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医師からの中絶勧め



主人が片道5時間半かけて車できてくれました。そして、医師から告げられた言葉は、『今回の妊娠は諦めた方がいい』ということでした。医師の思いのよらぬ言葉に私も主人も真っ青になったのを覚えています。そして、先生からかみを見せて頂きながら説明を受けました。私自身、双子を妊娠するまで知らなかったのですが、双子には色々なタイプがあるということでした。


絨毛膜が2つで羊膜が2つの

2絨毛膜2羊膜双胎


絨毛膜が1つで羊膜が2つの

1絨毛膜2羊膜双胎


絨毛膜が1つで羊膜が1つの

1絨毛膜1羊膜双胎


私は、この時1番リスクの高い1絨毛膜1羊膜双胎と診断されました。そして医師からは、『この妊娠は、非常にリスクが高いです。1絨毛膜1羊膜双胎というのは、赤ちゃん2人が1つの胎盤を共有し、お互いの間に膜はなく、一つの部屋の中で暮らしているので、お腹の中で赤ちゃんが動いた時に、お互いのヘソの緒が絡まり合って亡くなってしまう可能性が高い。僕の経験上、無事に産まれても、何らかの障がいを2人とも持って産まれてくる。中絶は僕は絶対反対なんだけど、あなたの場合は仕方がないと思う。死産の可能性が高い。死産を経験するのは、本当に辛いです。あなたはまだ若いから次があります。はっきり言います。今回は諦めた方がいいです。』と言われました。暫く事態をのみこめず、主人と沈黙していましたが、私はその場で、『先生、私この妊娠の前に流産しているんです。本当に辛かったんです。でも今思えば、今回の双子ちゃんを妊娠したことによって、1人の子が、もう1人の子を忘れた!と迎えに行ってきてくれた気がするんです。だから、私は自分からこの双子ちゃんを諦めることなんて絶対にできません。障がいががあろうとなかろうと私の子供にまちがいないです。絶対に産みます。』と医師に言いました。隣で聞いていた主人も一言『僕も同じです。』と。医師は、『そうですか。わかりました。ただ、もう一度おじいちゃんやおばちゃん、ご家族とも話し合ってきてください。』とのことでした。私たちは、分かりましたとその日は帰り、両家の家族に話をしました。両家とも、『今回は諦めた方がいいんじゃない。なかなか大変よ』と言い、私の母の目からは涙が溢れていました。でも『2人で最後は決めなさい。あなたたちの子供やから。』とも言ってくれました。私たち夫婦の心の中は決まっていたので、次の日病院に行き、医師に産む決心を伝えました。ただそこの病院はNICUが3つしかなく、田舎なので何かあった時に運ばれる病院まで3時間半かかるので、ドクターヘリで行くようになるとのこと。私は、里帰り出産を諦め自宅に戻り、近くの大学病院で出産することに決めました。そして、大学病院へ。紹介状を渡して診査室へ。そしてここで、1絨毛膜1羊膜双胎ではなく、1絨毛膜2羊膜双胎と診断されました。ただ膜は、あるものの見えるか見えないかくらい薄いと言われました。でも頑張って元気な赤ちゃんが産まれるように頑張りましょうと言って頂きました。双子ちゃんが無事に産まれますように。毎日毎日、それだけを願いながら妊娠生活が始まりました。




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