018 年金だけでは生活できない
テレビつけると相変わらずやっているこのテーマ。
「年金だけでは生活できない」
この言い方は、他にも応用可能です。
「愛だけでは生きていけない。」
その他、いろいろあると思います。
年金だけで生活できるなんて誰も言っていないにも関わらず、マスコミが年金に過大な期待をし、また、過大な期待を妄想させ「年金を扱うと視聴者が食いついてくる!」というのに気が付いてから、ずーっと言い続けているフレーズなのです。
何がいいたいかというと、年金だけでは生活できませんし、そもそもそういう設計にもなっていません。
例えば、40年間サラリーマンで平均年収500万円だった人の年金額がいくらかというと約190万円です。
年間500万円の収入で生活していた人が年間190万円で生活できますか?
もちろん、年金だけで生活できている人も中にはいると思います。
「私は年金だけで生活したい。」できないことはありません。
「1か月平均の生活費支出額≦年金月額」にできれば、夢の年金生活を送ることが可能です。
1か月平均支出額20万円とします。
そうすると、年金月額を20万円以上にすれば解決します。
年金月額20万円って、どうやったら達成できるのでしょうか?
年金額にすると20万円×12月=240万円の年金です。
まず、老齢基礎年金。
老齢基礎年金は20歳~60歳までの40年間、国民年金または厚生年金保険に加入すれば80万円の年金がもらえます。
次に、老齢厚生年金。
老齢基礎年金で80万円受給できる場合、老齢厚生年金で160万円(=240-80)が必要です。
老齢厚生年金は、厚生年金加入時の給与や賞与の額を基に計算されます。給与や賞与が高ければ高いほど年金額も高く、逆に低ければ年金額も低くなります。つまり、比例的に決定する年金です。
ざっくり言うと、会社員時代の給与と賞与の合計額(生涯獲得賃金)に1000分の5.5を乗じて得た金額が、老齢厚生年金の額になります。
例えば、生涯獲得賃金額が2億円の場合、2億円×5.5/1000=110万円
〃 3億円の場合、3億円×5.5/1000=165万円
よって、生涯獲得賃金が約3億円程度の人は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合算して年間約240万円となり、月額20万円の年金を得ることができるということになります。
3億円の生涯獲得賃金って平均年収でいうと750万円(3億円÷40年)です。日本人の平均年収が450万円程度だと考えると、3億円の収入を得る人はそれほど多くは無いでしょう。
皆さん安心してください。ソリューションを提供します。
それは「結婚すること」です。
先の年金の計算でいうと、老齢基礎年金は2人で160万円(80万円×2人)となりますから、残りの80万円を二人の老齢厚生年金で補えばOKです。
生涯獲得賃金1.5億円×5.5/1000≒80万円
夫婦共に社会保険に加入しているときの給与の総額が1.5億円あれば、老齢厚生年金の額は80万円になります。
40年間で1.5億円ですから、年収380万円程度。しかも夫婦二人の合計です。
そうすると、夫婦の年金額の合計額は年額240万円となり、月額20万円の生活を送ることができます。はい、めでたしめでたし。
でも夫婦共に生きていたらいいけど、どちらかが先に亡くなったら、どうなるのでしょうか?そりゃ、年金額は一人分減ることになります。
ですので、いくら年金だけで生活ができるとしても、ある程度の預貯金を準備しておくことは重要ですし、もっと言えば必要なことなのです。
年金だけでは生活できません。
でも、年金が無ければ生活できません。
高齢者世帯の生計費の6割以上を年金が占めると言われています。
年金制度のすべてが良いとは言いませんが、いまのところ年金制度に代わるものがありません。
年金制度を金融商品の一つとして見れば、優秀な商品の一つですので、上手に活用し利用すればいいのです。
一年に一度、お誕生日月には年金定期便が届きますので、その時に将来の生活資金のことを見直して行きましょう。