといじっただけというお粗末さ。

新迷宮が1種類のみならば、こちらを3階建にして、歴代迷宮を5階建にした方がバランスが良かったのではないでしょうか。


総評:追憶、交わる運命と新たなる旅


総合評価 ★★★★☆

独自性   ★★★★☆
ストーリー ★★☆☆☆
音楽    ★★★★★★★★★★★★★★
システム  ★★★★☆


歴代要素は満点に近いが、新要素は見劣りしているというのが全体の印象です。

とはいえシリーズ最大級の壮大なボリュームと、それに伴うバランス調整は感動モノの出来栄え。

ストーリーも総合的なテーマは弱いものの、各キャラクターの個人的な物語は以外にも丁寧で、ほっこりする場面が多々ありますね。

音楽目当てで買っても損はない……

というか得です。ウルトラスーパー得売日です。




・余談:本作のハード

2016年以降は後継機種、Switchの登場もあり、3DSの潮時を意識した作品が相次いで発売されました。

ポケットモンスターUSUM逆転裁判6脱出アドベンチャー 第七の予言、そして本作。

これら集大成と言える作品郡を見て、

「3DSの時代は終わっていくのだ。」

としみじみ思ったものです。私は未だにSwitchを購入していないので(没入と金が理由)、正真正銘3DS時代に殉じたことになります。

もちろん、今後の人生でSwitchを始めとした別ハードに触れる機会はあると思いますが、棺桶に一緒に入るなら3DSかな〜、と本作を遊んで思いました。


実際、何回か樹木葬になってるし



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